カナダに永住権を取得して移民する人は、どこの国の人が多いのか?
州別の出身国を見てみると、都市ごとの特徴が出ていていて、とても興味深い内容でした。
CANADIAN MAGAZINE OF IMMIGRATIONに掲載されている統計より、ご紹介です。
この記事の目次
カナダ移民する人の出身国
まずは、カナダ全体で移民者の出身国を見てみます。
2015年の移民者数の内訳は、1位フィリピン、2位インドです。この二つの国は断トツで多いですね。
3位中国に続いて、イラン、パキスタン、シリア、USAと続きます。トランプ氏が大統領になり、2016年のデータではアメリカからの移民がさらに増えるかもしれませんね。
そして、日本は・・・、ランク外。
確かに、周りを見回しても、移民人口の中で、日本人はかなりのマイノリティ。
他の移民者に「なんで日本から移民したの?日本はいい国でしょう?」と驚かれることも多いです。
BC州に住む移民の出身国
バンクーバーのあるBC州は、他の州に比べると、中国人の移民が圧倒的に多くなっていますね。
中国人向けのお店やサービスも数多く、街には漢字が溢れていますし、大規模な中国人コミュニティーもあることから、中国人にとってはとても住みやすい地となっています。
1位以下を見ても、アジア各国が占める割合が高めです。寒さに慣れていないアジア人にとっては、バンクーバーの気候は魅力ですよね。
オンタリオ州に住む移民の出身国
カナダ最大都市トロントのあるオンタリオ州では、1位はインド。そして、中国、フィリピン、パキスタンと続いています。
フィリピン・インドの順こそ違いますが、その他はカナダ全土データとあまり大差ない分布です。カナダ最大の雇用機会を求めて、世界中から移民が集まっていると言えます。
アルバータ州に住む移民の出身国
オンタリオ同様、アルバータもカナダ全土のデータとほぼ同じような比率ですね。
雇用状況の良さから、2007年以降、フィリピンとインドからの移民数がかなり増えてきているそうです。
ケベック州に住む移民の出身国
カナダ第2位の都市モントリオールのあるケベック州では、フランス語圏であることから、1位フランス、2位アルジェリア、4位モロッコなど、フランス語が公用語として話す国が多くなっています。
フィリピンやインドからの移民は、全土データと比較すると、かなり数が減ります。
モントリオールという大都市で、雇用が安定供給されている地であっても、やはり、言語の壁は大きいということですね。
マニトバ州に住む移民の出身国
マニトバのあるウィニペグ州では、フィリピンが圧倒的に多く、2位インドの2倍以上の差です。
フィリピン人がマニトバに多く住んでいる理由は、1950~60年代に移民したフィリピン人のほとんどがウィニペグに移住し、今でも大きなフィリピン人コミュニティがあることや、マニトバ政府とフィリピン政府が労働者派遣の提携を結んでいることなどが挙げられます。
ノバスコシア州に住む移民の出身国
東海岸最大都市のハリファックスがあるノバスコシア州では、1位イギリス、3位アメリカと、他都市とは明らかに違う構成になっています。
ノバスコシアは人口の9割以上が白人ですが、移民人口を見ても、イギリスやアメリカ出身の人が多いのですね。
雇用状況は、他州に比べると決して良くないノバスコシア。
どちらかと言うと「仕事」を求めて移住するというよりも、金銭的に余裕のあるイギリス人やアメリカ人が、リラックスした田舎暮らしを求めて移住しているのでは、と思われます。
日本人に人気の移住先は?
少しトピックからは外れますが、気になるデータを。
日本人が多く移住する州のデータです。
2011年の情報ですが、やはり断トツで人気はBC州ですね。2011年の国勢調査のデータでは、BC州に在住の日本人の数は38,120人で、BC州の人口の0.9%にあたるそうです。
次いで、オンタリオ、アルバータ、ケベックとなります。下位の州では、移民者数の少ないことと言ったら!本当に「マレ」な存在、『こんなところに日本人!』状態かもしれませんね。
まとめ
以上、カナダ移住した人の出身国に関するデータをご紹介しました。
ご紹介した内容をまとめると、下記のように都市ごとの特徴がよく表れたデータになっていました。
- BC州:中国を始めとするアジア各国から
- ケベック州:フランスやアフリカ諸国と言ったフランス語圏から
- オンタリオ州:雇用を求めて、世界各国から幅広く
- マニトバ州:フィリピンコミュニティと政府の雇用斡旋によりフィリピンから
- ノバスコシア州:田舎暮らしを求めて、イギリスやアメリカから
カナダ政府は今後もますます移民推進を進めていくとしています。このような都市の特徴は、今後も多くの移民を受け入れることにより、ますます際立っていくのかもしれませんね。