カナダ移住するなら?【移民向け】住みやすい都市ランキング

更新 | 2019-04-24公開

前回の記事ではカナダの情報誌MacLeansが発表した「カナダ国内の住みやすい都市ランキング」をご紹介しましたが、今回は「新移民向け」の住みやすい都市ランキングです。

総合ランキングが住宅価格や治安、富裕度、雇用、気候、医療アクセス、交通アクセス、スポート芸術振興など、都市を総合的に評価したものだったのに対し、新移民向けのランキングでは下記の指標に重点が置かれています。

  • 失業率
  • 世帯収入
  • 英語/フランス語以外を母国語とする人の割合
  • 2ベッドルームアパート(2LDK)の家賃
  • 空き家率
  • 治安
  • 交通アクセス(車が無くても通勤可能か)
  • 空港へのアクセス

カナダに移住する人だけでなく、ワーキングホリデーなど長期滞在する方にとっても、とても参考になるデータだと思います。

移民が住みやすい都市ランキングTOP10

カナダに移住したばかりの新移民が住みやすい都市ランキングから、上位10都市からご紹介です。総合ランキングに比べると、トロントやモントリオールなどの大都市圏内の都市が多くランクインしています。

オンタリオ州グリムスビー(Grimsby)

グリムスビーの街 Óðinn [CC BY-SA 2.5 CA]
順位 総合ランキング 1位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
197,381 (山口市と同程度)
5.4%
19.1%
雇用 失業率 4.7%
財政 世帯収入(中央値) $101,448
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
0.9%
1.9%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
125日
239日
136日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$887,657
$1,403
子供 平均月保育料(幼児)
子供のいる世帯
$1,156
47%

 

総合ランキング2位のオンタリオ州グリムスビー。移民向けランキングでは1位に選ばれています。

ナイアガラ地区にある小さな町で、手頃な住宅価格、気候の良さ、失業率の低さなどが評価されています。賃貸住宅は2BR(2LDK)で平均$900ドルほどとかなりお手頃。ハミルトンやナイアガラ方面で働く人のベッドタウンとなっています。

町は人口増加が著しく、英語・フランス語以外を母語とする人が20%近くに上っています。コミュニティでの移民支援も積極的に行われています。

オンタリオ州ナイアガラ・オン・ザレイク(Niagara-on-the-Lake)

オンタリオ州ナイアガラオンザレイクにあるプリンス オブ ウェールズ ホテル
ナイアガラオンザレイクの街の中心にあるPrince of Wales Hotel
順位 総合ランキング 8位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
18,652 (千葉県勝浦市と同程度)
10.9%
20.4%
雇用 失業率 4.7%
財政 世帯収入(中央値) $93,425
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
0.3%
1.8%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
128日
238日
151日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$738,139
$1,127
子供 平均月保育料(幼児)
子供のいる世帯
$1,156
35%

 

総合ランキング8位のオンタリオ州ナイアガラ・オン・ザ・レイクが2位です。

ナイアガラの滝から車で30分ほどの場所に位置した美しい街ですが、ここ数年で人口が急増し、英仏を母語とする人も20%を超えています。失業率が低いことや、家賃の安さ、温暖な気候などが評価されています。

オンタリオ州オークビル( Oakville)

順位 総合ランキング 4位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
210,350 (松江市と同程度)
7.3%
33.1%
雇用 失業率 6.4%
財政 世帯収入(中央値) $122,584
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
8.6%
2.2%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
107日
222日
118日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$1,243,760
$1,509
子供 平均月保育料(幼児)
子供のいる世帯
$1,130
56%

 

トロントとハミルトンの中間に位置するオンタリオ州のオークビル(Oakville)。

トロント郊外の高級ベッドタウンとして知られていますが、最近ではタウンハウスなどの集合住宅が集まる新興住宅地や低層マンションが開発され、手頃な住宅や賃貸物件が増えています。それに伴い、移民人口も急増中。英語・フランス語以外を母語にする人口が33%にも上っています。

企業や大学が集まるトロントにも通勤・通学できながら、カナダトップクラスの治安の良さや、家族で暮らしやすいコミュニティである点も魅力です。

オンタリオ州オタワ(Ottawa)

順位 総合ランキング 3位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
1,019,693 (仙台市と同程度)
7.6%
22%
雇用 失業率 5.1%
財政 世帯収入(中央値)
平均世帯資産
平均固定資産税(年間)
$92,579
$721,100
$3,189
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
12.3%
6.2%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
117日
216日
161日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$543,814
$1,307
子供 平均月保育料(幼児)
子供のいる世帯
$1,009
45%

 

オンタリオ州とケベック州とのボーダーに位置していることや、政府機関が多いことから、カナダで最も英仏バイリンガル人口が高い都市となっており、多国籍な移民が多く暮らしています。

住宅価格がトロントやバンクーバーのような高騰をしておらず、賃貸価格も低め。雇用面でも、政府機関の仕事だけでなく、カナダのシリコンバレーとも言われるハイテク・IT企業が集まるエリアもあることから、失業率が低く、世帯収入もカナダ平均よりも高くなっています。

また、治安が良く、同規模都市に比べると犯罪件数は少いこと、公共交通機関や徒歩・自転車で通勤通学しやすいことなども、新移民にとって魅力的なメリットです。

BC州ウェストバンクーバー(West Vancouver)

スタンレーパークから見たカナダBC州ウェストバンクーバーの風景
スタンレーパークから見たウェストバンクーバーの風景 Kaveh [CC-BY-SA-2.0]
順位 総合ランキング 42位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
44,048 (神奈川県三浦市と同程度)
7.3%
37.8%
雇用 失業率 4.9%
財政 世帯収入(中央値) $106,995
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
4.6%
2.9%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
77日
324日
169日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$2,765,075
$2,408
子供 平均月保育料(幼児) $1,407

 

温暖な気候のブリティッシュコロンビア州より、ウェストバンクーバーが5位に選ばれています。

カナダでもトップクラスの高級住宅地で、住宅価格は非常に高め。また、移民人口が38%と高く、特に中国系とイラン系の移民が多く住んでいます。

家賃の高さはマイナス要因ですが、移民人口、失業率、治安などで高ポイントとなっています。

オンタリオ州バーリントン(Burlington)

カナダオンタリオ州バーリントン(Burlington)のダウンタウン
Burlingtonのダウンタウン
順位 総合ランキング 1位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
197,381 (山口市と同程度)
5.4%
19.1%
雇用 失業率 4.7%
財政 世帯収入(中央値) $101,448
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
5%
2.4%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
125日
239日
136日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$887,657
$1,403
子供 平均月保育料(幼児) $1,156

 

6位はトロントとナイアガラの中間に位置するバーリントンです。

自然が多く、環境が良いエリアですが、トロントやハミルトンエリアにも通勤可能で、ベッドタウンとして人気です。

治安や失業率などが低いことや、移民人口も多いことが評価されていますが、各項目の評価が非常に高い街で、総合ランキング1位、子育てしやすい街部門でもそれぞれ1位に選ばれています。

オンタリオ州ハミルトン(Hamilton)

ナイアガラエスカープメントから見たオンタリオ州ハミルトンの中心部
ナイアガラエスカープメント(断崖)から見たハミルトン中心部の景色
順位 総合ランキング 24位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
579,105 (八王子市と同程度)
5.1%
22.9%
雇用 失業率 4.7%
財政 世帯収入(中央値) $76,193
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
5%
2.6%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
156日
227日
120日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$595,593
$1,085
子供 平均月保育料(幼児) $1,156

 

6位バーリントンのお隣にあるハミルトンが7位です。

工業地帯として有名な街で、失業率も低め。トロントまでは車、Goトレインでそれぞれ1時間ほどですが、住宅価格や家賃はトロントに比べるとずいぶんお手頃です。工場などが多いものの、マウンテンエリアと呼ばれる丘の上は緑も多く、閑静な住宅地が広がっていす。

BC州オークベイ(Oak Bay)

ブリティッシュコロンビア州オークベイ
オークベイマリーナの風景 rpaterso / CC BY-SA
順位 総合ランキング 15位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語とする人口
18,233 (千葉県勝浦市と同程度)
1.2%
11.5%
雇用 失業率 3.6%
財政 世帯収入(中央値) $106,589
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
3.9%
9.5%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
86日
293日
176日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$1,278,880
$1,615
子供 平均月保育料(幼児) $1,200

 

ブリティッシュコロンビア州のオークベイは、ビクトリアから車で10分ほど東に位置する街です。

イギリスの風格が色濃く残った美しい街並みと、バンクーバー島の中でも富裕層が暮らす高級住宅地として有名です。平均住宅価格は128万ドル(約1億円)と高めですが、失業率の低さや、治安の良さ、などが評価されています。

トロント(オンタリオ州)

順位 総合ランキング 15位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語にする人口
2,988,140 (大阪市よりも30万人ほど多い)
6.4%
43.4%
雇用 失業率 6.2%
財政 世帯収入(中央値) $71,324
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
20.8%
6.6%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
117日
264日
145日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$963,076
$1,492
子供 平均月保育料(幼児) $1,367

 

9位はカナダ最大都市トロント(Toronto)です。

世界中から様々な国籍・民族の人々が集まり、カナダで最も多国籍化が進んでいるトロント。2016年の国勢調査の結果では、人口の51.5%がビジブルマイノリティ(非白人)となっており、文化・食・環境などの面からも、新移民にとっても馴染みやすい都市だと言えます。

また、カナダ最大の雇用機会と、発達した公共交通機関を持つトロントは、新移民にとっては非常に魅力的で、実際、カナダ移住する人の多くがトロントに集中しています。

ただし、雇用機会が多くても、人口の多さゆえに競争が激しく、住居費の高さもカナダトップクラス。トロントの恩恵を最大限に受けるには、高収入の仕事に就けるかどうかが大きな鍵と言えます。

BC州サーニッチ(Saanich)

ブリティッシュコロンビア州サーニッチ
カドボロベイ沿いから見たサーニッチKeefer4~commonswiki assumed (based on copyright claims). / CC BY-SA
順位 総合ランキング 32位
人口 平均人口
過去5年の人口増加率
英仏以外を母語にする人口
117,340 (東久留米市と同程度)
3%
20.6%
雇用 失業率 3.6%
財政 世帯収入(中央値) $87,186
交通 公共交通機関で通勤する割合
自転車・徒歩で通勤する割合
6.7%
6.8%
気候 20°C以上の日数
0°C以上の日数
雨/雪の日数
71日
334日
159日
住宅 平均住宅価格
平均家賃2BR(2LDK)
$867,176
$1,367
子供 平均月保育料(幼児) $1,200

 

10位はブリティッシュコロンビア州バンクーバー島にあるサーニッチです。

ビクトリアには車で10分ほどの距離にあり、ビクトリアのベッドタウンとして人気です。バンクーバー島で最も人口が多い街でもあります。

サーニッチは移民向けの住みやすい都市ランキングで重要視されている失業率、移民人口、賃貸価格、公共交通や徒歩などで通勤している人の割合などの項目で、大きなマイナス点がなく、全体的に平均以上の評価となっています。

ランキング11~25位の都市

トップ10圏外の都市は下記の通り。トップ10同様に、トロントやバンクーバー、モントリオールなど大都市の郊外の都市が多くランクインしている印象です。

11. West Kelowna, BC
12. Delta, BC
13. Milton, ON
14. Tecumseh, ON
15. Waterloo, ON
16. Lincoln, ON
17. Niagara Falls, ON
18. Summerland, BC
19. Markham, ON
20. Kelowna, BC
21. Westmount, QC
22. LaSalle, ON
23. Guelph, ON
24. Edmonton, AB
25. North Vancouver, BC


 

以上、新移民向けの「カナダ国内の住みやすい都市ランキング」でした。

カナダで安定した生活を送っていくにあたり、「良い仕事が見つかるか」が一番重要な要素ですよね。今回のランキングはカナダへ移住するにあたり最も気になる「失業率」を重視しつつも、世帯収入や、移民比率、賃貸相場なども加味されています。

家賃が安いことはもちろんですが、移民が多く住む街は日本の食材が手に入りやすかったり、周囲の移民に対する理解が高かったりと、日常生活で住みやすさを感じやすいため、今回のランキングは、日本人にとっては、よりリアルなランキングと言えるのではないでしょうか。

ただ、Macleansの住宅価格・賃貸相場の統計方法は、エリアによっては、実際の相場より低くなっているように思います。住居費については、下記の記事でも相場をまとめているので、ご参考ください。

カナダ留学&移住を考えている方へ

最後に。私自身、大きな不安を抱えて飛び込んだカナダ。同じようにカナダへの移住や留学を考えている方に、何か役立てることがあれば、とても嬉しいです。質問やご相談などあれば、お気軽に問い合わフォームもしくはLINEでご連絡くださいね。

実経験と現地在住者の目線で、できるだけ疑問や不安が解消するよう、お答えさせていただきます。皆さまからのご相談がブログ記事のアイデアにもなっています!

ただ、私の方でお答えできるのは、あくまで「自身の経験に基づくこと」や「カナダ生活の一般的なこと」。留学や永住権に関して「確実なアドバイス」が必要な方は、専門家に相談することをおすすめします。

エージェントがたくさんいて悩みますが、私の知り合いが移住・留学エージェントをやっているので、よかったら一度相談してみてください。私も留学事情などアドバイスを求めることがありますが、裏話を含め、カナダ事情に熟知しているので、答えも的確ですし、とても親身になってくれる方です。「ハピバナのブログを見た」と伝えいただくと、良いことがあるかも、です!

 

IELTS受験者必見!