夫がソフトバンクの通信制大学「サイバー大学」を1.5年で卒業しました。
夫はなぜサイバー大学を選んだのか? 卒業は大変だったか? 勉強に費やした時間は? 実際にかかった学費総額は?この記事では、夫のリアルな体験談をご紹介したいと思います。
この記事の目次
働きながら大卒を目指した理由
サイバー大学を選ぶ以前に、そもそも、なぜ夫は社会人になってから大学を目指したのか。その理由は、「大卒の壁」でした。
海外の永住権が取得できない
夫は高専卒。高専卒で取れる学位は「準学士」となり、短大卒扱いの学位です。
当時、私たち家族は、カナダとオーストラリアへの移住を目指し、永住権申請を考えていました。でも、この「準学士」ではどうしても申請基準にポイントが足りません。結局、永住権申請は大卒の私がメインとなり申請をしましたが、ここで夫は、人生で初めて「学歴の壁」を強く感じたのです。
また、同時期に、日系企業のアメリカ採用職にも応募していた夫。面接をクリアし、採用も決定したのですが、大卒でないために就労ビザが下りないという事態にもなりました。
海外就職でも苦労する
日本では、学歴と職業が直結していない人も多く、仕事さえできればOKとされていますよね。でも、海外ではそうはいきません。就職や役職などでも、常に学歴が求められます。日本以上に学歴社会なのです。
その後、カナダへの移住が現実味を帯びてきたのですが、夫は、今後海外で働くにあたり、学歴の壁をとっぱらおうと決意。会社勤めをしながら、通信制の大学に進学し、学位を取得することにしたのです。
サイバー大学とは
学位を取得するにあたり、夫が選んだのは
ご存じ、ソフトバンクの子会社が設立した通信制の大学です。ソフトバンクが作っただけあって、学部は「IT総合学部」のみ。ITに特化した大学です。IT総合学部の中で、テクノロジーコース、ビジネスコース、ITコミュニケーションコースの3つに分かれています。
なによりの特徴が、全講義をインターネットを通じて行っており、一度も通学することなく学士号が取得できます。
通信制大学は数多くあれど、一度も通学を必要としないというのは、ごく一部。ほとんどの通信制大学は、年に1~2回、2週間程度のスクーリングが必要です。働いている人にとっては、何度も会社を休まねばならず、とても難しい条件ですよね・・。
しかし、サイバー大学であれば、完全にスクーリングなし。例え、海外に住んでいたとしても卒業可能なのです。
夫がサイバー大学を選んだ理由
夫がサイバー大学を選んだ理由は下記の通りです。
- 学部が希望にあっていた
- 海外からも受講可能
- スクーリング(通学しての授業)が一切無い
- ペースを上げて学習すれば、早期卒業も可能
- タブレットが無料配布
- 入学金が無料だった(キャンペーン期間中のため)
- 授業料が安い
通信制の大学はいくつもありますが、IT 系で海外からも受講が可能、かつ、スクーリングが無いのはサイバー大学だけでした。その他にも、授業料が手頃で、入学金も不要、タブレットも無料貸与など、かなり良い条件がそろっていました。
また、早期卒業ができる点も良かったです。
私の場合、高専の単位が認められ、3年次入学ができました。通常だと卒業まで2年かかりますが、早期卒業制度を利用すれば、1年半で卒業できるという制度です。これがやる気につながりました。その分、勉強時間が増えて大変ですが、一日も早く学士号を取りたいという希望に叶っていました。
カナダに移住する可能性があったので、海外からも受講可能な点も決め手でした。実際に、75% は国内で受講し、残り25%はカナダに移住後に消化して、無事に卒業しました。
通信制大学は卒業が難しい?夫に聞いてみた。
夫はサイバー大学を1.5年で早期卒業しました。しかも、卒業時には「成績優秀者」として表彰され、本人もビックリ。通信制大学は継続が難しいというイメージがありましたが、実際のところどうなのでしょう?
卒業は難しかった?
そんなに難しいとは感じませんでした。
社会人になってからの大学入学であれば、科目に関連する知識がある方が多いと思います。例えば、サイバー大学の場合、IT系の仕事をしていたり、ITの知識があれば、簡単に感じると思います。私自身、IT業界の経験が15年あったので、内容はほぼ知っているものばかり。難しいと感じたのは数学の授業のみでした。
ただ、科目の範囲は広め。ネットワーク、Web系からプログラミングまで。自分の専門分野外は少し苦労しました。
必須科目は受講せざるを得ませんが、選択科目は「単位数」と「難しさ」を考慮して選ぶことができます。単純に卒業目標であれば、簡単な科目、自分の得意科目を取れば、楽になると思います。
あと、サイバー大学には、資格試験での単位認定制度もあります。この制度のおかげで、受講科目を減らすことができ、ずいぶん楽になりました。
例えば、必須科目になっている英語も、TOEICやIELTSなどの資格試験で高得点を取っていれば、単位認定(=科目受講が免除)されます。私はTOEICで825点を取得したので、必須の英語6科目が全て免除になりました。英語以外にも、ネットワークスペシャリストなどのIT系の資格でも単位認定があります。
私自身、夫が仕事に追われつつも、IELTSの勉強、そしてこのサイバー大学の授業や試験をこなしていた姿を、日々、傍から見ていたわけですが、夫が苦労して、もがいているような印象は受けませんでした。本人も言っていますが、授業の内容的には、仕事の延長で受講しているという感じだったようです。
テストや課題は簡単?
課題は、科目によっては時間がかかりましたが、授業内容を理解していれば、こなせるものばかりでした。テストも、普通に科目の勉強をしていれば、難しくはありません。
しかも、テスト受講中は、授業で使った資料などを全て見ることができます。全体的な内容さえ理解しておけば、細かい部分や、分からない部分などは資料をチェックしながら解答できるので、これはかなり助かりました。
小テストは試験前だけの顔認証でしたが、期末テストなどは、テスト受講中は常にカメラの顔認証したまま受けるので、一人で部屋にこもって受ける必要がありました。
顔認証中に、他の人がカメラに写ってしまったら、即アウト!そのため、夫がテストを受ける際は、私と子供は必ず外に出かけるようにしていました。
1週間あたりの平均勉強時間は?
一週間の勉強時間は、8~10時間くらい。
平日は片道1.5時間の通勤時間を活用していました。時々、平日にこなせなかった分を、休日に消化することもありました。期末テスト期間中は、過去の資料を見直したり、多少勉強時間が増えました。
勉強時間が長めですが、これは通常2年のところを、1.5年で早期卒業するために、科目を多く取っていたからです。早期卒業を目指さなければ、勉強時間はもっと減らせると思います。
サイバー大学はタブレットやスマホでも学習できるので、電車の中や、空き時間などに、気軽に学習しやすかったので助かりました。
夫はキャンペーンで無料配布されたタブレットを使い、通勤時間だけで勉強していたようです。家でも大学の勉強をしていたのは、試験期間中くらい。試験期間以外は、休日は家族の時間をしっかり取ってくれたので、助かりました。
サイバー大学の授業料
サイバー大学での学位取得には、最低124単位が必要です。授業料は、1単位21,000円と非常にシンプル、かつ、お手頃。実際の授業料を計算してみると───
高専卒の夫の場合。学費総額は約99万円
夫が実際に支払った学費総額は、ずばり、98万7千円でした。これは国立大学への3年次編入よりも安いくらい。100万円弱で大卒扱いになり、今後の就職活動や役職においても優位になると思えば、安い投資だと思えます。
内訳を詳しく紹介します。
授業料=903,000円
夫は最終的に126単位取得して卒業しましたが、単位認定や免除があったため、実際に支払った単位数は43単位分で、90万3千円分でした。
単位数 | |
---|---|
卒業までに取得した単位 | 126 |
高専で認定された単位 | -68 |
英語科目の免除(Toeicスコア) | -12 |
成績優秀者向け授業料免除(2021年現在、この制度はありません) | -3 |
支払った単位数 | 43 |
43単位 x 21,000円=903,000円
高専の認定単位
夫は高等専門学校の電気工学科を卒業していましたが、高専で取得した68単位が認められました。
英語科目の免除
英語科目は全12単位必要ですが、TOEICなどの資格試験のスコアに応じて免除になります。TOEIC780、TOEFL85、IELTS7、英検1級のいずれかを2年以内に取得していれば、12科目全て免除です。
夫はサイバー大学入学後に、TOEICスコア825が出たので、その時点で免除申請を行い、英語科目が全て免除になりました。外国語12単位分なので、約25万円が免除されたことに。これはかなり大きいですよね。
授業料以外の費用=84,000円
授業料以外には、学籍管理料(12,000円)、システム利用料(16,000円)が、学期ごとに(年2回)かかります。早期卒業すれば、その分節約できます。
夫は1.5年で卒業したので、それぞれ3回分支払いました。合計84,000円。
ちなみに、夫が取得した科目では、参考書や教科書などの教材購入は一切ありませんでした。つまり、学費総額は、単位数分と、管理料&システム利用料のみ。
入学金は無料
入学金は本来10万円です。でも、早期申し込みキャンペーンで入学金10万円が無料になりました。通常の大学だと、入学金が無料なんてありえないので、とても助かりました。
現在も、申込期間によっては入学金無料となるようなので、期日をチェックしてみてください。
サイバー大学の学位は本当に通用する?
この記事を読んで下さった方から、「サイバー大学の学位は、本当に学士号として通用するの?」と、よく質問を受けます。特に、海外を考えた際に、ビザや就職活動に「Bachelor Degree」として通用するのか、気になる方が多いようです。
答えは、もちろん「YES」。
「Bachelor Degree」として全世界で通用する
サイバー大学の学位は、日本はもちろん、全世界で、「学士号」「Bachelor Degree」として通用します。
夫のレジュメの学歴欄には「Bachelor of Science in Information Technology」として記載しています。このおかげで、カナダでの就職活動もスムーズになり、希望の会社でやりたい仕事をしています。
もしこれが、高専の準学士(電気工学科)のままだったら?
募集職の最低ラインであるBachelorも持ち合わせておらず、学位も仕事に直結しなかったわけで、今の仕事も書類選考で落ちていたことでしょう。
海外では大学名は関係なし
「サイバー大学」という名前を気にする方もいるかもしれません。
でも、海外に限って言えば、そもそも、日本の大学なんて、どこも無名と同じ。東大ですら、そのレベルを知っている人は少ないです。そんな中で、サイバー大学という名前を理由に、レジュメで書類選考を落とされるはずがないのです。
しかも、移民が多い海外では、世界各国の大学出身者が応募するので、世界的にも著名な大学や、地元の大学でない限り、採用側も大学名を気にしていません。
むしろ、海外の就職活動では、大学名よりも、「どの分野で、どんな学位を持っているか」が重要視されます。応募職に直結、もしくは、関連した学位を持っていることが大前提だからです。日本のように、文系出身なのに、ITの仕事に就くというのは、まずありえません。
IT系やビジネス系で海外就職、外資系就職を目指すのであれば、大学名にとらわれることなく、ぜひ思いっきりチャレンジしてみてくださいね。
これから通信制大学に入学を考えている方へ
私は入学を考えていた時に、入学相談会に参加しました。
高専の単位はどれくらい認められそうか、どうすれば早期卒業できるか、どれくらい費用がかかりそうかなど、疑問や不安が解消され、入学を具体的に考えられるようになりました。近くであれば相談会に行くか、オンライン相談会には、ぜひ参加してみることをおすすめします。
私は永住権申請の際に、学歴の壁にぶちあたり、とても悔しい思いをして、大卒を目指すことにしました。現在はカナダに永住し、IT企業に就職していますが、就職活動はもちろん、仕事でのプロモーションも、「学位」がなかったら絶対無理だったと思います。あの時、大学に入学を決意したことは、私の人生にとって最良の選択肢だったと思います。
何か質問などあれば、ブログ宛てにお気軽にメッセージください。私と同じように、学歴の面で悔しい思いをする方の役に立てたら幸いです。
皆さまも、いい大学が見つかり、目標が達成できるのを祈っています!