カナダでアパートや家を借りるにはいくら必要?ワンルームでいくら?シェアしたら?家族で住むには??
カナダの住宅金融公社Canada Mortgage and Housing Corporation’s (CMHC)が毎年11月に発表している賃貸レポートより、2018年11月発表の最新版「都市別平均賃料」をご紹介です。
住宅市場が年々上昇しているカナダでは、契約更新の度に家賃が上がることも珍しくありません。今回は家賃の変動が分かるよう、前年の平均賃料も記載していますので、ご参考ください。
この記事の目次
カナダ主要都市の賃貸住宅家賃
今回ご紹介するデータは、下記2つの住居タイプに分かれたデータです。
- 賃貸専用住宅
- コンドミニアムの賃貸物件
コンドミニアムというのは、日本の分譲マンションに相当し、分譲マンションがオーナーにより賃貸に出された物件です。賃貸専用住宅に比べると、仕様が高いことから、家賃も高くなりがちです。
この2つのタイプの賃貸住宅を、下記の部屋数別にご紹介します。
- バチェラー:日本のワンルームに相当、一人暮らし向け
- 1ベッドルーム(1BR):日本の1LDKに相当、一人暮らしやカップル向け
- 2ベッドルーム(2BR):日本の2LDKに相当、ファミリーやルームシェア向け
- 3ベッドルーム(3BR):日本の3LDKに相当、ファミリーやルームシェア向け
カナダ都市別平均家賃<賃貸専用住居>
<スマホの方は横にスクロールしてご覧ください>
Bachelor | 1BR | 2BR | 3BR | |
バンクーバー↗ | $1150 ($1060) |
$1307 ($1223) |
$1649 ($1552) |
$1921 ($1801) |
ヴィクトリア↗ | $926 ($850) |
$988 ($1076) |
$1406 ($1288) |
$1647 ($1568) |
ケロウナ↗ | $890 ($859) |
$1003 ($937) |
$1267 ($1151) |
$1397 ($1269) |
カルガリー↗ | $879 ($825) |
$1050 ($1025) |
$1272 ($1247) |
$1244 ($1254) |
エドモントン↗ | $860 ($839) |
$1017 ($989) |
$1246 ($1215) |
$1373 ($1376) |
サスカトゥーン↗ | $701 ($684) |
$912 ($896) |
$1110 ($1082) |
$1195 ($1129) |
レジャイナ➡ | $700 ($710) |
$935 ($935) |
$1130 ($1116) |
$1323 ($1292) |
ウィニペグ↗ | $697 ($655) |
$920 ($880) |
$1179 ($1107) |
$1446 ($1390) |
トロント↗ | $1080 ($1013) |
$1261 ($1194) |
$1467 ($1401) |
$1633 ($1569) |
ロンドン↗ | $669 ($655) |
$877 ($840) |
$1087 ($1041) |
$1240 ($1190) |
ハミルトン↗ | $806 ($650) |
$970 ($905) |
$1158 ($1103) |
$1373 ($1345) |
キッチナー↗ | $796 ($736) |
$1021 ($917) |
$1210 ($1093) |
$1254 ($1291) |
オタワ↗ | $881 ($836) |
$1088 ($1023) |
$1301 ($1232) |
$1584 ($1568) |
モントリオール↗ | $641 ($597) |
$720 ($698) |
$809 ($782) |
$1007 ($965) |
ケベックシティ↗ | $567 ($549) |
$720 ($699) |
$839 ($820) |
$998 ($978) |
セントジョン➡ | $526 ($543) |
$648 ($623) |
$755 ($747) |
$810 ($781) |
モンクトン↗ | $607 ($584) |
$698 ($676) |
$831 ($803) |
$929 ($930) |
ハリファックス↗ | $812 ($780) |
$904 ($881) |
$1156 ($1109) |
$1355 ($1307) |
シャーロットタウン➡ | $585 ($576) |
$755 ($733) |
$921 ($901) |
$1025 ($1022) |
※表内の表記は、都市名の横にある矢印は前年比の変動を、カッコ内の数字は前年度の平均賃料を表しています。また、家賃が高い都市は赤字に、安い都市は青字にしています。
カナダ都市別平均家賃<分譲マンション>
コンドミニアム(分譲マンション)の賃貸物件は、一部の都市のみデータが発表されています。
<スマホの方は横にスクロールしてご覧ください>
Bachelor | 1BR | 2BR | 3BR | |
バンクーバー↗ | – | $1582 ($1406) |
$2034 ($1874) |
$2767 ($2716) |
ヴィクトリア↗ | $1404 ($912) |
$1312 ($1169) |
$1665 ($1544) |
$1898 (-) |
ケロウナ↘ | – | – | $1214 ($1519) |
– |
カルガリー↗ | – | $1229 ($1179) |
$1533 ($1512) |
– |
エドモントン➡ | $848 ($840) |
$1108 ($1072) |
$1392 ($1346) |
$1476 ($1495) |
サスカトゥーン↘ | – | $1073 ($903) |
$1200 ($1263) |
$1200 ($1308) |
レジャイナ↗ | – | – | $1397 ($1350) |
– |
ウィニペグ↘ | – | $1079 ($1084) |
$1363 ($1379) |
– |
トロント↗ | $1520 ($1528) |
$1910 ($1803) |
$2393 ($2301) |
$2982 ($2607) |
ロンドン↗ | – | – | $1200 ($996) |
– |
ハミルトン↘ | – | – | $1358 ($1493) |
– |
キッチナー↗ | – | $1382 ($1065) |
$1614 ($1284) |
$1594 ($1496) |
オタワ➡ | – | $1247 ($1290) |
$1579 ($1566) |
– |
モントリオール↗ | $1143 ($958) |
$1028 ($989) |
$1208 ($1180) |
$1569 ($1542) |
ケベックシティ↗ | $949 ($832) |
$938 ($892) |
$1071 ($1052) |
$1231 ($1222) |
ハリファックス↘ | – | $1092 ($1157) |
$1385 ($1512) |
– |
※表内の表記は、都市名の横にある矢印は前年比の変動を、カッコ内の数字は前年度の平均賃料を表しています。また、家賃が高い都市は赤字に、安い都市は青字にしています。
カナダ主要都市の賃料状況
以下、各都市の状況を見ていきます。
ブリティッシュコロンビア州
- ケロウナ・ビクトリアで家賃高騰
- バンクーバーは引き続き家賃上昇中
- 賃貸住宅専用はカナダで最も高い
2018年にカナダで最も家賃が上昇したのがBC州内の都市でした。特にケロウナ、ビクトリアでは家賃上昇率が非常に高く、家賃が高騰しています。
また、バンクーバーエリアの賃料も相変わらず上昇の一途。賃貸専用住宅では、2ベッドルームは1649ドル、3ベッドルームは1921ドルと、いずれもカナダで最も高い賃料となっています。
BC州の家賃の上昇の大きな理由の一つに、人口増加が挙げられます。特に、賃貸住宅の主要層となる20~34歳と65歳以上の人口が増加しており、空室率が低下しています。これにより、貸主の立場が強くなり、より高い賃料を提示しているようです。
トロント周辺
- 一時期ほどの高騰ではないものの、引き続き家賃上昇中
- 特にコンドミニアムの賃貸物件が高騰
トロントエリアの家賃は、ここ数年のような異常な高騰ではないものの、相変わらず家賃は上昇を続けています。
賃貸専用住宅が高いのはもちろんですが、特にコンドミニアムの賃貸物件が上昇しており、2ベッドルームの平均賃料は2393ドルに。これはバンクーバーの2034ドルと比べても、ぶっちぎりの高さです。
この家賃上昇の背景には、やはりバンクーバー同様に人口増加が挙げられます。トロントエリアの場合、移民、留学生、外国人労働者などが集中するため、賃貸住宅の需要と供給が追い付かず、空室率が低くなっています。
モントリオール、ケベックシティ
- 家賃上昇率が緩やかなケベック州だったが、2018年は上昇率がアップ
- それでも家賃はカナダトップクラスで安い
カナダ第二の都市であるケベック州モントリオール。他都市に比べると家賃上昇率は低い水準を保っていましたが、2018年は空室率の低下に伴い、家賃上昇の幅が大きくなっています。
それでも、都市規模にしては住宅価格は非常にお手ごろ。家賃も2ベッドルームで809ドルなど、カナダ全土でもトップクラスの安さです。
同じく、ケベック州の州都ケベックシティも平均賃料は低めです。
オタワ
- 家賃が高い都市の仲間入り
- 一時期に比べると家賃上昇は落ち着く
カナダの首都オタワは、比較的家賃の安い都市として知られていましたが、トロントの住宅価格上昇の余波により、ここ数年オタワの家賃も一気に上昇しています。
2018年は上昇率は落ち着きを見せているものの、3ベッドルームは、バンクーバー、トロント、ビクトリアに次いで高く、1584ドルとなっています。
アルバータ州
- 3年ぶりに家賃上昇
- 他都市に比べるとまだまだ家賃は安い
以前はカナダの家賃が高い都市トップ5に入るほど家賃が高かったカルガリーとエドモントンですが、2015年から続く原油安による経済不調により、家賃も下落が続いていました。
しかし、2018年は雇用も回復し、州内からの移住者も増加していることから、3年ぶりに家賃が上昇しています。
それでも、他都市に比べると家賃水準はまだまだ低く、賃貸専用住宅の場合、3ベッドルームでも1244ドルです。トロントやバンクーバーと比べて家賃が400~700ドルも安くなる一方、都市の給与水準は高く、州税も安いため、収入に対する家賃の比率が低くなり、住みやすい街だと言えます。
東海岸
ニューブランズウィック、プリンスエドワート、ノバスコシアなどの東カナダでは、全体的に家賃の低さが目立ちます。また、家賃の上昇も他都市に比べると、緩やか。
ただし、唯一、ノバスコシア州ハリファックスだけは状況が異なり、3ベッドルームでも1355ドルと、東海岸の中では最も家賃が高い都市だと言えます。
シェアしたらいくら?
留学やワーホリで長期滞在する場合、バチェラー(ワンルーム)に1人暮らしするよりも、3ベッドルームなどをシェアして住むパターンも多いと思います。
シェアすることで家賃は実質いくらになるのか?家賃が高いバンクーバーと、家賃の安いモントリオールで計算してみると───
バンクーバー
バチェラー1人暮らし:1150ドル
シェア:640ドル
モントリオール
バチェラー1人暮らし:641ドル
シェア:336ドル
※シェア家賃は、3ベッドルーム賃料÷3人で計算
家賃が低いエリアだと、そこまで大きな差にはなりませんが、家賃が高いエリアほど、シェアすることで家賃が下がり、シェアハウスのメリットが大きくなりますね。希望エリアの家賃が高い場合、ルームシェアが生活費を抑える秘訣と言えます。
まとめ
以上、カナダの住宅公社が2018年11月に発表した最新の賃貸住宅レポートより、カナダの都市別賃料についてご紹介しました。
部屋数に応じて多少状況は異なるものの、総じて下記のような結果に。
- 2018年はカナダ全土で家賃が上昇中
- ケロウナ・ビクトリアで家賃高騰
- バンクーバーは引き続き家賃上昇
- トロントはコンドミニアムの賃貸物件がカナダで最も高い
- モントリオール、ケベックシティはカナダ全土の中でも最安レベル
- カルガリー、エドモントンは家賃が上昇するも、主要都市に比べて安い
- オタワは家賃高騰が落ち着くものの、家賃が高い都市の仲間入り(特に3BR)
- カナダ東海岸はハリファックスを除き、総じて安い
賃貸住宅の需要が高く、家賃が年々上昇しているカナダ。カナダ全土で見ても、今回の家賃上昇率は、インフレの水準を超えているそうです。特にバンクーバーやトロント周辺では、住宅価格の上昇に給与水準が追いついているとは思えないので、生活費は圧迫される一方ですね。
生活費の大部分を占める住宅費です。留学やワーホリ、移住の都市選びの際には、賃料も判断材料の一つとして、検討してみてくださいね。
なお、賃貸ではなく、販売住宅の都市別価格は下記記事をご参考ください。
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