2016カナダ移民Express Entryレポート|選抜基準スコアや平均審査期間は?

更新 | 2017-09-16公開

 

スキルドワーカーやエクスペリエンスクラス、スキルトレードなど、カナダの技能移民クラスの永住権申請には2015年よりエクスプレスエントリー(Express Entry)が導入されています。

カナダ移民局IRCCが2017年4月に発表したレポートによると、2016年には約34,000人の申請者がExpress Entry(EE)から選抜され、ITA(Invitation to Apply)を受理しています。

今回の記事では、2016年にEEで選抜された申請者たちの審査期間、選抜基準スコア、職種、出身国など、気になるデータをご紹介したいと思います。

現在、カナダ永住権を申請中の方や、これから申請する方も、ぜひご一読ください。

 

Express Entry平均審査期間は6ヶ月

カナダ移民局は、EEにて選抜された申請は、全申請書類を受付てから半年以内に審査を完了することを目標にかかげていますが、実際の審査期間はどうだったのでしょうか─?

 

 

上記の表の通り、2016年の実績では、80%の申請書類が6ヶ月以内に審査完了しています。中でも、プロビンシャルノミニーと呼ばれる、各州毎に用意されている移民プログラムの審査は5ヶ月と早め。

ちなみに、私自身が2013年に連邦政府のスキルドワーカープログラムに申請した際は、審査完了まで約1年でした。昔は4、5年かかることもあったと言いますし、1年であればまだ早い方だとは思いますが、なんの情報もなく、ただひたすら待つだけの1年間は本当に長く、ストレスを抱えた日々でした。半年以内の審査完了というのは、本当にありがたいことだと思います。

ただ、この数字には、EEにて選抜されITAが届くまでの期間は考慮されていません。

ジョブオファーがある人、ポイントが高い人から順番に選抜されるとは言え、ここの待ち時間も考慮すると、EEが導入されたとはいえ、やはり永住権申請は、「忍耐強く、ひたすら待つ」ものには変わりないですね。

Express Entry選抜スコア実績

永住権申請者にとって、何より重要なのが、『一体何点あればEEで選抜されるのか』、ですよね。2016年にITA(Invitation to Apply)が発行された人たちのスコアの分布を見てみましょう。

 

 

このように、2016年の実績を見る限り、EEにて選抜され、永住権申請への招待を得られる基準スコアは450となっています。

ただし、2017年のこれまでの現状では、全体的に2016年よりも合格ラインが低下気味。5月31日の選考では、最低ITA受理スコアが413まで下がっています。450に満たなくても、十分可能性はありますよ!

個人移民の職業トップ10

こちらはEEで選抜され、実際に永住権を獲得した人の職種分布です。

このように、2016年中にエクスプレスエントリーを通じて新移民となった人のうち、16%がITコンサルタントやソフトウェアエンジニアといったIT系という結果でした。

ちなみに、2015年のトップ職種は調理師やレストラン経営といった飲食業従事者で、全体の16%を占めていましたが、2016年は7%まで下降しています。

ITA受理者の出身国内訳

最もITA受理者が多いのはインド出身者。全体の3割以上を占めています。次に、中国、フィリピン、UKと続いていますね。日本人は───、もちろんランク外ですね。。。

ちなみに、EE選抜では1位インド、2位中国ですが、2015年時点の移民全体のデータでは、フィリピンがトップ。フィリピンの方はEE不要のケアギバークラスなどで移民する方が多いせいかもしれませんね。

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ITA受理者の居住国

ITA受理者の出身国はインドや中国、フィリピンが多くなっていましたが、EE選抜時の居住国は、カナダ国内が7割を占めています。

カナダ国内にいる人ほど、すでにジョブオファーを持っていたり、カナダ国内での勤務経験があるなど、ITA受理にあたり有利であることが伺えます。

申請者の居住予定州

EEで選抜された後、永住権を申請する時点で、居住予定の州を申請書に記載します。

PNPプログラムは一定期間その州に住むことが義務付けられていますが、それ以外のプログラムは、もちろん自分の希望する州に居住することが可能です。

2015年にEEで選抜され、永住権申請をした人が一番多く居住先に選んだ州は、アルバータ州という結果でしたが、2016年は──

このように、大部分の人がオンタリオ、ブリティッシュコロンビア、アルバータを希望していることが分かります。

中でも断トツ人気は、PNPで申請している人を除いても、トロントのあるオンタリオ州。多くの人が豊富な雇用機会やマルチカルチャーな都市を求めてオンタリオを目指しているのでしょうね。

一方、ノバスコシア、サスカチュワン、ニューブランズウィックを選ぶ人は、PNPプログラムの人ばかり。定住義務のない移民カテゴリで申請した上で、これらの州を希望するのは非常に珍しいと言えます。

ちなみに、申請書に書く「Destination」は、あくまで『予定』。PNPプログラム以外、その後の状況次第で居住先を変更しても問題ありませんので、ご安心を。

 


以上、2016年申請分のエクスプレスエントリーのレポートから、気になる情報をまとめてご紹介しました。もっと詳しくレポートを見てみたいという方は、IRCCのこちらのページよりご確認ください。

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