カナダ移民の現実。移民が抱えるそれぞれのバックグラウンドとそれを支える政府の援助

更新 | 2015-02-25公開

昨日、移民向けのESLにて、コミュニティカレッジなどの進学コースの説明会がありました。説明してくれたのは次の4つのプログラムについて。

  • NSCC(Nova Scotia Community College)NS州がやっているコミュニティカレッジ
  • ALP(Adult Learning Program)High School Diplomaを取得するためのプログラム
  • EAL(English as Additional Language)ALPに付属して受ける英語プログラム
  • EAP(English for Academic Purposes)大学やカレッジを目指す人用の英語プログラム

NSCCこそ、コースによって年間$3000ほど必要ですが、その他は全て、移民向けに用意された完全無料のプログラムです。多分NS州だけでなく、各州で同じように用意されていると思います。

説明会では、実際にHigh School DiplomaプログラムであるALPと、付属の英語プログラムのEALから受講開始して、間もなくNSCCを終了予定で、且つ、Pharmacy Technicianとして就職先も決まっているという生徒さんの生の声も聞けました。その方曰く、今後の長い人生を考えたら、2年、3年なんてあっという間。数年を費やしたとしても、十分その価値はある、と。

私もすごくいい刺激になりました。オンサイトにDaycareもあるみたいなので、出産後、就職活動と並行しながらEAPなどの受講を検討してみるのも良いかもと思います。

ESLの各クラスの生徒が合同でこの説明会に参加したんですが、進学を考えている人も多いようで、担当者の説明後には多くの質問が飛び交い、皆の向上心の高さを感じました。

カナダに移民する人は技能者ばかりではない

でも、説明会に参加して一番驚いたこと。それは、ESL生徒に、大学どころか高校も行っていない人が多いという事実。

このESLは永住権を取得している移民向けのプログラムだけに、ずっと私は、他の生徒たちは、スキルドワーカーやスキルドトレード、CEC、各州のノミネートプログラムのような、学歴・職歴等を必要とする永住権プログラムでカナダに来た人たちが多いのだと思っていました。

でも、実際には、英語も全く話せず、学歴も義務教育のみという、家族の呼び寄せで来た方もいるし、かなりの数の難民の方々もいるようです。ESLを必要とする英語レベルということもあって、カナダに来ている移民全体数の中でも余計に難民率が高いのかもしれませんが・・

クラスメイトには、子どもの頃は内戦があり、襲撃があって大変だった・・と話す人や、母国で宗教上や性差別で迫害を受けてカナダに来た人たちもいます。「日本は恵まれている国だし、むしろ日本に移民したい人も沢山いるのに、なんであなたはカナダに来たの?」と聞かれることも多いです。

本当、そうなんでしょうね・・。

バックグラウンドがあまりに違いすぎて、何も言えなくなる時があります。私が日本で抱えていた悩みは、もちろん私にとっては今後の人生がかかった大きな問題でしたが、難民で来た人たちからすると、ちっぽけなものなんだと思います。一日一日を生きるのさえ難しい、過酷な環境に比べたら・・。

様々なバックグラウンドを抱えた移民を支えるカナダ政府の支援

移住してきて間もないころ、政府運営の移民サポート団体が開催している新移民向け講習会に参加しましたが、何を教えるよりも、まず一番に言われたこと。

「カナダでは人に上下なんて無い、みんな平等。カナダにいる人全てに権利と自由がある。移住してきたからと言って、カナダに元々住んでいる人たちに対して恐縮する必要もないし、下を向いて歩く必要もない。胸を張って堂々と歩いて!!」

すごく胸に響いて、涙が出そうになったこのセリフ。このセリフはまさに、色々なバッググラウンドを抱えた移民の人達に向けた言葉なんだなと思います。そして、この進学プログラムも、移民となった人達全てがカナダで平等に、そして自由に生きていくために政府が用意しているもの。

改めて、受け入れ態勢の整った平等主義国家カナダの素晴らしさを思い知るともに、色々考えさせられる一日になりました。

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