牛乳が袋入り?カナダの牛乳事情は驚きの連続!

更新 | 2017-03-10公開
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カナダの牛乳は4L。

相当重たいです、それはもう、手首が痛くなるレベルで。カナダでも2Lサイズなども売っているのですが、ついついお得な4L入り牛乳を買ってしまう、貧乏性な私。

でも、最近、その手首の痛みから解放されました!なぜかと言うと、「袋入り牛乳」を愛用するようになったから。

アメリカには売られていない、カナダならではと言える、袋入り牛乳

これまで、その奇妙な形態に警戒し、これまでつい敬遠してきた私ですが、、、いざ使ってみると、あまりに便利すぎて、衝撃が走ってます!そして、その袋のリサイクル方法も、これまた衝撃的!

今回は驚きの多いカナダの牛乳事情をご紹介したいと思います。

カナダ東部で出会える「袋入り牛乳」

では早速。こちらが、カナダで売られている袋入り牛乳です。

まるで、牛乳とは思えませんよね。袋入りに馴染みのない日本人がこれを手に取るのは、なかなか勇気が必要です。

カナダでは4Lの他にも2L入りの牛乳も売られていますが、2L入りは日本と同じような紙パックに入っています。ホッとする光景ですね。

この袋入り牛乳が売られているのは、オンタリオ州以東のカナダ東部のみ。バンクーバーやカルガリーなどの西部では売られていません。

カナダ西部では「ジャグ入り牛乳」

袋入り牛乳が発売されていないカナダ西部では、「ジャグ」という呼び名で親しまれている大きなプラスチック製のボトルに入って売られています。

袋入りに比べると見た目の安心感は大きいのですが、実はこのボトルも、なかなかのツワモノ。

なぜって、まず、キャップが固い!相当力を入れないと空きません。自分が女子であることを感じさせくれるキャップです。

そして、さすが4L入りです。めちゃくちゃ重い!冷蔵庫から出し入れするだけで、筋トレ替わり。

袋入りは想像以上に使いやすかった!

以前住んでいた東海岸のノバスコシア州では、袋入りとボトル入りの両方が売られていました。

両者同じ値段ですし、これまで迷いなくボトル入りを選んできた私。だって、袋入りは使い方もよく分からないし、こぼれそうだし、もし袋が破けたら大惨事!

でも、袋入り牛乳しか取り扱っていないオンタリオ州に引っ越したのをきっかけに、否応なしに袋入りデビューです。

でも、使ってみたら、意外や意外、これ、めちゃくちゃ使いやすい!!なんで今までこっちにしなかったんだろう?!と、これまでのカナダ生活約2年半を後悔するくらい。

袋入り牛乳の飲み方

私のように袋入り牛乳を厳重警戒している方のために、袋入り牛乳の素晴らしいメリットのご紹介と、使い方?飲み方?をご説明させてください。

袋入り牛乳の中身

4L入りの牛乳を買うと、このようなミルクバッグが3袋入っています。

4L÷3=・・・・

割り切れない。

4Lって間違っているよね!カナダ人って本当に大雑把!」と、ミルクバッグの容量に疑問を抱き、熱く語ってくれた友人の話が今になってよく分かります。

端数はともかく、このように3つの袋に分かれていることで、鮮度が保たれます。4L入りのボトルだと、早めに飲み切らないと、最後のほうは傷んでしまいがちだったので、これは袋入り牛乳の大きなメリットですね!

袋は意外に丈夫

そして、この袋、意外に丈夫です。スーパーで買ってきて、ドサッと床に置いても、破れたりする気配はありません。

ただ、時々年に1度ほど、破れたミルクに遭遇することがあります。店頭で購入する際は、白い液漏れがないか確認してから購入することをおすすめします。

袋入り牛乳の飲み方①ミルクピッチャーにセットする

袋入り牛乳には、必ず「ミルクピッチャー」が必要です。写真のように、袋のままミルクピッチャーにセットします。

ミルクピッチャーはスーパーの牛乳売り場や1ドルショップのダララマなどで買えますよ。

ちなみに、写真のミルクピッチャーはIKEAで買いました。通常のミルクピッチャーよりも一回り大きく、袋があまり飛び出さないので、安心感を求める私のような初心者にオススメ。

袋入り牛乳の飲み方②ハサミでチョキンと。

キッチンバサミなどで先端をカットします。もちろん、カットの具合で牛乳の飛び出し方が変わってくるので、ご注意を。

なお、下記のようなミルクバッグ専用のカッターも発売されています。マグネット式で冷蔵庫に張り付けられる便利なものもあります。

 

袋入り牛乳の飲み方③後は注ぐだけ

ミルクバッグをカットすれば、準備完了。この通り、至って普通に注げます!

注ぐ時に液ダレしたり、こぼれたりすることはないので、ミルクピッチャーは清潔なまま。袋が空になれば、そのまま次の袋をセットするだけでOKです。

蓋は不要!使い終わったら「そのまま」冷蔵庫へ

ミルクを注ぎ終わったら、そのまま冷蔵庫へ入れておきます。蓋はありません────

いいんです、これで。

・・・いんでしょうか?!これで??

私の袋入り牛乳に対する最大の懸念はココにあったのですが、、、このままの状態で冷蔵庫に入れるのが一般的だそう。

クリップなどで切り口を留める方もいますが、むしろ、下手に切り口を触ってしまうことで、余計なバイ菌が入ってしまう可能性もあるので、利便性と安全性を兼ねて、フタ無し、クリップ無しでもOK!

もう2年近く袋入り牛乳を愛用していますが、今のところ味がおかしくなったことはありません。

ただし、まだ満タンに入っている状態で冷蔵庫のドアを勢いよく占めると、ミルクがこぼれることがあるので、お気を付けください。

気になる方は、クリップで留めたり、気持ち、袋をピッチャーの中にへこませておきましょう。ただ、切り口に直接手が触れないようにご注意くださいね。

袋入り牛乳のメリット

袋入り牛乳のメリットを挙げてみると・・

  • 袋が3つに分かれているので、鮮度が保たれる
  • 冷蔵庫の中の収納が楽
  • 軽くて、手首を傷めない
  • 蓋の開閉がないので、手軽に注げる
  • 液ダレしないので、ミルクピッチャーは清潔なまま

このような感じかと。

2年半、4Lのミルクボトルを愛用してきた私ですが、両者を比べて見ると、断然、袋入り牛乳に軍配が上がります!

特に、鮮度が保たれる上に、扱いも楽なのが最高。こんなメリットが色々ある袋入りを体験すると、もうあの重たい4Lボトルには戻れない!

カナダで袋入り牛乳が広まった理由

ところで、なぜカナダでは「袋入り牛乳」なんていうものが始まったのでしょう?

カナダの袋入り牛乳の歴史は長く、始めて市場に出回ったのは、1967年、今からもう50年も前のこと。

当時主流だったガラス容器入りの牛乳よりも、軽くて、丈夫だったことから、袋入り牛乳はすぐに消費者の支持を得られたそう。

さらに、袋入り牛乳の普及を後押ししたのが、カナダ政府が採用した国際単位規格の「メートル法」

カナダでは長年、ヤードやポンドといったイギリス式の計測単位が使用されていましたが、当時、世界的に標準になりつつあったメートルやキロの単位を使う「メートル法」に移行することが決定されたのです。

それに伴って、新単位に合わせるために、牛乳ボトルの製造ラインを一から設計し直す必要に迫られました。その点、プラスチック製の袋であれば移行が簡単、且つ、コストも安かったため、袋入りを採用した業者が多かったというわけです。

カナダで袋入り牛乳が発売されている理由は「環境に優しいからかな」なんて勝手に想像していましたが・・・、実は、単に、製造側の都合だったのですね。

世界に広がる袋入り牛乳

袋入り牛乳が売られているのは、なんと今やカナダだけではありません!

ポーランドや、ドイツ、ハンガリーなどのヨーロッパや、イスラエルなどの中東諸国でも売られているそうですよ。

さらに、イギリスでも10年ほど前から袋入り牛乳が発売されるように。イギリスでは、ミルクボトルのリサイクルが進まなかったことから、袋入り牛乳の普及を図ったそうです。

出典:packaging europe

カナダ版はピッチャーに入れるだけの簡素な作りですが、、、イギリスのものはずいぶん洗練されていますね。

袋入りとボトル入り、環境に優しいのはどっち?

ところで、袋入り牛乳とボトル入り牛乳、環境に優しいのはどちらだと思いますか?

私自身、使用するプラスチックの量から考えて、袋入りかな?!と思っていました。確かに、プラスチックの使用量は、袋入り牛乳のパッケージはボトル入りに比べて、75%も少なくなっています。

しかし、本当に環境に優しいのは、ボトル

と言うのも、プラスチック製のミルクボトルには各地域で回収が義務付けられていたり、リサイクルに出すとデポジット返金を受けれたりと、回収が徹底しているのに対し、袋入り牛乳に関しては、リサイクルが進んでいません

むしろリサイクルするのではなく、「ゴミ」として捨てるよう指示が出ている地域もあります。

我が家の地域でも、この袋はそのままゴミ箱へ・・・

ミルクバッグの意外なリサイクル方法

使い終わったら捨てられてしまいがちなミルクバッグ。ところが、最近では、外袋の面白いリサイクル方法が話題になっています!

袋入り牛乳でリサイクルに使われるのが、こちらの外袋。

この外袋を大量に集めて、再利用するのです!どのような物に再利用するのかと言うと───

カバン

出典:MILKBAGSunlimited

プラスチック製の外袋を、編み物のように編んで作っているのですね!

マットレス

出典:CTV News

そして、こちらはなんと、マットレスに変身です!

キャンプの時とか良いかも!ただ、1枚のマットレスには420枚の外袋が使われているそうなので、個人で作るのはなかなか大変そう。

被災地やホームレス支援となるミルクバッグ

実は、これらのバッグやマットレスは、2010年のハイチ地震をきっかけに始まった「MILKBAGSunlimited」というボランティア団体の活動で作られたもの。

ハイチ地震以降も、世界中の被災地やホームレスの方などにこのマットレスやカバンを送り、支援しているそう。今や、数多くの学校や教会がこの活動に参加しています。

また、この団体以外にも、オンタリオ州を中心に、各地でミルクバッグによる支援活動が行われています。

出典:brantnews.com

ただのゴミになってしまうはずの外袋が、困った人を助けるマットレスになる。素晴らしいアイデアと活動ですね!

まとめ

以上、カナダの袋入り牛乳についてのご紹介でした。

「袋入り牛乳ってめちゃくちゃ便利!!」という、かる~い記事にするつもりが、ついつい長くなってしまいました。。。

ここまでをもう一度まとめてみると───

  • カナダ国内でも、東部でしか出会えない袋入り牛乳
  • 奇抜な形状ながら、使い勝手もよく、新鮮さがキープできて最高!
  • 製造コストが安く、業者側にもメリットが大きい
  • イギリスをはじめとするヨーロッパや、中東諸国でも売られている
  • ミルクバッグ自体のリサイクルは進んでいないが、外袋は被災地やホームレス支援物資にリサイクルされている

個人的には本当にお気に入りになったミルクバッグ。こんな便利なものに出会えて感謝です。ぜひともカナダ西部や日本にも広まってほしい!

カナダ東部の名物とも言えるので、もし旅行などでカナダ東部に訪れた際には、スーパーなどで探してみてくださいね。

参考情報:thestar.com「So we drink milk from bags. Does that make us weird?」