HPが提供している家庭用プリンターのインク定額配送サービス「Instant Ink」をご存じですか?
お得で便利だと評判ですが、それって本当?
サービスに加入して4か月ほど経った我が家。確かにメリットは多いです。でも、「これは無駄になる人も多いだろうな」と感じるデメリットも幾つか。
今回は、Instant Inkのサービスの特徴、コスト比較検証、そして、詳しい利用レビューをしてみたいと思います。
この記事の目次
HPのInstant Inkサービスとは
HPの「インスタントインク」は、一言でいうと、インクのサブスクリプションサービスです。
印刷ページ数に応じて、毎月一定の月額料金を払います。その代わり、交換用インクカートリッジは無料。インターネット経由でインク残量を読み取り、インクが切れる前にカートリッジを無料配送してくれます。
Instant Inkプランと月額料金
Instant Inkは、月の印刷枚数に応じて、5つのプランが用意されています。
世界各国で提供しているInstant Inkですが、プラン内容はどの国もほぼ同じ。料金設定だけが異なります。アメリカとカナダでは下記のようになっています。
アメリカの場合
$0.99 /月 |
$2.99 /月 |
$4.99 /月 |
$11.99 /月 |
|
---|---|---|---|---|
印刷枚数 | 15枚 | 50枚 | 100枚 | 300枚 |
繰越枚数 | 45枚 | 150枚 | 300枚 | 900枚 |
追加料金 | 10枚/$1 | 10枚/$1 | 10枚/$1 | 10枚/$1 |
※以前は月15枚プランは無料でしたが、2020年11月からは$0.99に変更されました
※月700枚プランもあります
カナダの場合
$1.25 /月 |
$3.99 /月 |
$5.99 /月 |
$11.99 /月 |
|
---|---|---|---|---|
印刷枚数 | 15枚 | 50枚 | 100枚 | 300枚 |
繰越枚数 | 45枚 | 150枚 | 300枚 |
900枚 |
追加料金 | 10枚/$1.25 | 10枚/$1.25 | 10枚/$1.25 | 10枚/$1.25 |
※以前は月15枚プランは無料でしたが、2020年11月からは$1.25に変更されました
※月700枚プランもあります
MMその他の国のプラン料金は、こちらのHPサイトにて、国を変更してご確認ください。
Instant Inkで知っておきたい9つの特徴
インスタントインクのサービスを9つの特徴ともに、詳しく見ていきます。
カラー印刷も写真も、1枚3.5¢~6.6¢
インスタントインクの料金は、「印刷枚数」で決まります。
- 白黒、カラー、写真印刷も関係なし
- インク使用量も関係なし
- 用紙サイズも関係なし
- 用紙の種類も関係なし
1枚あたりの印刷コストは、プランによって3.5¢~6.6¢(USプランで計算)ですが、カラーや写真印刷で考えると、この料金設定はかなりお得。写真やカラー資料を多く印刷する人には断然おすすめです。
逆に言うと、白黒や、空白の多い資料ばかり印刷する場合は、正直、もったいないかも。
何度もプラン変更できる
インスタントインクのプラン変更は何度でもOK。下記のようなケースでは、プランを頻繁に変更すると、印刷枚数をうまく使いきれますよ。
- 月に何枚印刷するか分からない
プラン選びに悩む場合、ひとまず少なめのプランで加入しておき、足りなければアップグレードするのがおすすめ - 印刷枚数が、2つのプランの中間くらい
我が家の印刷量も月80枚と中途半端なので、印刷状況に応じて、月50枚プランと、月100枚プランを行ったり来たりしています - 月によって印刷枚数が増減する
10枚につき$1の追加費用を払うより、プランのアップグレードをし、またすぐにダウングレードするほうがお得です
MMプランのアップグレードは月途中でも即適用されますが、プランのダウングレードは翌月適用です。印刷しきれないと思ったら、早め早めにダウングレードを。
印刷しなかった枚数は、繰り越しできる
月プランの印刷枚数を使いきらなかった場合、翌月に繰越しできます。繰越し上限は、プラン枚数の3倍まで。
- 月15枚プラン→繰越し45枚まで
- 月50枚プラン→繰越し150枚まで
- 月100枚プラン→繰越し300枚まで
- 月300枚プラン→繰越し900枚まで
- 月700枚プラン→繰越し2100枚まで
新品プリンターじゃなくてもサービス加入OK
お持ちのHPプリンターがインスタントインク対象機種※であれば、いつでもサービス加入できます。購入直後の新品でなくてもOKです。
我が家は、コロナ禍で在宅勤務や学校がオンラインになり、自宅での印刷量が激増したのを機にサービス加入しました。その時点で、プリンターは購入から約半年が経過。購入時に付属していたインクを使い切ってから加入できたので、ちょうど良いタイミングだったと思います。
MM※対象モデルは公式HPで確認できます。もしくは、プリンター本体に「Instant Ink」のスティッカーがあれば対象です。
専用カートリッジを装着した時点で、サービス開始
インスタントインクに申し込むと、専用インクカートリッジが自宅に送付されます。そのカートリッジをプリンターに装着した時点から、サービス開始。月カウントが開始します。
でも、専用インクが届いても、すぐに装着する必要はありません。むしろ、今使っている通常インクを使い切ってから、専用インクを装着したほうがお得。
MMInstant Ink専用カートリッジ装着日から、プランの月カウントが開始します。専用カートリッジを11/22に装着した場合、月カウントは11/22~12/21。翌月は12/22~1/21と続きます。
Instant Inkのインクは超大容量
インスタントインク専用インクカートリッジは、見た目も大きく、HPのXLインク(印刷可能枚数300枚)よりも大容量です。
実際、我が家はこの専用インクにしてから300枚以上印刷していますが、まだまだインクはたっぷり。無くなる気配はなく、インク交換は、ごくたまに、で良さそうです。
キャンセルはいつでもOK
インスタントインクはいつでもキャンセルできます。
キャンセルして、その月の請求サイクルが終わると、インスタントインク専用インクでは印刷できなくなりますが、通常のインクカートリッジを装着すれば、再び印刷可能になります。
マイページで印刷枚数が分かる
インスタントインクに加入すると、このようなマイページが用意されます。今月の印刷枚数、繰越し枚数、インク残量などが分かります。
Instant Inkサービス提供国
アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、アイルランド、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、ポルトガル、ノルウェー、スイス、スウェーデン、フィンランド、デンマーク
(2020年現在)
HPがInstant Inkを提供している国は、2020年現在、ヨーロッパと北米のみ。対象国は順次拡大中だそうです。でも、日本や中国などのアジア諸国は、超格安な互換インクが幅を利かせていますし、Instant Inkの進出は無理なのでは、、、とも思います。
Instant Inkのコスト比較検証
どんなに便利なサービスでも、やっぱり気になるのはコスト。そこで、Instant Inkの料金設定を、純正カートリッジ・互換カートリッジ・Costcoのインクリフィルの4種類でコスト比較してみました。
- Instant Ink月100枚プラン($4.99)x6か月
- HP ENVY 5000シリーズ「XL65 Black」&「XL65 Color」カートリッジで検証
- 全てアメリカ市場価格
- 印刷するドキュメントはカバレッジ(印刷範囲)5%
- 白黒300枚+カラー300枚印刷時の1枚当たりのコスト
Instant Ink |
純正 カートリッジ |
互換 カートリッジ |
Costco Refill |
|
---|---|---|---|---|
インク代金 | $29.94 | $67 | $42 | $22 |
1枚あたりのコスト | 4.9¢ | 11.2¢ | 7¢ | 3.6¢ |
比較してみると、一番安いのはRefillサービスという結果に。
Costcoのリフィルサービスであれば、1枚3.6¢という安さです。リフィルサービスは、Costco以外にも、オフィスプロダクトを取り扱うようなお店が提供しています。
Refillには負けるものの、インスタントインクは互換インクよりも安く、1枚4.9¢。
高額な純正インク、そして、品質に不安がある互換インクを利用するくらいなら、メーカー純正インクでありながら、インク代が安くなるInstant Inkのほうがおすすめです。純正を使用することで、長期的にはプリンターの故障も最小限に抑えられます。
実際はInstant Inkのほうがお得になる?
ただし。
上記結果は、カートリッジ代金を、5%カバレッジの印刷可能枚数で割っただけ。実際の環境では、リフィルよりも、Instant Inkのほうがお得になるケースも多いかもしれません。
なぜなら────
理由①カバレッジ5%以上の資料も多い
先ほどの比較結果は、カバレッジ5%(印刷範囲)の資料の印刷可能枚数で計算していますが、実際には、上記参考画像のように、5%以上の印刷物も多いと思います。
全面カラーの資料や、写真印刷となると、消費するインク量は10~20倍。一つのインクカートリッジで印刷できる枚数は極端に少なくなります。
理由②印刷以外でもインクは日々消費される
印刷以外にも、インクは日々消費されています。たとえば、プリンター起動時に必ず行われるヘッドクリーニングや、日々のメンテナンスでも、インクは大量に消費されています。
印刷可能枚数が300枚のカートリッジも、使用状況によっては100枚程度しか印刷できないことも。
メンテナンスで消費されるインクを考慮すると、実際の「印刷枚数」のみでカウントしてくれるInstant Inkはありがたい仕様だなと思います。
上記2つ理由を考慮すると、結局、1枚あたりの印刷コストは、Instant Inkのほうがお得になる可能性が高いです。
Instant Ink利用レビュー。メリットは?
最後に、私自身が感じたメリット、デメリットをレビューしたいと思います。
インクを気にせず印刷できる
インクを気にせずに印刷できるって、思いのほかストレスフリーです!
今までは────
- インクをたくさん使いそうな資料だから、ドラフト印刷(低品質)にしておこう
- 本当はカラーの方がいいけど、、、白黒でいっか
こんな風に、いつもインクのことを気にしながら印刷していました。インクって、プリンター本体代金以上に高いので、ついつい・・。
それが今では、常時、カラー印刷。時には高品質で印刷することだってあります。インクを大量に使う資料ほど、お得気分が味わえてムフフ。
写真印刷も気軽
インクが高すぎるカナダ。今まで、自宅で写真印刷するなんて、この5年間でたった2枚だけ。それが、今では写真印刷すら超気軽。メッセージカードも自宅で写真入りで作れます。
用紙サイズに関わらず、1枚は1枚なので、どうせならと、Letterサイズ(ほぼA4サイズ)の写真用紙を購入しています。大判写真を印刷したり、1ページに複数枚の写真を配置して印刷したり。これもたった6¢で完成!
無料お試し期間が長い
Instant Inkは、1か月無料、もしくは2か月無料など、お得なキャンペーンを行っていることが多いです。プリンターを購入すると、たいてい2か月無料期間が付いています。
私は、1か月無料キャンペーンで申込みましたが、さらに、紹介コードがあったので追加で1か月無料となり、合計2か月間無料になりました。
無料期間中は、枚数の大きいプランを選んで、大量に印刷しておくと良いかも。ただし、無料期間終了前に、プランをダウングレードするのをお忘れなく。
Instant Ink利用レビュー。デメリットは?
でも、正直なところ、デメリットというか、不満点もいくつかありました。それは────
プリントミスが痛い
どんな印刷でも、1枚は1枚。それがたとえ印刷ミスでも、です。
- 間違って印刷をかけてしまい、慌ててキャンセルしたけど、途中まで印刷された
- パソコン上では印刷エラーになっていたのに、実は何枚も印刷されていた
これは私がよくやるミス。パソコンとプリンターが離れた場所にあるので、余計にミスが起こりがち。プラン枚数をギリギリでしのいでいる時は、この印刷ミスが本当に致命的です。。。
繰越し枚数は後回し
インスタントインクで、ずるいな、と思うのが、先月からのRollover、繰り越し枚数が「後回し」にされること。
まず、毎月のプラン枚数から印刷され、プラン枚数を超過した後に繰越し分が適用されます。こうなると、結局、繰り越し分は利用できずに終わる可能性も。そうならないためにも、繰越し枚数が溜まってきたら、月プランをダウングレードすることをおすすめします。
ただし・・・・
プランをダウングレードすると、繰越し枚数が減る
プランをダウングレードすると、繰越し枚数の上限も減るので、要注意です。
上記画像のように、繰越し枚数が200枚溜まっている状態で、プランを月100枚→月50枚にダウングレードすると、繰越し枚数は150枚に減るので、50枚が無駄になってしまいます。
繰越し枚数を無駄にしないためにも、繰越し枚数が溜まってきたら、早めに早めに、プラン変更することが大切です。
こちらは我が家のプラン変遷歴。
我が家の毎月の印刷枚数は80枚前後。月50枚プランだと足りず、月100枚プランだと多すぎる微妙なラインです。使用状況に応じて、プラン変更して、繰越枚数を早めに使い切るようにしています。
結論:Instant Inkはお得か、無駄か?
ここまでInstant Inkの特徴や、コスト比較検証、私が感じるメリット・デメリットを述べてきましたが、最後に、Instant Inkは加入する価値があるのか?
────ずばり、それは「人による」。
Instant Inkが無駄になる、加入しない方がよい人
- 印刷量に増減があるのに、プラン変更を忘れそう
- 白黒しか印刷しない
- ドラフト印刷で十分満足
- Costcoのリフィルサービスが利用できる
- インク詰め替えを自分でやる
上記に当てはまる人は、Instant Inkはおすすめしません。間違いなく、サービスが無駄になる、もしくは、インクリフィルを行うなどした方がお得です。
Instant Inkがお得になる、加入した方がよい人
- 毎月コンスタントに印刷する
- カラーや写真印刷をする
- インク量を気にせず印刷したい
- Refillサービスが近くにない、もしくは利用したくない
一つでも当てはまれば、Instant Inkをお得に利用できる可能性大。ぜひ利用を検討してみてください。
我が家は、コロナ禍で家庭での印刷が増えていますし、気軽に印刷できる便利さがとても気に入っているので、当面はInstant Inkに加入し続けようと思います。
- 北米のお得な買い物術「プライスマッチ」とは?やり方や対象店舗は?
- 完全無料でテレビをVPN接続する方法|「VPN Gate」で海外のNetflix/HuluをTV視聴しよう!
- 最安の海外転送会社「転送Japan」利用レビュー|評判、特徴、メリット、デメリットは?
- 2020年版おすすめ海外転送サービス10社徹底比較|一番安いのは?海外在住者必見!
- 【無料配布中】2020年最新おすすめIELTS本と問題集のレビュー募集のお知らせ