「一時帰国中に子供を小学校や中学校に体験入学させたい!」
お子さんがいる海外在住者の方の中には、そんな希望を持つ方が多いのではないでしょうか。今回は体験入学の手続き、事前準備、持ち物などを、私や友人たちの体験を交えつつ、ご紹介したいと思います。
この記事の目次
誰でも入れる?体験入学の受け入れ条件
体験入学は法律で定められている制度ではないため、明確な受け入れ基準や条件はありません。あくまで、教育委員会や学校の判断次第です。
私が問い合わせた学校でも、子供の日本語レベル、補習校への通学有無、入学テストなどの受け入れ条件などは一切全くなし。私の周りでも、特に条件があったという話は聞きません。
ただ、体験入学者が多い地域などでは、下記のように明確なルール付けをしているところもあります。
- 児童・生徒が学齢であること
- 児童・生徒が保護者とともに一時帰国していること(ホームステイ等、保護者を伴わない場合は観光旅行等は不可)
- 滞在先が自宅もしくは親族宅であること
- 児童・生徒が日本国籍を有していること
- 体験入学期間が体験入学開始日から2ヶ月以内であること
- 児童・生徒の一時帰国中の滞在場所が通学区域内にあること
- 学校の日常の教育活動に支障がないこと
埼玉県嵐山町教育委員会「体験入学」より
※上記はあくまで一例です。条件は各学校や教育委員会によって異なります。
体験入学できる学校の探し方
体験入学の受け入れを確認するにあたり、候補となる学校を探しましょう。
基本は、「実家や親族宅の校区の学校」です。ただ、子供が歩いて通学できる範囲であれば、校区外でも問合せしてみても良いと思います。
我が家の場合、体験入学が珍しい地域で、入学を断られる可能性もあったため、実家の校区の学校だけでなく、実家から通える範囲の学校、姉の校区の学校と、合計4校に問合せました。うち2校は教育委員会も違いました。
体験入学の手続き方法
体験入学の手続きは、学校や教育委員会によって異なりますが、だいたいはこの3つ。
- 教育委員会や市役所などに「申請書」の提出を行う
- 申請書はなく、教育委員会の承諾をもらうのみ
- 申請書はなく、学校長の承諾をもらうのみ
→いずれのケースでも、まずは「学校への直接問合せ」が基本
体験入学者が多い地域では、日本到着後に教育委員会や市役所に「申請書」を提出し、発行してもらった「入学承認通知書」を学校に提出するケースもあります。申請する際にはパスポートや居住地の証明書(例えば親の住民票など)が必要です。
特に決まった手続きがない自治体も多いです。その場合は学校や教育委員会に問い合わせて、承諾をもらうのみ、とシンプル。
ただ、上記1.2.3いずれの場合でも、申し込みの第一歩は、「学校への直接問合せ」です。
ウェブサイトなどに体験入学の情報を載せている学校はごくごく一部。また、地域によって「教育委員会での正式な手続き」や「教育委員会の判断」が必要なケースもありますが、それもまずは学校に問い合わせることで指示してくれるはずです。
我が家が問い合わせた4校は、市役所や教育委員会での書類手続きは無し。学校に連絡し、入学希望期間、子供の学年、性別などを伝えました。
ただ、4校ともその場で即OKとはならず、「教育委員会に確認します」や「学校長と確認します」とのことで、後日、改めて、受け入れ承諾の返事をいただきました。ちなみに、パスポートや身分証明の提示なども不要でした。
問い合わせ方法は電話がベター
学校に問い合わせる場合、できればメールよりも、「電話」で問い合わせるのがオススメ。受け入れ状況なども詳しく教えてもらえますし、学校側の受け入れに対する姿勢(積極的かどうか)も分かりますよ。
時差によっては、電話する時間帯を合わせるのが大変ですが、ここは頑張りどころです!
POINT海外から学校の固定電話に電話する場合、Skypeの有料プラン、LINEの電話プランLINE Outなど使うのがおすすめ。固定電話への通話料金は1分2円ほど。超格安で通話できますよ。
体験入学は「迷惑」がられるって本当?
ところで、体験入学は学校側には嫌がられる、という噂を聞きませんか?
断られる可能性も踏まえて、4校に受け入れ確認した我が家ですが、ふたを開けてみると、4校全て受け入れOK。そのうち3校は、「ぜひいらしてください!子供たちも喜びます」、「英語教育に力を入れているので、いい刺激になります」と、非常に好意的に捉えてくれました。
私の身近でも体験入学をさせているご家庭が多くいますが、今のところ、「嫌がられた」、「対応が悪かった」と言う話は聞いたことがありません。毎年夏に体験入学している方も多く、学校側とも良い関係を築いているようです。
体験入学が嫌がられるケースも
ただ、体験入学の受け入れが多少なりとも嫌がられるケースもあるようです。
それは、「住民票を入れる場合」。
住民票のある子供を受け入れる場合、短期間の滞在であっても、「正式な就学扱い」となり、学校側の業務を増やしてしまうから。実際に、我が家が体験入学の問い合わせした際にも、「できれば住民票は入れないで」とお願いされた学校もありました。
特に、入学式・卒業式にさしかかると、学校側の手続きが多くなります。この時期に住民票のない生徒が体験入学する場合も、式典には参加できない、もしくは、一見学者としての参加となることが多いようです。
学校によっては住民票が必要
ただし、学校によっては、もしくは、体験入学の期間が長期になる場合は、「転入届け」の提出(=住民票を入れる)を義務付けているところもあります。必要の有無は学校に確認してみてください。
なお、小・中学校ではなく、公立の「幼稚園」では、保育料の決定にあたり、住民票が必須のようです。
一時帰国中に住民票を入れる方法やメリット・デメリットを下記の記事で紹介しています。よかったら合わせてご覧ください。
体験入学が決まったら学校に確認すること
- 使用している教科書の出版社
- 体操着、学用品など必要な持ち物
- クラスメートや先生にお土産を渡しても良いか
- 初日登校時はどうすれば良いか
- 登校前の面談・打ち合わせがあるか
体験入学が決まれば、登校に備えて、上記の点を事前に確認しておくのがおすすめ。
教科書
教科書の確認は重要です。学校で使っているものと、手持ちのもの(海外在住日本人生徒に支給されるもの)が違う場合は、購入する必要があるのか、もしくはコピーなどで対応してもらえるのかも確認しておきましょう。
電話で確認する他にも、教育委員会のホームページに採用教科書の情報が載っていることもあります。
手持ちの教科書と、学校で使っている教科書が全て違っていたので、学校に相談してみました。「値段も安いし、毎日使うものなので、主要な4教科分だけは、できれば購入してもらいたい」とのことで、国語、算数、理科、社会の教科書の購入手配をお願いしました。費用は4教科で2000円ほどでした。
必要な持ち物
必要な持ち物は学校次第です。知り合いの中には、「体操着やピアニカなど、学校で使うもの一式全て用意する必要があった」という人も・・。
我が家の場合は、「短期間なので、リュックサックでも良いし、教科書・文房具以外の持ち物は、わざわざ購入しなくて大丈夫」とのことで、助かりました。体育も動きやすい服のままでしたし、ドリルなどは先生が毎回コピーしてくれていました。
毎日「水筒」が必要な学校も多いです。日本に到着してから購入するのも良いですが、もしお気に入りを既に持っているなら、海外から持って帰るのもおすすめ。
一時帰国中の買い物なら、下記の買い物チェックリストの記事も合わせてどうぞ!
お土産
お世話になるクラスメートや先生に、ちょっとしたお土産を配りたいという方もいらっしゃると思います。でも、学校によっては、お土産を禁止しているところもあるようなので、事前に確認しておくのがおすすめ。OKの場合は、クラスの人数も教えてもらうと、選びやすいですよ。
ちなみに、お土産でよく選ばれているものは、滞在国の国旗が入った鉛筆・ペンなどの学用品、小さなピンバッチなどなど。ちょっとしたもので良いと思います。
面談日の確認
申請書の提出が必要な地域は、手続きで学校に出向かう日があり、不安なことを質問したり、持ち物の確認などもできますが、そうでない学校の場合、初日の登校に先立ち、事前に面談や打ち合わせの時間を確保してもらえると安心です。
4週間の体験入学にかかった費用
さて、体験入学にはどれくらいの費用がかかるのか?ありがたいことに、公立の小学校・中学校への体験入学であれば、学費は全て無料。かかってくるのは、用品購入費、給食費、スポーツ保険加入料金、そして遠足などの実費です。
我が家のケースをご紹介しますね。
学校に支払った費用
- 4教科分の教科書2000円
- スポーツ保険2000円
- 給食費3500円
- 理科の実験セット250円
上記が学校に支払ったおおまかな金額です。約4週間の体験入学でしたが、だいたい合計7500円ほど。また、問い合わせた4校いずれも、怪我をした時に備え、スポーツ保険への加入が義務付けられていました。
持ち物の購入費用
- 上履き2500円
- 筆記用具1000円
- 名札200円
- ゼッケン200円
- なわとび100円
- ポケットティッシュ200円
- 使い捨てマスク300円
- 給食用綿マスク100円
「短期なので、体操着や縦笛などは無くてもOK」という学校側の配慮のおかげで、我が家の用品購入は少なく済みました。合計しても4500円ほど。
上履きは小学校の売店で購入しましたが、指定がないのであれば、事前にオンラインなどでデザインや値段を比較して購入しておくと良いかも。海外に戻ってからも、履き心地のいいインドアシューズとして使えますしね。
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以上、一時帰国中に子供を日本の小学校・中学校に一時帰国させる方法のご紹介でした。
我が家は約4週間の体験入学でしたが、子どもにとっては一日一日、そして一つ一つの出来事がかけがえのない思い出になりました。家に帰るなり、目をキラキラさせながら一日の出来事を教えてくれる姿を見ると、体験入学させてみて本当に良かったとしみじみ・・。体験入学は正式な制度でもなく、受け入れには厄介な面も多いにもかかわらず、温かく受け入れてくださった学校や先生方には感謝しきれません。
この記事がみなさまのお子様の体験入学にお役立ちできればとても嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!