家庭印刷がお得になるHPの「Instant Ink」とは?互換インクやリフィルよりも安い?コスト比較、メリット、デメリットまとめ

更新 | 2020-12-07公開

HPが提供している家庭用プリンターのインク定額配送サービス「Instant Ink」をご存じですか?

お得で便利だと評判ですが、それって本当?

サービスに加入して4か月ほど経った我が家。確かにメリットは多いです。でも、「これは無駄になる人も多いだろうな」と感じるデメリットも幾つか。

今回は、Instant Inkのサービスの特徴、コスト比較検証、そして、詳しい利用レビューをしてみたいと思います。

HPのInstant Inkサービスとは

HPの「インスタントインク」は、一言でいうと、インクのサブスクリプションサービスです。

印刷ページ数に応じて、毎月一定の月額料金を払います。その代わり、交換用インクカートリッジは無料。インターネット経由でインク残量を読み取り、インクが切れる前にカートリッジを無料配送してくれます。

Instant Inkプランと月額料金

Instant Inkは、月の印刷枚数に応じて、5つのプランが用意されています。

世界各国で提供しているInstant Inkですが、プラン内容はどの国もほぼ同じ。料金設定だけが異なります。アメリカとカナダでは下記のようになっています。

アメリカの場合

$0.99
/月
$2.99
/月
$4.99
/月
$11.99
/月
印刷枚数 15枚 50枚 100枚 300枚
繰越枚数 45枚 150枚 300枚 900枚
追加料金 10枚/$1 10枚/$1 10枚/$1 10枚/$1

※以前は月15枚プランは無料でしたが、2020年11月からは$0.99に変更されました
※月700枚プランもあります

カナダの場合

$1.25
/月
$3.99
/月
$5.99
/月
$11.99
/月
印刷枚数 15枚 50枚 100枚 300枚
繰越枚数 45枚 150枚 300枚  

900枚

追加料金 10枚/$1.25 10枚/$1.25 10枚/$1.25 10枚/$1.25

※以前は月15枚プランは無料でしたが、2020年11月からは$1.25に変更されました
※月700枚プランもあります

MMその他の国のプラン料金は、こちらのHPサイトにて、国を変更してご確認ください。

Instant Inkで知っておきたい9つの特徴

インスタントインクのサービスを9つの特徴ともに、詳しく見ていきます。

カラー印刷も写真も、1枚3.5¢~6.6¢

Instant ink Printing cost for black-white, color and photo

インスタントインクの料金は、「印刷枚数」で決まります。

  • 白黒、カラー、写真印刷も関係なし
  • インク使用量も関係なし
  • 用紙サイズも関係なし
  • 用紙の種類も関係なし

1枚あたりの印刷コストは、プランによって3.5¢~6.6¢(USプランで計算)ですが、カラーや写真印刷で考えると、この料金設定はかなりお得。写真やカラー資料を多く印刷する人には断然おすすめです。

逆に言うと、白黒や、空白の多い資料ばかり印刷する場合は、正直、もったいないかも。

何度もプラン変更できる

インスタントインクのプラン変更は何度でもOK。下記のようなケースでは、プランを頻繁に変更すると、印刷枚数をうまく使いきれますよ。

  • 月に何枚印刷するか分からない
    プラン選びに悩む場合、ひとまず少なめのプランで加入しておき、足りなければアップグレードするのがおすすめ
  • 印刷枚数が、2つのプランの中間くらい
    我が家の印刷量も月80枚と中途半端なので、印刷状況に応じて、月50枚プランと、月100枚プランを行ったり来たりしています
  • 月によって印刷枚数が増減する
    10枚につき$1の追加費用を払うより、プランのアップグレードをし、またすぐにダウングレードするほうがお得です

MMプランのアップグレードは月途中でも即適用されますが、プランのダウングレードは翌月適用です。印刷しきれないと思ったら、早め早めにダウングレードを。

印刷しなかった枚数は、繰り越しできる

月プランの印刷枚数を使いきらなかった場合、翌月に繰越しできます。繰越し上限は、プラン枚数の3倍まで。

  • 月15枚プラン→繰越し45枚まで
  • 月50枚プラン→繰越し150枚まで
  • 月100枚プラン→繰越し300枚まで
  • 月300枚プラン→繰越し900枚まで
  • 月700枚プラン→繰越し2100枚まで

新品プリンターじゃなくてもサービス加入OK

お持ちのHPプリンターがインスタントインク対象機種であれば、いつでもサービス加入できます。購入直後の新品でなくてもOKです。

我が家は、コロナ禍で在宅勤務や学校がオンラインになり、自宅での印刷量が激増したのを機にサービス加入しました。その時点で、プリンターは購入から約半年が経過。購入時に付属していたインクを使い切ってから加入できたので、ちょうど良いタイミングだったと思います。

Instant Ink sticker on HP Printer ENVY 5050series
「Instant Ink」対象モデルには、こんなスティッカーが

MM対象モデルは公式HPで確認できます。もしくは、プリンター本体に「Instant Ink」のスティッカーがあれば対象です。

専用カートリッジを装着した時点で、サービス開始

インスタントインクに申し込むと、専用インクカートリッジが自宅に送付されます。そのカートリッジをプリンターに装着した時点から、サービス開始。月カウントが開始します。

でも、専用インクが届いても、すぐに装着する必要はありません。むしろ、今使っている通常インクを使い切ってから、専用インクを装着したほうがお得

MMInstant Ink専用カートリッジ装着日から、プランの月カウントが開始します。専用カートリッジを11/22に装着した場合、月カウントは11/22~12/21。翌月は12/22~1/21と続きます。

Instant Inkのインクは超大容量

インスタントインク専用インクカートリッジは、見た目も大きく、HPのXLインク(印刷可能枚数300枚)よりも大容量です。

実際、我が家はこの専用インクにしてから300枚以上印刷していますが、まだまだインクはたっぷり。無くなる気配はなく、インク交換は、ごくたまに、で良さそうです。

キャンセルはいつでもOK

インスタントインクはいつでもキャンセルできます。

キャンセルして、その月の請求サイクルが終わると、インスタントインク専用インクでは印刷できなくなりますが、通常のインクカートリッジを装着すれば、再び印刷可能になります。

マイページで印刷枚数が分かる

HP Instant ink my page

インスタントインクに加入すると、このようなマイページが用意されます。今月の印刷枚数、繰越し枚数、インク残量などが分かります。

Instant Inkサービス提供国

アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、アイルランド、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、ポルトガル、ノルウェー、スイス、スウェーデン、フィンランド、デンマーク

(2020年現在)

 

HPがInstant Inkを提供している国は、2020年現在、ヨーロッパと北米のみ。対象国は順次拡大中だそうです。でも、日本や中国などのアジア諸国は、超格安な互換インクが幅を利かせていますし、Instant Inkの進出は無理なのでは、、、とも思います。

Instant Inkのコスト比較検証

どんなに便利なサービスでも、やっぱり気になるのはコスト。そこで、Instant Inkの料金設定を、純正カートリッジ・互換カートリッジ・Costcoのインクリフィルの4種類でコスト比較してみました。

比較条件
  • Instant Ink月100枚プラン($4.99)x6か月
  • HP ENVY 5000シリーズ「XL65 Black」&「XL65 Color」カートリッジで検証
  • 全てアメリカ市場価格
  • 印刷するドキュメントはカバレッジ(印刷範囲)5%
  • 白黒300枚+カラー300枚印刷時の1枚当たりのコスト

 

Instant
Ink

純正

カートリッジ

互換
カートリッジ
Costco
Refill
インク代金 $29.94 $67 $42 $22
1枚あたりのコスト 4.9¢ 11.2¢ 3.6¢

 

比較してみると、一番安いのはRefillサービスという結果に。

Costcoのリフィルサービスであれば、1枚3.6¢という安さです。リフィルサービスは、Costco以外にも、オフィスプロダクトを取り扱うようなお店が提供しています。

Refillには負けるものの、インスタントインクは互換インクよりも安く、1枚4.9¢。

高額な純正インク、そして、品質に不安がある互換インクを利用するくらいなら、メーカー純正インクでありながら、インク代が安くなるInstant Inkのほうがおすすめです。純正を使用することで、長期的にはプリンターの故障も最小限に抑えられます。

MM上記の比較表にはありませんが、時間と印刷品質を問わなければ、最も安価なのは、自分でインクを詰め替える方法です。詳しくは下記記事にて。
プリンターインクを節約しよう!印刷代を抑える方法いろいろ

実際はInstant Inkのほうがお得になる?

ただし。

上記結果は、カートリッジ代金を、5%カバレッジの印刷可能枚数で割っただけ。実際の環境では、リフィルよりも、Instant Inkのほうがお得になるケースも多いかもしれません。

なぜなら────

理由①カバレッジ5%以上の資料も多い

出典 Toner Giant “How Many Pages Will My Cartridge Print Before It Runs Out?”

先ほどの比較結果は、カバレッジ5%(印刷範囲)の資料の印刷可能枚数で計算していますが、実際には、上記参考画像のように、5%以上の印刷物も多いと思います。

全面カラーの資料や、写真印刷となると、消費するインク量は10~20倍。一つのインクカートリッジで印刷できる枚数は極端に少なくなります。

理由②印刷以外でもインクは日々消費される

印刷以外にも、インクは日々消費されています。たとえば、プリンター起動時に必ず行われるヘッドクリーニングや、日々のメンテナンスでも、インクは大量に消費されています。

印刷可能枚数が300枚のカートリッジも、使用状況によっては100枚程度しか印刷できないことも。

メンテナンスで消費されるインクを考慮すると、実際の「印刷枚数」のみでカウントしてくれるInstant Inkはありがたい仕様だなと思います。

 

上記2つ理由を考慮すると、結局、1枚あたりの印刷コストは、Instant Inkのほうがお得になる可能性が高いです。

Instant Ink利用レビュー。メリットは?

最後に、私自身が感じたメリット、デメリットをレビューしたいと思います。

インクを気にせず印刷できる

インクを気にせずに印刷できるって、思いのほかストレスフリーです!

今までは────

  • インクをたくさん使いそうな資料だから、ドラフト印刷(低品質)にしておこう
  • 本当はカラーの方がいいけど、、、白黒でいっか

こんな風に、いつもインクのことを気にしながら印刷していました。インクって、プリンター本体代金以上に高いので、ついつい・・。

それが今では、常時、カラー印刷。時には高品質で印刷することだってあります。インクを大量に使う資料ほど、お得気分が味わえてムフフ。

写真印刷も気軽

インクが高すぎるカナダ。今まで、自宅で写真印刷するなんて、この5年間でたった2枚だけ。それが、今では写真印刷すら超気軽。メッセージカードも自宅で写真入りで作れます。

用紙サイズに関わらず、1枚は1枚なので、どうせならと、Letterサイズ(ほぼA4サイズ)の写真用紙を購入しています。大判写真を印刷したり、1ページに複数枚の写真を配置して印刷したり。これもたった6¢で完成!

無料お試し期間が長い

Instant Inkは、1か月無料、もしくは2か月無料など、お得なキャンペーンを行っていることが多いです。プリンターを購入すると、たいてい2か月無料期間が付いています。

私は、1か月無料キャンペーンで申込みましたが、さらに、紹介コードがあったので追加で1か月無料となり、合計2か月間無料になりました。

無料期間中は、枚数の大きいプランを選んで、大量に印刷しておくと良いかも。ただし、無料期間終了前に、プランをダウングレードするのをお忘れなく。

\下記からの申し込みか、紹介コード「fp7gtk」の入力で、無料期間がさらに1か月追加されます/

Instant Ink利用レビュー。デメリットは?

でも、正直なところ、デメリットというか、不満点もいくつかありました。それは────

プリントミスが痛い

どんな印刷でも、1枚は1枚。それがたとえ印刷ミスでも、です。

  • 間違って印刷をかけてしまい、慌ててキャンセルしたけど、途中まで印刷された
  • パソコン上では印刷エラーになっていたのに、実は何枚も印刷されていた

これは私がよくやるミス。パソコンとプリンターが離れた場所にあるので、余計にミスが起こりがち。プラン枚数をギリギリでしのいでいる時は、この印刷ミスが本当に致命的です。。。

繰越し枚数は後回し

HP Instatnt Ink rollover pages
100枚プランのうち、70枚を印刷済み。先月からの繰越し分は100枚印刷後に適用される

インスタントインクで、ずるいな、と思うのが、先月からのRollover、繰り越し枚数が「後回し」にされること。

まず、毎月のプラン枚数から印刷され、プラン枚数を超過した後に繰越し分が適用されます。こうなると、結局、繰り越し分は利用できずに終わる可能性も。そうならないためにも、繰越し枚数が溜まってきたら、月プランをダウングレードすることをおすすめします。

ただし・・・・

プランをダウングレードすると、繰越し枚数が減る

roll over pages decrease when changing HP instant ink plan

プランをダウングレードすると、繰越し枚数の上限も減るので、要注意です。

上記画像のように、繰越し枚数が200枚溜まっている状態で、プランを月100枚→月50枚にダウングレードすると、繰越し枚数は150枚に減るので、50枚が無駄になってしまいます。

繰越し枚数を無駄にしないためにも、繰越し枚数が溜まってきたら、早めに早めに、プラン変更することが大切です。

 

HP Instant ink plan history

こちらは我が家のプラン変遷歴。

我が家の毎月の印刷枚数は80枚前後。月50枚プランだと足りず、月100枚プランだと多すぎる微妙なラインです。使用状況に応じて、プラン変更して、繰越枚数を早めに使い切るようにしています。

結論:Instant Inkはお得か、無駄か?

ここまでInstant Inkの特徴や、コスト比較検証、私が感じるメリット・デメリットを述べてきましたが、最後に、Instant Inkは加入する価値があるのか?

────ずばり、それは「人による」。

Instant Inkが無駄になる、加入しない方がよい人

おすすめしない人
  • 印刷量に増減があるのに、プラン変更を忘れそう
  • 白黒しか印刷しない
  • ドラフト印刷で十分満足
  • Costcoのリフィルサービスが利用できる
  • インク詰め替えを自分でやる

上記に当てはまる人は、Instant Inkはおすすめしません。間違いなく、サービスが無駄になる、もしくは、インクリフィルを行うなどした方がお得です。

Instant Inkがお得になる、加入した方がよい人

おすすめする人
  • 毎月コンスタントに印刷する
  • カラーや写真印刷をする
  • インク量を気にせず印刷したい
  • Refillサービスが近くにない、もしくは利用したくない

一つでも当てはまれば、Instant Inkをお得に利用できる可能性大。ぜひ利用を検討してみてください。

我が家は、コロナ禍で家庭での印刷が増えていますし、気軽に印刷できる便利さがとても気に入っているので、当面はInstant Inkに加入し続けようと思います。

\下記からの申し込みか、紹介コード「fp7gtk」の入力で、無料期間がさらに1か月追加されます/

 

 

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