世界のソニー、世界のトヨタ。
そんな風に呼ばれるくらい、日本製品は世界的にも高いシェアを誇り、人気もありました。それも今では、すっかり韓国や中国の電機メーカーにおされ、世界でのマーケットシェアは下降の一途です。
これは私の住んでいるカナダの家電広告です。
この広告を見ていただいても分かるように、家電売り場の7割方はLGやSamsung製品が占めています。日本に住んでいた頃から、「日本製品の凋落」はニュースなどで耳にしていましたが、まさかここまでLGやSamsungが市場を拡大しているとは思いもせず、移住当初は本当に驚いたものです。
でも、売れないからと言って、本当に人気すらないの? 価格が高いから売れないだけで、「できれば日本メーカーのものを買いたい」という人も多いのでは??
そんな疑問と言うか、願望が沸いてしょうがないので、今回は「家電別に見た、世界で人気のメーカーランキング」を調べてみようと思います。
ちなみに、今回のランキングは、家電ごとに下記の情報を元にしています。
- 大手ユーザー投票サイト
- ユーザーレビュー・品質・サポート体制などから製品評価したベストランキングサイト
「このメーカーのものは何年使っても壊れない」「人におすすめしたいブランド」「サポート体制がしっかりしていて安心」など、ユーザーの意見が反映された人気ランキングになっています。
実際の売上高や市場シェアという数字には見えてこない、日本メーカーの真の人気・ブランド力はいかに?!
テレビ
テレビの世界シェアは2011年までは日本が1位を占めていましたが、今や、韓国と中国の企業が市場の7割近くを占めています。(参考情報:東レ経営研究所)
実際、私が住んでいるカナダでも、3年前はまだ日本製テレビが家電売り場に並んでいたのに、最近はその数はごく僅か・・。日本製を取り扱っていない売り場すらあります。本当、悲しいですね。
市場シェアの凋落とともに、人気も落ちてしまったのでしょうか??
こちらは、実際のユーザー投票による人気ランキングですが、来ました!日本のソニーがトップです!実際の売上高では、Samsung、LGにすっかり負けていますが、まだまだ評価自体は高いようです。
上記ランキングは、アメリカ最大手のRankerのランキング結果ですが、他のランキングサイトTheTopTensでも、ソニーは1位に選ばれています。評価したユーザーのコメントには、「画質が良い」、「何年経っても壊れない」といった、品質を評価する声が多くなっていました。
トップ10に日本製が多く入っていて、日本人としても嬉しい結果ですね!
エアコン
エアコンも昔から日本が強い分野です。2000年頃は世界シェアの6割が日本メーカーとなっていました。(参考情報:日本貿易振興機構「日系家電メーカーにおけるグローバル化の進展と分業再編成」)
しかし今や、エアコンの世界市場は、1位のグリーを中心に、美的集団、ハイアール、ハイセンスといった中国企業が市場の50%を占めています。(参考情報:日本と世界の統計データ)
すっかり世界シェアでは負けてしまっている日本ですが、実際の人気ランキングはこちら。
このように、人気メーカーランキングでは日本製が上位を占めています。レビューだけでなく、品質評価やサポート体制などを評価したベストメーカーランキングでも、やはり似たような順位になっていました。売上は少なくても、人気は高いことが分かりますね。
ただし。
セントラル空調(全館空調)となると、人気ランキングからも日本メーカーの名前は一切見かけなくなります。
アジア諸国では、一部屋だけを涼しくするルームエアコンが人気ですが、欧米では暖房だけでなく、冷房でも全部屋を一定にする「セントラル空調」が主流。セントラル空調で人気ランキングに名前が上がってこないというのは、今後は大丈夫なのかな?と心配してしまいます。
冷蔵庫
キッチン家電は、もともと世界では日本メーカーのシェアは低い方でした。特に北米市場では、長年アメリカメーカーの勢力が非常に強く、日本メーカーのシェアなんて、ほとんどありませんでした。
ただ、最近では、不動の人気を誇っていたアメリカメーカーですら、韓国勢には負け始めています。
2017年のアメリカ国内の家電シェアでは、1位Samsung、2位LGと、韓国ブランドが勢力を拡大しています。(参考情報:Samsung, LG Tops In U.S. Appliance Sales: Stevenson by TWICE)
その国の国産ブランド以上に、売り上げを伸ばすというのは、本当にすごいことですよね。しかも、日本製品が全くシェアを獲得できなかった生活家電分野で、です。日本製の弱さというより、もう、韓国製品の凄まじさにうなだれるばかりです。
一方、人気ランキングはどうなのでしょう。
売上高はすっかり韓国や中国勢が占めていますが、消費者に人気が高いのはまだまだアメリカメーカーのようです。
一方、日本メーカーはと言うと、トップ10からはほど遠く、ようやく17位の日立、20位のPanasonicです。
これらのランクインはアジア圏での支持が表れていると思われます。日本メーカーは、アジア新興国でのシェア拡大に力を入れているようなので、ぜひとも頑張ってほしい!
電子レンジ
世界シェアが低いキッチン家電の中でも、日本メーカーが健闘しているのが電子レンジです。カナダでも、レンジだけは、唯一日本ブランドを見かけるキッチン家電です。見かけると、やっぱり嬉しくなります。
人気ランキングを見ると、なんと意外にも?!、日本勢がトップでした!(・・・まぁ、シャープの親会社は、もはや台湾ですが)
北米の電子レンジには「Microwave Drawer」と呼ばれる、キッチンカウンターの下に備え付ける引き出し式のレンジがあります。
画像元:Sharp USA
シャープはこの引き出し式レンジでリーディングカンパニーとなっています。一台15万円ほどする高級ラインですが、「出来れば買ってみたい」という人気が高いのかもしれませんね。
ノートパソコン
その昔は、パソコン分野でも日本メーカーが強かったのです。
世界で初めてノートパソコンを開発したのは東芝ですし、2000年代前半の世界シェアはDell、HP、IBMに続き、富士通、東芝がトップ5入りしていました。ノートパソコンに限って言えば、1位は東芝でした。(参考情報:PC Watch)
今となっては、信じられないくらいですよね。。。
今どきのノートパソコンの人気ランキングでは、頼みの東芝ですら、トップ10入りはならず。中国、アメリカ、韓国だらけですね。パソコンに関しては、本当に衰退してしまった、と言えますね。
東芝パソコン、本当にいいんですけどね・・・。我が家でも東芝のノートパソコンを1台持っていますが、ヘビーユースしてそろそろ5年。壊れる気配一切ないですもん。
LG製「洗濯乾燥機」に集まるレビューが衝撃的
先日、日本ブランドの認知の無さ、というか、韓国ブランドの強さというか、私がちょっとショックを受けたことがありました。
驚くことに、北米では洗濯機と乾燥機をそれぞれ別に購入するのが一般的なのですが、ようやく数年前から、洗濯機と乾燥機が一体型になったモデルが発売され始めたんです。
現在、韓国のLGと中国のHaierなどから、一体型の洗濯乾燥機が発売されていますが、一番人気はダントツでLG製。そんなLG製の洗濯乾燥機に対するアメリカ人の評価が、こちら──
洗濯機に入れるだけで、乾燥まで終わってるなんて!なんて素晴らしい大発明なんだ!
このレビューは2017年についたもの。決して10年や20年前のものではありませんよ。
ヨーロッパや日本なんて、1990年代にはドラム式洗濯乾燥機が売られていたし、今や世界の洗濯乾燥機で主流になっているヒートポンプ式なんて、パナソニックが開発したものなのに!
他のレビューも、「一体型」というアイデアや機能を評価する声が多く、日本製の洗濯乾燥機の素晴らしさを知っているだけに、読んでいてなんだか悲しい気持ちになった私です・・。
まとめ
以上、家電別の人気ランキングをご紹介しました。
結果を簡単にまとめると、このようになります:
- まだまだ人気あり:テレビ、エアコン、レンジ
- 人気がた落ち:パソコン
- そもそも人気すらない:冷蔵庫などの生活家電
パソコン分野の凋落ぶりには溜息しかありませんが、テレビやエアコンなどは、まだまだ人気やブランド力が残っているようで、日本人としても嬉しくなりました。
でも、これも10年後にはどうなっているのか。
日本を応援する気持ちはとても強いのですが、実際に海外に住んで、韓国・中国ブランドの勢いや人気の高さを目の当たりにしていると、日本メーカーはV字回復どころか、ますます衰退する一方なんじゃないかな、なんて思えてしまいます。正直なところ。悲しいことに。
そもそも、私自身、「日本メーカー、頑張れ!」、なんて思いながらも、これまでのスマホ歴はずっとiPhone、Samsungですからね。SonyやSharpの選択肢もあったけど、全く興味を持たず、です。
もう、自分の中の電化製品に対する評価が「Cool Japan」では無くなってきているんでしょうね・・
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