私たち日本人にとっては、海外、とりわけ欧米諸国は、まるでひとくくりのようなイメージを持っていたりしませんか?
たしかに、欧米諸国には似たような文化・習慣が多いもの。
私が住んでいるカナダは、もとはイギリスの一部だったため、イギリスの文化が根付いています。と同時に、お隣アメリカからの影響も大きく、カナダはアメリカの州の一つとも揶揄されるくらいです。
それでも、やっぱり、「カナダならでは」の文化や習慣もあるんです!
今回は海外の意見投稿サイトQuoraより、カナダに訪れた外国人たちが感じた、カナダのカルチャーショックをご紹介したいと思います。
お隣アメリカ人も、そして、元は同じ文化習慣だったイギリス人も、驚いたこととは一体??
この記事の目次
- 1 謝りすぎる
- 2 優しく、フレンドリー
- 3 文化・民族・LGBTなどの多様性に寛容
- 4 偽善的
- 5 店舗の営業時間
- 6 恐ろしく寒いのにランニング by カルガリーに訪れたインド人男性
- 7 銃禁止のサインがない by アメリカ人男性
- 8 人気スポーツがこれ・・? by モントリオール在住イギリス出身男性
- 9 街が清潔すぎる by BC州を訪れたアメリカ人女性
- 10 移民は仕事を見つけづらい by ガティノ在住アルジェリア出身男性
- 11 「a boot」 by イギリス人男性
- 12 やたらメープル味が多い by イギリス人男性
- 13 やたらGuyやらBuddyと呼ぶ by イギリス人男性
- 14 色んなことが古くさい by ノルウェー人女性
- 15 外国に行ったカナダ人が感じた逆カルチャーショック
- 16 まとめ
謝りすぎる
カナダには日本人のようにすぐに謝罪する文化があります。日本人の私たちにとっては、馴染みやすい文化ですが、外国人からすると驚くばかりのようです。
相手の不注意なのに謝る by トロント在住のインド出身女性
スーパーでうっかり女性にぶつかってしまったら、相手は
「まぁ大変!本当にごめんなさいね、大丈夫だった?」
とむしろ謝ってくれた。本当にカナダ人はつつましやかで優しい。こうやって謝ってくれることで、私が申し訳なく感じないようにしてくれる。
全く悪くないのに謝る by アメリカ人男性
カナダ人は冗談抜き、本当に親切で丁寧だ。道を尋ねると、その道を知らなかっただけで謝ってくれたり、そのお店が遠かっただけで謝ってくれたりもする。
優しく、フレンドリー
カナダはのんびりした風土で、優しく、フレンドリーな人が多いです。この点をカルチャーショックとしてあげる人がとても多かったです。
歩行者超優先
例え赤信号を渡ろうとしていても、車が止まってくれる。(by トロント在住インド出身女性)
道を渡ろうとすると、車がスピードを落としたり、止まってくれる。「おいおい、カナダ、冗談だろ?」と思ったくらいだ。インドでは、人はひとたび車に乗ると、悪魔に変わる。遅刻しないためなら、人をはねることもいとわない。(by ウォータールーに旅行で訪れたインド出身男性)
人が親切 by アメリカ人男性
初めてカナダに訪れた時、コンビニのレジでお金を払うのに苦戦していたら、レジの女性がどのコインがいくらかを親切に教えてくれた。お礼を言うと、満面の笑みで「もちろんです!お手伝いできて光栄です」と言ってくれ、帰り道は私まで笑顔になれた。
その旅行では行く先々で人々が優しく、フレンドリーだった。それ以来、カナダにはもう15回以上訪れているが、息をのむくらい美しい景色よりも、一番心に残るのは、人々の優しさと寛大さだ。
入国審査の人すら笑顔 by ニュージーランド人男性
入国審査の際、バンクーバーの移民局のオフィサーが、私のイギリス連盟のパスポートを見て、「カナダにようこそ!」と満面の笑みで迎えてくれたこと。他の国々では、常に気難しい疑いの目で対応されてばかりだったのに。
見知らぬ人が話しかけてくる by フィリピン人女性
カナダに旅行に行ったら、カナダ人たちが本当にフレンドリーで、すごく驚いた。スーパーや公園、空港など、いたるところで見知らぬ人が気さくに話しかけてくる。
人助けの精神がすごい by カルガリーに滞在したインド人男性
冬の夜道に、車が溝にはまって動けなくなったことがあった。辺りは全く何もない場所だったが、なぜか一台の車が助けに来てくれた。
彼は数マイル先の農場の住人だったが、私の車がヘッドライトを付けたまま動かずにいるのを見て、トラブルを察知して、わざわざ駆けつけてくれたのだ。
彼は20分もかけて私の車の救出を手伝ってくれたが、お礼を言うと、あっという間に立ち去っていった。
また別の日には、車が雪にはまって動けなくなった時があった。すると、近くにいたカップルが駆け寄ってきて、タイヤの下の雪をどけて、車を押し出してくれた。
インドではこんな暖かい親切を受けたことがなかったので、すごくカルチャーショックだった。
私自身、似たような経験が何度かあります。
車が雪にはまって動けずにいたら、近くにいた人たちが車の後ろを押してくれたり、車のバッテリーが上がってしまった時も、駐車場にいた人が自分の車のバッテリーとつないで直してくれたり。自分の手が汚れたり、自分の時間が取られてしまうことを全くいとわず、助けてくれるのです。
車に限らずですが、カナダは困っている人を見ると、手を差し伸べてくれる人が本当に多くて驚きます。
こうやって見知らぬ人たちに助けられると、自分も困っている人がいたら助けてあげなきゃと思えます。優しい人に囲まれると、人は優しくなれるものですね。
カナダは様々な文化背景を持った移民国家ですが、この優しさの連鎖反応のおかげで、優しい国民性が保たれているのでは、と思います。
文化・民族・LGBTなどの多様性に寛容
毎年多くの移民難民を受け入れ、多民族が平和に共生しているカナダ。文化や民族、性的趣向などの多様性を非常に尊重しています。
マルチカルチャー by シンガポール出身男性
トロントはまるでカナダにいるのか疑いたくなるくらい、マルチカルチャーが進んでいる。まるでシンガポールに帰ってきたようにアジア人も多い。
自国の文化習慣を尊重してくれる by トロント在住インド出身女性
インド人なの?アメリカ人なの?なんて、一度も出身を聞かれたことがない。カナダの多文化の受け入れは本当に凄い。
しかも、受け入れてくれるだけじゃなく、自国文化や習慣を取り入れて行動していても、それを変な目で見たりせず、尊重してくれる。
カナダは色んな文化・宗教の人が暮らしているので、「郷に入っては郷に従え」「カナダらしく」という考え方は全くなく、それぞれの行事、習慣、食文化、服装などを尊重しています。
私自身、カナダに来た当初に参加した新移民向けの講習会でも、例え、相手の文化・習慣が自分にとってはおかしいと思うものでも、決して否定せず、肯定的に反応するべきだ、と教わりました。
(それでも、個人的な付き合いの中では、アジア圏の虫や犬などを食用する文化に対して、否定的な反応は否めませんが。。。)
白人と黒人の接し方 by トロント在住アメリカ出身女性
アメリカと違って、黒人と白人が普通に接している。夜、若い黒人男性が通りにいても、脅されるようなことがない。自分自身、若い黒人男性に対する恐怖がなくなった。
真のオープンマインド by バンクーバー在住メキシコ出身男性
カナダに来て8年になるが、つい先日、今までで一番カルチャーショックだったことがあった。それは、職場の同僚たちとアメリカの移民政策について話していた時のことだ。
白髭の高齢の男性職員が、
「なぜ、アメリカが移民政策を厳しくするのか分からないよ。前に、カナダに住むのが夢だと言ってくれる奴がいた。俺にとっては、それは本当に素晴らしいことだ。誰かが自分の国、自分の文化に加わりたいと言ってくれるんだ。そんな名誉なことってあるか?」
こんな風に、移民の受け入れに対して非常に好意的で、情熱的に話してくれた。若い世代ではない、白髭の年配の人でさえ、こんなにもオープンマインドなのだ。そして、周りの同僚たちも全員、彼の話に賛同し、うなずいていた。
私は、これまでに何度もカナダ人の優しさを目の当たりにし、安全で快適な生活を享受してきたが、この姿勢こそがカナダなのだと実感した。カナダに移民した自分の選択はやはり正しかった。
LGBTにも寛容 by モントリオール在住イギリス出身男性
カナダ人は自由で、オープンマインドだ。自国イギリスでは、同性愛に対してこんなにオープンではなかった。
偽善的
優しい国民性だと言われる半面、もちろんそうでないカナダ人もいます。また、カナダの優しさは偽善的であり、建前社会だと感じたり、嫌な思いをしたと言う人もいました。
差別意識がありながら、衝突を避けようとする by バンクーバー在住西アフリカ出身男性
電車の中で、カナダならではの光景を目撃したことがある。
ソマリア人男性と白人女性のカップルが電車に乗り込んできて、私の前に座った。でも、私の隣りに座っていた白人男性は、アフリカの黒人男性が白人女性(しかもブロンド)と付き合っていることが許せなかったようで、そのカップルをジロジロと見ながら、小声で何度も暴言を呟いていた。
そのカップルも視線を感じているようだったが、気にせず二人で冗談を言い合って笑っていた。
そんな中、ソマリア人男性が彼女に何かを説明しようと立ち上がったが、電車が揺れて、ソマリア人男性が白人男性の足を踏んでしまった。
『絶対喧嘩になる』と思いきや、それは意外な光景だった。
なんとその白人男性は「本当にすまない。私のせいだ」と言うのだ。それに対してソマリア人男性も「いやいや、私の方が悪いんだ。前をちゃんと見ていなかった」と続け、結局二人は握手で和解した。
しかし、その後、ソマリア人男性が席に戻ると、白人男性はまた小声で暴言を吐き始めた。
こうやって、心の中では負の感情を抱きながらも、あからさまな衝突は避けようとする。これは他の国では見られない、カナダならではの国民性だと思う。
下記の記事で、カナダの人種差別問題を取り上げていますが、確かに白人側の本音の意見でも、「社会的に差別がタブーになっているので、心の中に差別的意識があったとしても、決して表には出さずに仲良くする」という人が多かったです。
国境で疑われた by BC州に訪れたアメリカ人女性
アメリカからカナダに入国する際、「ようこそカナダへ」と暖かく迎えられると思っていたのに、実際は移民局オフィサーから疑いの目で見られ、全く歓迎を受けることが無かった。
おそらく、私が黒人の友人と一緒にいたからだろう。白人と黒人が一緒に行動していると怪しまれるのだ。
4時間も質問攻めにあった後、ようやく2日間だけの入国ビザが支給された。そして、それ以上滞在すると、逮捕するとまで言われた。
カナダが良い国だという人はたくさんいるが、私にとってはアメリカが一番だ。
店舗の営業時間
カナダの店舗の営業時間が短いことに驚く人もいました。
夜中は店が空いてない by ミルトン在住東南アジア出身男性
カナダ人はなぜそんなに寝るのが早いんだ?!
私の国では、夜中の2,3時まで起きていることも珍しくなかったが、そんな時間にはカナダではレストランやお店はどこも閉まっている。夜中は全く行き場がなくなる。一番遅いパブでも1時には閉まる。
週末の夜はお酒も買えない by アメリカ在住男性
週末にケベックシティに遊びに行った時、観光で歩き疲れ、お酒を買って帰ろうと思ったら、お酒を売ってるお店がどこもかしこも閉まっていた。
次からは、カナダに行ったらお酒は朝のうちに買おうと思う。
カナダのお店は、夜中まで営業しているお店が少なめ。特に週末は夕方には閉店するお店が多くなりますし、国や州の定める法定休日には、店舗の営業を禁止している州もあります。
恐ろしく寒いのにランニング by カルガリーに訪れたインド人男性
-30℃なんていう恐ろしい寒さの日は、冷たい風に顔を引っぱたかれているようだった。それでもカナダ人は全く動揺することなく、ランニングして冬を楽しんでいるんだから信じられない。
また、どんなに寒い気温の中でも、熱心に除雪車を動かしてくれているので、雪が降っても道路の状態が非常に良いのにも驚く。
銃禁止のサインがない by アメリカ人男性
ビルに「銃の持ち込み禁止」のサインが掲示されていないこと。
カナダは銃社会ではなく、銃の所持が禁止されている。アメリカからカナダにテキサスのナンバープレートのトラックで入国しようとすると、6回は銃は所持していないかどうか確認される。
人気スポーツがこれ・・? by モントリオール在住イギリス出身男性
カナダで一番人気のスポーツが、ほとんど見えないような、小さな黒い物体を追いかけるスポーツ(アイスホッケー)だということ。
街が清潔すぎる by BC州を訪れたアメリカ人女性
カナダに行くたびに、街が清潔で、整備されているのに驚く。清潔すぎて居心地が悪く感じるくらい。綺麗すぎる家に遊びに行って、何か汚してしまわないかと、気を使ってしまう時みたいに。
移民は仕事を見つけづらい by ガティノ在住アルジェリア出身男性
カナダに移民して仕事を探そうとしたが、「カナダの職歴」がないからと断られてばかり。仕事にも就けず、一体どうやって「カナダの職歴」を得られるというんだ?!
新移民にはスーパーやファーストフード店の仕事くらいしか、門戸が開放されていない。例え他国では専門職だったとしても。
「a boot」 by イギリス人男性
カナダ人たちは何かにつけて「a boot」と言う。
一体何のことを言っているのか意味が分からず、親戚たちにも聞いてみたけど、彼らも何のことか分からない。でも、ある時、Google検索してみて、ようやくその答えが分かったんだ。
カナダ人たちは「about」と言おうとして、「a boot」と言っているんだ、と。
やたらメープル味が多い by イギリス人男性
サンドウィッチ、ベーコン、ブリート、スープ、ソーダまでも、なんでもメープル味がある。糖尿病になりそうで心配。
やたらGuyやらBuddyと呼ぶ by イギリス人男性
お互いのことをよく「Guy」、「Pal」、「Buddy」と呼ぶこと。
ドラマの中の話だと思っていたら、実際に、自分の名前を呼ばれるよりも、むしろGuyと呼ばれることの方が多いくらいで驚いた。パブで「Hey Guy」なんて呼べば、店の客全員が振り向くだろう。
色んなことが古くさい by ノルウェー人女性
いまだに紙の小切手を使っているのが驚き。広告も、ウェブサイトも、支払い方法も、色んなことが現代化されていない。携帯電話のプランも古臭くて、金額も高い。
外国に行ったカナダ人が感じた逆カルチャーショック
外国に出かけて、改めて自国の文化習慣の特徴に気づいたカナダ人もいました。
カナダ独自の文化、国民性というものがない
出身を聞かれても、「カナダ人」とは答えず、アイルランド、インド、ウクライナなど、自分のルーツを言うこと。例え、自分も、自分の親も、カナダで生まれ育っていたとしても。
「カナダ人です」と答えるのは、国外に出た時のみ。
簡単に病院に行く
何でもかんでも、カナダ人は簡単に病院に行く。
ドラッグストアで買った妊娠検査薬で妊娠が分かっても、その1時間後には病院に行って無料で判定してもらったり。抗生物質やピルなんかは、病院の処方箋が必要なのはカナダならではと知った。
日本人の私からすると、カナダ人はあまり病院に行かなくて、逆に驚いたんですが・・。風邪やインフルエンザなんかだと、重症化しない限り、病院には行きません。でも、この方が言う通り、他の国だと、カナダ以上に病院というものは遠い存在なのかもしれませんね。
英語・フランス語以外の言語を話していても、外国人とは思わない
街を歩いている時に、他の国の言葉が聞こえてきても、カナダ人だと思う。カメラを持っていて初めて、旅行者かなと思う。
まとめ
以上、カナダに訪れた外国人やカナダに移民した人たちが感じた「カナダのカルチャーショック」のご紹介でした。
日本人の私たちにとっても、カナダに来ると何かとカルチャーショックを感じますが、外国人にとってもそれは同じのようですね。
特に、イギリス人やお隣アメリカ人から見ても、カナダならではの驚きがあると知ると、やっぱりイギリスともアメリカとも似て非なる国なんだなぁと実感します。
さて、今回の記事では、全ての意見を紹介しきれてはいませんが、そのほとんどが好意的なカルチャーショックでした。中でも一番多かったのが、カナダ人が非常に親切だという意見です。
私自身も、カナダに来て一番驚いたことは、カナダ人の親切さかもしれません。
ベビーカーでバスや電車に乗っても、全く嫌な顔をされることもないですし、むしろ手伝ってくれる人たちばかり。次の人のためにドアを支えてあげるのが当たり前。歩行者だけでなく、他のドライバーにも優しいドライバーたち。(まぁ、都会に行けば行くほど、そんなドライバーは減りますが)
でも、偽善的、建前社会だという意見も、これまた納得。あまりストレートに物申さず、感じ良く思われるように心掛ける人が多いと思います。でも、この点は日本人に共通する国民性ではないでしょうか?!
親切な人が多く、オープンマインドで多様性に寛容で住み心地が良いだけでなく、謝罪文化や偽善的なところも日本人になじみ深いということは───
カナダは日本人の留学先、ワーホリ先、移住先におすすめな国ですよ♡