20年間デフレに苦しむ日本、年々物価が上昇するカナダ

更新 | 2020-10-07公開

カナダに住んでいると、年々、様々な物価が上がっているのを感じます。例えば、5年前は卵が1.99ドルだったのに、今では2.49ドル。もちろん同じ銘柄です。

実際のところ、カナダの物価は年々上昇中。2002年と2020年の物価を比較すると、なんと平均して1.4倍も物価が上昇しているんです。

20年以上も物価が変わらない日本

日本では、『物価はそうそう変わらないもの』そんな印象がありませんか?それもそのはず、日本では20年以上物価指数は変わらない、むしろ、下落が続く年もありました。

1980年から2020年までの日本の消費者物価指数の推移

出典:世界経済のネタ帳

上記は1980年以降の日本の消費者物価指数の推移を表したグラフです。

1980年以降、バブル経済と共にインフレが起こっていた日本ですが、バブル崩壊を境に一気にデフレ経済へ。その後は物価は「ほぼ横ばい」となり、2000年以降も物価上昇どころか、物価低下すら見られます。

増税や金融緩和により、2014年から物価が上昇しているものの、完全にデフレ脱却とはいかない状況です。

20年以上、ほとんど物価が変わらない日本。すっかり日本人には『物の値段は、変わらないのが当たり前』という感覚が根付いています。値上げラッシュや実質値上げが起こると、値上げに慣れていない分、「買い控え」も起こりやすくなっています。

私自身、日本のデフレに慣れていた分、カナダに住み始めたころは、物の値上げが頻繁に起こるのを目の当たりにすると、かなり動揺。つい、財布の紐を縛りたくなっていました。

カナダの物価は年々着実に上昇

一方、カナダの消費者物価指数の推移を表すグラフがこちらです。

1980年から2020年までのカナダの消費者物価指数の推移

出典:世界経済のネタ帳

同じく、1980年からの物価推移のグラフですが、見事に年々上昇の一途を辿っていますね。世界的に見ると、この物価上昇は健全な経済の象徴ですが、物価が上がらない日本の状況に慣れていると、この物価上昇は驚愕です。

カナダは収入も年々上昇

しかし、カナダは物価だけが上昇するのではなく、個人の収入にも上昇が見られます。

下記グラフは、「性別毎の所得の推移」を表したデータです。特に女性の所得水準の上昇が目立ちますね。ちなみにこのデータは平均値ではなく、中央値で表しているので、より現実に近い値と言えます。

incomeCND

出典:Statistics Canada

実際のところ、物価と収入の上昇がどこまでバランスが取れているのかは、この2つのデータからは分かりませんが、バランスが取れているのだとしたら、物価の上昇も当然と言えますし、物価が上がっても生活は成り立っていきますよね。

品目別の物価上昇率

Statistics Canadaのデータより、2000年から2018年までのカナダの物価を品目別に見てみましょう。


※クリックすると拡大します

この表は2000年の物価を100とし、それ以降の年の物価を数値化したものです。

ガソリンは原油価格の取引価格の影響を受けやすく、単純な物価上昇とは言えませんが、多くの物・サービスが年々物価上昇しています。

中でも、学費の上昇率はすごいですね。下記の記事でも大学などの州別学費を過去3年分ご紹介しているので、詳しくは下記記事もご参考ください。

 

そのほかにも、食品や光熱費、アルコール、ガソリン、保育費用など、生活に直結するものが値上がりしています。

気になる住宅価格は、賃貸は1.2倍、持ち家価格は1.5倍に上昇中。中古住宅が高騰していく状況は、日本人の感覚からすると驚きです。

食品価格の上昇により健康懸念も

全ての人にとって、日常生活に影響が起きやすいのが、食品の値上げ。ここ数年の食品価格の上昇率は通常のインフレのペースを超えているといわれています。

その結果、低所得層や若年層において、野菜や果物の買い控えが起き、代わりに冷凍食品の購入が増えているという調査結果もあります。

確かに、家計の中で一番節約しやすいのは食費ではありますが、野菜を十分に摂取出来ないような状況が続くと健康への懸念も出てきますよね。

以前、下記記事の中でも記載したことがありましたが、カナダでは全人口のうち、20%の高所得層が、より健康で、より長生き、なんだそうです。やっぱり何事も「お金」なんでしょうかね・・。悲しいことに。

洋服や家電は値下がりしている

ただし、洋服や家具、家電などは2000年当時から比較すると、多少値下がりしています。私自身、確かにカナダの洋服は安いと実感します。セール時の値下げ幅も大きく、時に驚くような価格で売られていることも。


洋服や電化製品などが安い理由には、カナダ独自の理由があるわけではなく、人件費の安い海外の国で生産されてる商品が増えているためではないかと思います。一昔前は洋服は中国製ばかりでしたが、最近ではカンボジアやベトナムなどで生産されている商品も増えましたもんね。20

おわりに

以上、年々物価が値上がりするカナダの状況をご紹介しました。

日本からカナダに移住してみると、いろんな物価が高くて驚きましたが、毎年こうも物価が上がっていると、高いと感じるのもしょうがないですね。でも、日本のようにデフレが続いている状況こそ異常なわけで、カナダの全体的な物価上昇は健全な経済そのもの。

日本のデフレに慣れていた私も、最近ではカナダの物価上昇を「またか」と当たり前に受け入れられるようになりました。カナダでは「容量を減らした実質値上げ」がない分、すがすがしいとも思えます(笑)

とはいえ、収入が上がらないことには、家計が圧迫されてしまいますので、収入アップを目指しつつも、しっかり家計管理しなくてはと思います。

 

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2 コメント

  1. こんにちは!うちの息子はテレビを見ませんがPaw patrol だけは、かじりついて見ます。

    ところで、ほんとに!ほんとに!と共感しながら拝読しましたー!
    しかし、ハピバナさんは勤勉で見習わないとっていつも反省します。
    (反省だけになってますが(ーー;))

    私は旦那さんに任せてしまい、ビザは失敗したので(苦笑)ほんと、自分でも勉強しなきゃ、、、

    もとい、物価にはびっくり仰天でして、今までにないくらい努力しているのに、食費がガビーンな感じ。
    日本では色んな野菜を食べていただけに、辛いです。・゜・(ノД`)・゜・。

    実は来月末にエドモントンへ越すかもしれないので、越したら絶対に家庭菜園します(ーー;)

    まあでも、カナダの経済のが健全ってことなんですよね、、
    日本の視点でみたらいかんですね。

    • コメントありがとございます!!
      本当、野菜も果物も高いですよね!さらに値上げが続いて大変!!食費がかかってしょうがないです(-“-)
      家庭菜園いいですね~。トマトとかいいなぁ。うちはバルコニー菜園しかできないので、今は大したものが作れてないのですが、私も家に引っ越したら、ガッツリ畑たがやしたい(笑)
      お引越し、ドキドキですね!

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