【2017年版】カナダ国内の住みやすい都市ランキング

更新 | 2017-07-05公開

 

世界的にも住みやすい国として評価が高いカナダですが、カナダ国内ではどの都市が一番住みやすいのでしょう?

カナダのビジネス紙Money Senseが毎年発表している「Canada’s Best Place to live」より、2017年版のランキングをご紹介です。

カナダ国内 住みやすい都市ベスト10

このランキングは下記の9項目の評価を元に順位が決定しています。

  1. 経済
  2. 富裕度
  3. 住宅価格
  4. 税率
  5. 交通アクセス
  6. 医療アクセス
  7. 犯罪率
  8. 文化・環境
  9. 気候

まずは、トップ10入りしている都市を1位から順に見ていきましょう。

1位:オタワ(オンタリオ州)

 

前年に続き、2年連続でカナダの首都オタワ(Ottawa)が1位に。

オタワの特徴は、全評価項目が平均以上であること。悪い評価が一つもないというのは凄いですね。中でも評価が高いのが、交通アクセス、医療アクセス、気候、そして雇用面です。

アクセスについては、徒歩やバイクでの通勤通学のしやすさ、公共交通機関の利用率で高い評価がついています。来年にはオタワ市を横に横断できるライトレールも開通予定で、さらに期待が高まっています。

また、オタワはカナダの首都であることから、政府系の仕事も充実している一方、カナダで最もIT企業やハイテク企業が集まるエリアにもなっており、カナダの「シリコンバレー」として知られています。

→参考記事:CTV News 「New report ranks Ottawa top tech hub in Canada

政府系やハイテク系の仕事が充実している結果として、高い給与水準、低い失業率、そして人口も毎年前年比1.1%の増加につながっています。

  • 2016年ランキング: 1位
  • 人口: 974,701
  • 失業率 : 5.0%
  • 世帯収入(中央値): $91,122
  • 平均世帯資産$631,905
  • 固定資産税率: 2.08%
  • 20℃以上の日数: 116.53
  • 犯罪率: 3635.27/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 3.3
  • 平均住宅価格:$481,223
  • 平均家賃(2BR):$1,204

2位:サン トーギュスタン ド デモール(ケベック州)

By Harfang (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

 

世界遺産にも登録されている街ケベックシティから車で30分南西に走ったところにある小さな街、サン・トーギュスタン・ド・デモール(Saint-Augustin-de-Desmaures)が2位。

昨年は評価対象となっていない小さな街ですが、注目すべきは世帯収入の高さ。平均でもなく、中央値でも$114,567と、カナダ国内でもトップレベルの高さを誇っています。それに伴い、世帯資産も非常に高くなっていますね。

この収入の高さは、市内にあるビジネスパークが関係しています。ビジネスパークには150の企業が集まり、市の人口の1/4の雇用数を生んでいます。失業率も驚異の2.3%です

また、収入面以外でも、医療アクセスや手ごろな住宅価格でも高評価を得ています。

  • 2016年のランキング: N/A
  • 人口: 19,468
  • 失業率: 2.3%
  • 世帯収入(中央値): $114,567
  • 平均世帯資産: $737,626
  • 固定資産税率: 2.50%
  • 20℃以上の日数: 94.1
  • 犯罪率: 3911.54/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 3.7
  • 平均住宅価格:$353,725
  • 平均家賃(2BR):$1,374

3位:オークベイ(BC州)

By rpaterso [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons

ブリティッシュコロンビア州ビクトリアから車で10分ほどの街、オークベイ(Oak Bay)が3位です。

こちらも2016年のランキングでは評価対象になっていない小さな街ですが、失業率や資産面での評価が非常に高くなっています。

また、オークベイは閑静な高級住宅地であり、平均住宅価格は$1,001,510と高め。世帯資産の高さも、この住宅価格が反映されています。

オークベイは、文化スポーツの項目や、犯罪率の低さ、交通アクセス、医療アクセスも高評価になっています。

  • 2016年のランキング: N/A
  • 人口: 18,373
  • 失業率: 2.7%
  • 世帯収入(中央値): $94,610
  • 平均世帯資産: $1,890,902
  • 固定資産税率: 1.86%
  • 20℃以上の日数: 86.2
  • 犯罪率: 3209.29/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 3.3
  • 平均住宅価格:$1,001,510
  • 平均家賃(2BR): $1,323

4位:ノースサーニッチ(BC州)

By Youtube/4K video of Landsend North Saanich BC

 

BC州のビクトリアから車で30分北に走ったところにあるノースサーニッチ(North Saanich)が4位です。

高評価された項目は3位のオークベイとほぼ同じ、スポーツ文化、失業率、世帯収入、世帯資産、犯罪率です。ビクトリア周辺のベイエリアは住宅価格が非常に高く、オークベイほどではないですが、ノースサーニッチもミリオン近くです。

  • 2016年のランキング: N/A
  • 人口: 11,774
  • 失業率: 2.0%
  • 世帯収入(中央値): $103,937
  • 平均世帯資産: $1,612,190
  • 固定資産税率: 1.38%
  • 20℃以上の日数: 70.5
  • 犯罪率: 3518.06/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 3.3
  • 平均住宅価格:$840,785
  • 平均家賃: $1,188

5位:ウェーバーン(サスカチェワン州)

 By Wtshymanski (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

 

サスカチェワン州の州都レジャイナから車で1時間半南下したところにある小さな街、ウェーバーン(Weyburn)が5位に。

2016年ランキングの28位から一気に5位に上がっていますが、今年初めてスターバックスコーヒーが進出したことからも、都市の成長が象徴されています。

サスカチュワンと言えば、石油・ガス産業が有名ですが、例え低技能職であっても、常に人材不足職種となり、地域に雇用を生み出しています。

また、世帯収入が8万ドルあるにもかかわらず、地域の住宅価格は30万ドル以下、賃貸住宅も2ベッドルームで806ドルと非常に安くなっていることから、高い生活レベルと余裕のある暮らしが伺えます。

6位:サン ブルノ ド モンタルヴィル(ケベック州)

By Minoumi (Own work) [CC BY-SA 3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons

 

ケベック州のサン・ブルノ・ド・モンタルヴィル(Saint-Bruno-de-Montarville)が6位です。

モントリオール郊外に位置し、モントリオールまで車で30分で行けることから、ベッドタウンとして人気のある街です。

2016年のランキングでは評価対象外の都市でしたが、失業率の低さや世帯収入の高さ、交通アクセスの良さが高評価となっています。

  • 2016年のランキング: N/A
  • 人口: 27,979
  • 失業率: 4.0%
  • 世帯収入(中央値): $95,559
  • 平均世帯資産: $798,409
  • 固定資産税率: 2.56%
  • 20℃以上の日数: 117.5
  • 犯罪率: 4109.96/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 2.3
  • 平均住宅価格:$433,020
  • 平均家賃(2BR): $809

7位:セントアルバート

By en:User:Fellowedmonton (en:File:Downtown clocktower.jpg) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

 

アルバート州エドモントン郊外の小さな街、セントアルバート(St. Albert)が7位。

2016年ランキングに比べると、失業率が高くなったこともり、7位から4位へ順位を下げています。

ただそれでも、世帯収入の高さはカナダでトップクラス。高い世帯収入に対して、平均住宅価格は低めで、住みやすいエリアだと言えます。

また、年間で20℃以上となる日数は84日となっていますが、24℃以上の日数でみると、1日~数日と、真夏でもとても涼しいエリアです。

  • 2016年のランキング: 4位
  • 人口: 72,372
  • 失業率: 8.3%
  • 世帯収入(中央値): $133,871
  • 平均世帯資産: $787,660
  • 固定資産税率: 1.80%
  • 20℃以上の日数: 84.46
  • 犯罪率: 5752.78/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 2.6
  • 平均住宅価格:$466,879
  • 平均家賃(2BR):$1,322

8位:モン・ロワイヤル(ケベック州)

 By Stanisom (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

 

モントリオールの北西に位置する街、モンロワイヤル(マウントロイヤル)(Mont-Royal)が8位です。

モントリオールまで電車で10分と、通勤に便利な場所でありながら、街並みはとても美しい庭園都市となっており、カナダの国立史跡として登録されています。

世帯収入の高さも目立ちますが、それ以上に目を引くのが、平均住宅価格と平均世帯資産の高さです。特に世帯資産は2,225,960ドル(約2億円)と桁外れ。昔からセレブの住む高級住宅地として有名なだけあります。

収入以外に評価が高かった項目は、失業率、医療アクセス、気候、文化スポーツとなっています。

  • 2016年のランキング: N/A
  • 人口: 20,950
  • 失業率: 5.8%
  • 世帯収入(中央値): $113,442
  • 平均世帯資産: $2,225,960
  • 固定資産税率: 3.13%
  • 20℃以上の日数: 117.1
  • 犯罪率: 4672.98/100,000
  • 1000人あたりの医者の数: 2.3
  • 平均住宅価格:$1,105,556
  • 平均家賃(2BR):$1,093

By Andrew Lynes [Public domain], via Wikimedia Commons

 

昨年2位だったオンタリオ州のバーリントン(Burlington)が9位に。

バーリントンはハミルトンやトロントにも近く、ベッドタウンとして人気の街で、2012年から2017年にかけては8.6%も人口が増加しています。

この人口増加率と共に評価が高いのが、犯罪率の低さと、気候の良さで、いずれもカナダ国内でトップレベルの評価です。

By Jacques Paquin (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

 

ケベックシティの対岸に位置するレヴィ(Lévis)が10位。

ケベックシティへの通勤アクセスが良く、ベッドタウンとして人気の街です。

全体的な評価が平均より高めで、特に低失業率、低犯罪率、住宅価格の低さが高評価になっています。昨年9位に続いてトップ10入りです。

 

前年7位だったウェストバンクーバーは25位に下がっていますね。また、3位だったオークビルも15位に下がっています。

これらの順位の低下は、都市の評価項目の悪化も影響しているかもしれませんが、一番の要因は、評価対象都市数が増加したことです。

前年の評価対象都市が219都市だったのに対し、2017年は417都市と、2倍に増加しているため、多くの都市が順位を下げる結果になっています。

25位以下の気になる都市

25位以下のランキングから、州都や大きめの都市をピックアップしました。

27. Whitehorse, YT
30. Waterloo, Ont.
41. Québec, Que.
45. Winnipeg, Man.
46. Kingston, Ont.
72. North Vancouver, B.C.
75. Calgary, Alta.
83. Victoria, B.C.
84. Whistler, B.C.
96. Edmonton, Alta.
100. Kelowna, B.C.
102. Vancouver, B.C.
109. Saskatoon, Sask.
117. Yellowknife, NWT
128. Mississauga, Ont.
129. Toronto, Ont.
137. Halifax, N.S.
139. Richmond, B.C.
149. Fredericton, N.B.
178. Kitchener, Ont.
305. St. John’s, Nfld.
356. Montréal, Que.

 

カナダ最大都市トロントは129位、日本人が一番多く住むバンクーバーは102位。それぞれ、文化スポーツや交通アクセスの面では高評価となっていますが、住宅価格の高さや失業率などの項目で評価を下げています。

また、カナダ第二の都市であるモントリオールは、全417都市の中でも356位と低くなっています。全体的に平均を下回る項目が多く、特に失業率8.74%、人口1000人当たりの医師数2人、世帯収入$48,261などが目立っています。

カナダの住みにくい都市ワースト10

今回の調査対象となった都市は全部で417都市。その中でも、ランキングでワースト10に入った「住みにくい都市」とも呼べる都市がこちら。

1. Colchester, Subd. C, N.S.
2. Chester, N.S.
3. Yarmouth, N.S.
4. Colchester, Subd. B, N.S.
5. East Hants, N.S.
6. Les Îles-de-la-Madeleine, Que.
7. Queens RGM, N.S.
8. Shawinigan, Que.
9. Gaspé, Que.
10. Clearwater County, Alta.

 

カナダ東海岸にるノバスコシア州にある地方都市が多くランクインしています。また、ケベック州の都市も2つ入っています。

ワースト入りの主な要因は、失業率の低さ、交通アクセスの悪さ、人口低下などです。特にどの都市でも失業率の高さが目立っており、ワースト7にランクインしているNS州Queensでは16.2%という非常に高い失業率です。これは国平均の2倍以上高い値です。

まとめ

以上、2017年版のカナダ国内の住みやすい都市ランキングをご紹介しました。

トップ10は下記の通り。

1位:オタワ(オンタリオ州)
2位:サン トーギュスタン ド デモール(ケベック州)
3位:オークベイ(BC州)
4位:ノースサーニッチ(BC州)
5位:ウェーバーン(サスカチェワン州)
6位:サン ブルノ ド モンタルヴィル(ケベック州)
7位:セントアルバート
8位:モン・ロワイヤル(ケベック州)
9位:バーリントン(オンタリオ州)
10位:レヴィ(ケベック州)

記事の途中でも触れた通り、2016年の同ランキングでは、対象都市が219都市だったのに対し、今回は417都市と、約2倍に増えています。

そのため、1年前のランキングからはトップ10の顔ぶれがずいぶん異なってきています。一方、対象都市が増えているにもかかわらず、オタワは2年連続でNo.1という結果に。首都オタワの相対的な強さが表れていますね。

気になる都市の順位は見つかりましたか?その他の都市や、都市ごとの詳細データは、こちらのMoneySenseのサイトからご確認ください。

 

さて、今回住みやすい都市に選ばれたトップ10の都市ですが、オークベイやモンロワイヤルのように、平均住宅価格がミリオンを超えるエリアもランクインしていました。

そのため、他の項目が高評価で住みやすい都市だとしても、この住宅価格を考慮すると、そこに住めるかどうかは全く別物になってきますよね。

住宅価格や移民の多さ、失業率などに重点をおいた「新移民向けの住みやすい都市ランキング」については下記の記事をご覧ください。

【2017年版】カナダ移住どこが住みやすい?移民向け都市ランキング

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