カナダの消費税(セールスタックス)はちょっと複雑。州によっても税率が異なる上に、商品や量によっても税率が異なる「軽減税率制度」が導入されています。
今回はカナダの消費税はいくらなのか、分かりやすく解説!課税ルールが分かれば、お得に買い物することもできますよ。
この記事の目次
カナダの消費税
カナダの消費税は、連邦政府が定めた5%の消費税(GST・連邦税)と、州政府が定めた消費税(PST・州税)の2段階。州税は、0%の州もあれば、10%課税する州もあります。そのため、消費税は州によってバラバラです。
カナダの州別の消費税
州別に見たカナダの消費税がこちら。安い順です。
州名 | 連邦税 | 州税 | 合計 |
---|---|---|---|
アルバータ州 | 5% | – | 5% |
ユーコン準州 | 5% | – | 5% |
ヌナブト準州 | 5% | – | 5% |
ノースウェスト準州 | 5% | – | 5% |
サスカチュワン州 | 5% | 6% | 11% |
ブリティッシュコロンビア州 | 5% | 7% | 12% |
マニトバ州 | 5% | 7% | 12% |
オンタリオ州 | 5% | 8% | 13% |
ケベック州 | 5% | 9.975% | 14.975% |
ニューブランズウィック州 | 5% | 10% | 15% |
ノバスコシア州 | 5% | 10% | 15% |
プリンスエドワードアイランド州 | 5% | 10% | 15% |
ニューファンドランドラブラドール州 | 5% | 10% | 15% |
※GSTとPSTを合わせてHSTとして求める州もあります。
大都市で見ると、バンクーバー 12%、トロント 13%、モントリオール 14.975%となっています。
MM財政状況の良いアルバータ州では州税はゼロ。また、カナダ北部に位置する準州3州も、物価の高さが考慮され、州税はゼロ。これらの4州では、消費税は国が定めたGST5%のみが課税されます。
【カナダの消費税】0%になる商品・サービス
カナダの消費税は、商品・サービスによって税率が変わる「軽減税率制度」が採用されています。GST(連邦税)5%のみがかかる商品もあれば、消費税が一切かからない商品やサービスもあります。
- 食品
- 処方箋
- 医療機器(補聴器、人口歯など)
- 医療サービス(歯科含む)
- 生理用品
- 水道
- 公共交通機関(例外あり)
- 中古住宅
- 家賃
- 音楽レッスン
- 教育サービス(学費、デイケアなど)
- 金融サービス
- 公共サービス
大分類でいえば、これらのカテゴリの商品・サービスには消費税はかかりません。日常的な出費である食品が非課税なのは、かなり助かりますよね。
ちなみに、非課税の一覧に入っている生理用品。以前はGST/PSTともに課税されていたのですが、「生理用品が贅沢品扱いされるのはおかしい」という主張が認められ、2015年からは非課税になりました。
【カナダの消費税】食料品目別の課税・非課税一覧
食品は非課税となってはいるものの、品目や量によっては課税対象になるので、ご注意を。しかも、非常にややこしいです。
一体、なにに消費税がかかって、なにが非課税なのか、主な商品ごとにリストアップしてみましょう。
商品 | 税金 |
食料品(肉、乳製品、肉製品、卵、野菜、魚介類、果物、缶詰など) | 0% |
---|---|
甘くないパン(食パン、ベーグル、クロワッサンなど) | 0% |
甘いパン(チョコ入り、クリーム入りなどの菓子パン) | 6個以上で0% |
すぐに食べれる総菜(サンドウィッチ、海老リング、チキン丸焼きなど) | 課税 |
菓子(チップス、チョコ、キャンディなど) | 課税 |
ポップコーンの素(レンジ用パッケージ含む) | 0% |
ポップコーン | 課税 |
焼き菓子・菓子パン(ドーナツ、マフィン、クッキーなど) | 6個以上で0% |
ベビーフード・ベビーミルク | 0% |
アルコール | 課税 |
炭酸飲料 | 課税 |
フルーツジュース | 果汁25%以上で0% |
アイスクリーム | 500ml以上で0% |
プリン | 425g以上で0% |
※容量や個数指定についての詳細は後述にて。
「課税」となっているものは、州別の消費税(HST、もしくはGST+PST)がかかります。バンクーバーであれば12%、トロントであれば13%です。
飲料の消費税は複雑
飲料は、下記のようなルールが適用されるので、課税・非課税の判断がとても複雑。
- 乳飲料:非課税
- フルーツ飲料:果汁25%以上は非課税、25%未満は課税
- 炭酸飲料:課税
- フルーツ飲料・炭酸飲料以外:非課税
例えば───
カテゴリ | 税金 | |
---|---|---|
牛乳 | 乳飲料 | 0% |
イチゴミルク | 乳飲料 | 0%※ |
イチゴ豆乳ミルク | フルーツ飲料 | 課税 |
バニラ豆乳ミルク | フルーツ飲料・炭酸以外 | 0%※ |
アイスティ | フルーツ飲料・炭酸以外 | 0%※ |
コーラ | 炭酸飲料 | 課税 |
※600ml未満の場合は課税対象です。詳しくは後述にて。
ご覧の通り、豆乳はイチゴ味、バニラ味、チョコレート味など、フレーバーによって課税が決まります(笑)
この判断基準、なんだかスッキリしないのは私だけ!?品目によってどのルールが適用されるのかを考えるのも厄介ですし、課税されたらアンラッキーと思ったほうが良いかも。。。
【カナダの消費税】容量・個数によって非課税になる食料品
アイスクリーム、飲料、ドーナツなどの焼き菓子、プリン類は、「容量」や「個数」によって課税対象かどうかが変わります。いずれも、持ち帰って家族などで食べるものは非課税、つまり、「大容量は非課税」というルールです。
アイスクリーム
飲料(フレーバーミルク、果汁25%以上のジュース、アイスティなど)
焼き菓子・菓子パン(ドーナツ、クッキー、マフィンなど)
焼き菓子・菓子パン(6個未満の場合)
プリン・ゼリー・ムースなど
【カナダの消費税】子供用品や本は5%に軽減
子供用品や本は、州税が免税となるため、GST(連邦税)5%のみが課税されます。
- 子供サイズの服※1・帽子・靴下など(競技用ウェアやコスチュームは除く)
- 子供サイズの靴※2
- 子供用オムツ
- カーシート
- 本・新聞・雑誌
※1:子供服は、女子が16、男子が20までが対象
※2:子供靴は、男女共にサイズ6までが対象
ベビー用ミルクだけでなく、子供用品全般が軽減されるので、子育て世代にはありがたいですよね。
MM子供服などは大人が自分用に買っても、5%に。子供服・子供靴のほうが価格が安め&税金も安いので、サイズが合えばお得ですよ!ちなみに、子供サイズと言っても、Boys20サイズ=身長約180センチ、Girls16サイズ=身長約160センチ、子供靴サイズ6=約24cmと、日本の大人サイズ並み。私自身、自分用に子供服を買うこともあります。
州によって異なる州税免除商品・サービス
どの州でも基本的には子供用品・本は税率5%になりますが、州によって多少の違いがあります。
例えば───
- サスカチュワン州:子供服と子供靴は軽減されず、通常課税(11%)
- ブリティッシュコロンビア州:15歳未満の子供用に大人サイズの洋服を購入する場合も、申告すれば5%に軽減
- ブリティッシュコロンビア州:外食も5%に軽減
- オンタリオ州:4ドル以下の調理済み食品&ドリンクは5%に軽減
- ノバスコシア州:本は軽減されるが、新聞・雑誌は通常課税(15%)
ブリティッシュコロンビア州では、子供服が5%になるのはもちろん、大人サイズの洋服でも子供用に購入する際は、5%になります。バンクーバーの方は洋服購入時に自己申告をお忘れなく!
一部の州のみですが、下記は州税免除一覧が分かる各州政府ページへのリンクです。詳細はこちらでご確認ください。
まとめ
以上、カナダの消費税こと、Sale Taxについてご紹介しました。簡単に内容を振り返ると───
- 消費税は州によって違う。例:BC州12%、オンタリオ州13%、アルバータ州5%
- 食品・中古住宅・生理用品・学費などは0%
- 飲料・アイスクリーム・焼き菓子などは容量によって課税される
- 子供用品・本は5%に軽減される
こんな感じでした!カナダの税金はややこしくて、何が免税なのかが分かりにくいですが、この記事が少しでも参考になたら嬉しいです。