日本とカナダの妊娠出産事情|両者を経験した私が感じた9つの大きな違い

更新 | 2018-07-17公開
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日本で第一子を出産、カナダで第二子を出産した私。

両者の妊娠・出産経験は天と地くらいの差がありました。本当ーーに、まるっきり違います。制度的なものだけでなく、カルチャーも全然違う!

今回は、日本とカナダの妊娠出産に関わる医療事情の違いをご紹介したいと思います。

初期の妊婦検診

日本では妊娠が判明した5週目、6週目の頃から妊娠3か月頃までは、1~2週間に1回の検診がありますよね。初期は流産しやすい時期でもあるので、毎週のように検診に通い、赤ちゃんの心拍を確認したり、妊婦の血液検査を行ったりします。

でも、カナダでは11~13週頃(妊娠4か月前後)まで妊婦検診がありません!

妊娠確認のために、一度ファミリードクターやウォークインクリニックにいって検査はしてくれますが、その後、実際に妊婦検診が始まるのは妊娠11週を過ぎた頃から。約1か月半くらいは何の検査もないまま、ただただ待つのみ!(州によって、また、既往歴にもよって多少の違いはあるかもしれません)

日本人の感覚からすると、妊娠が判明して不安も多い時期なのに、検診が無いなんてとても不安ですよね。流産だって怖いです。

でも、妊娠初期の流産は防ぎようがないものが多く、妊婦検診をしてもあまり意味がないんだそう。そのため、無駄を省いたカナダの医療制度の元では、妊娠初期の検診がないのです。

ただ、つわりが酷い場合は、ファミリードクターなどでつわり止めを処方してもらえますし、体調に不安がある場合はもちろん、通常通り診察してもらえます。何か不安がある場合は、妊婦検診を待たずに、すぐさまドクターに相談した方が良いと思います。

妊婦検診の検査項目

妊娠4か月頃にようやく始まるカナダの妊婦検診。検診の回数は週数に応じて4週に1度、2週に1度、臨月ともなると週1回の検診に代わります。この辺りは日本と同じですね。

でも、妊婦健診の内容自体はかなり簡素!

カナダでは、問診に加え、尿検査・体重・血圧・アナログな機械での心音確認・触診によるサイズ計測くらい。内診や超音波検査(カナダではウルトラサウンドと呼ばれます)もありません。

超音波検査は1~2回

超音波検査は、妊婦の年齢や既往歴などによっても異なりますが、基本的には妊娠期間中、1~2回のみ1度目が妊娠4か月の頃、2度目は妊娠6か月の頃です。

赤ちゃんに会える、そして、赤ちゃんの性別が分かる貴重な機会が、たった1,2回という衝撃と言ったら・・。赤ちゃんのサイズ計測も、超音波検査による正確なものでなく、お腹の上から触診によるサイズ計測なので、かなりアバウトに思えてしょうがないです。

回数が限られている理由を先生に聞いてみましたが、毎回検査しなくても赤ちゃんは元気に育つし、頻繁な超音波検査は赤ちゃんに多少なりとも悪影響を及ぼしてしまうから、だそうです。でも、それ以外にも、コスト上の問題も大きいのでは、とも思います。

内診は一回も無い!?

また、内診に関しては、異常がない限り行われず、出産間近の頃に、卵膜剥離の内診(内診というか、グリグリとやるやつ)があるくらい。

日本だと妊娠初期の頃に何度も乗らされる、あの検診台の検査。あれが無いというのは、気持ちが本当に楽でした。

でも、それと同時に、『異常が見過ごされてしまうのでは?』という不安があるのも確か。

しかも、内診や超音波検査は別の施設に行かなくてはならず、気になる症状があっても、すぐに診察してもらうこともできません。あくまで予約をした上での後日検査なので、数週間後になることも。

・・・というわけで、検査に関して個人的に思うのは、問診や触診程度では何らかの兆候があっても見過ごされるような気もしますし、カナダの妊婦検診では、自分自身で体調や赤ちゃんの状態をしっかり把握し、不安な点は積極的に先生に伝えていく必要があると感じました。

超音波検査で、赤ちゃんの性別が分からなかったら?!

たった1~2回しかない超音波検査です。この時に性別が分からない可能性も高く、カナダでは性別が分からないまま出産に突入する人も多いです。私もその一人(笑)

超音波検査で性別が分からなかった場合、プライベートクリニックで超音波検査(200ドル前後)を受けるか、有料のダウン症遺伝子検査(300ドル前後)を受けることで、性別を判明させることが出来ます。

プライベートクリニックの場合、性別を確定判断してくれるだけでなく、3D超音波で赤ちゃんの立体的な映像を見せてもらえたり、写真ももらえたり、まさにサービスとしての超音波検査です。コースによって$100~$300ほど。せっかくの記念に、一度くらい受けてみるのも良いかもしれません。

超音波検査の目的

日本では、検診の度にもらえるエコー写真。

第一子の時は、エコー写真で成長記録アルバムを作ったものですが、カナダでは写真は基本的にもらえません。(優しい先生の場合はこっそりもらえたり、病院によっては有料で購入できるケースもあります)

また、日本の産院の場合、

ここがお顔だねぇ。あ、今、手を動かしたねぇ。たれ目で可愛いねぇ。

なんて、赤ちゃんの可愛い姿を見せてくれたり、4Dエコーで赤ちゃんの様子を動画にしてもらえたりと、妊娠中から赤ちゃんへの愛情を育む機会でもあるのですが、カナダでは赤ちゃんに異常がないかを丹念に時間をかけて調べる、まさに「検査」という感じ。

みっちり検査するだけあって、私の場合は、超音波に要した時間は約1時間!でも、しっかり見てくれただけに、安心できました。

検診・出産費用

お金の面も大きな差ですよね。

日本で第一子を出産した際には、

  • 妊婦検診1回1万円~1万5千円(検査項目による)x16回くらい
  • 分娩費35万円
  • 入院8日間24万円
  • 新生児管理料7万円

 

ざっと大きな出費がこれくらい。しかも、上記以外にも、予防接種だの、薬だの、何かと費用がかさみます。ヘタレな私の場合、無痛分娩も希望したため、無痛処置の費用に10万円ほどかかり、結局、全費用を合計すると100万円近くに!

自治体からの検診補助回数券や、会社の健保からの出産祝い金も55万円ほどあったので助かりましたが、それでも30万円以上は飛んでいった・・。

その点、カナダの場合、州の健康保険に加入できれば、全て無料!無痛の処置も無料!

自費になるのは、薬が処方された時の薬代、出産で入院する際に、個室や二人部屋などを選んだ場合の差額ベッド代くらいです。入院時の食事すら無料なので驚きです。

と言っても、入院時の食事は、もちろん、日本のように豪華なお祝いご膳なんかじゃありませんし、入院中に何かともらえる記念品もありません。

私が入院した病院では、メニュー表の中から自分で選んだものをデリバリーしてもらう形式でしたが、パスタやラザニア、サンドイッチなどなど、いたって簡素。でも、無料なので、なんの不満もありません!ただただ、ありがたやーと手をすり合わせたくなるばかり。

州の健康保険に加入できない場合は超高額?!

州の健康保険に加入できない場合、費用は全額自己負担となり、検診や出産費用は、日本以上に高くなるようです。検診費用は一度に100~300ドル、自然分娩の出産&入院で100,00~200,00ドル、帝王切開になるとさらに高額な請求になるようです。

州の健康保険への加入できる方は、基本的には永住権もしくはワークビザ保持者となりますが、州によっては規定期間以上の学生ビザ保持者も対象になります。

ただ、州の健康保険に加入できない方でも、ミッドワイフ(助産師)の元での検診や分娩は無料となる州もあります。

検診や予防接種の管理

日本では妊娠と同時に母子手帳が支給され、先生が毎回の妊婦検診の結果を記入してくれますよね。子供が生まれた後も、検診結果や予防接種歴は先生が記入してくれます。

でも、カナダには母子手帳のような管理体制がありません。

妊娠中の体重や血圧の結果などは、自分でメモしておかないと分からなくなってしまいます。先生が把握してくれているので、自分で把握する必要は、ないっちゃぁ・・・ないのですが、どれくらい体重が増えているかとか、経過は気になりますよね。

また、子供の成長記録や予防接種歴もファミリードクターが管理してくれているものの、引っ越しなどでドクターを変更する場合は、カルテの送付なども必要になってきますし、ある程度の自己管理が求められます。

ただ、最近は政府が公式にリリースしている予防接種管理アプリもあるので、簡単に管理できるようになっています。詳しくは下記記事にて。

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カナダでの予防接種管理に無料アプリ「ImmunizeCA」がおススメ

でも、日本に帰国することを考えると、母子手帳があったほうが安心ですよね。

私は予め日本で英語版の母子手帳を母子健康事業団というところから購入しておいたので、健診の結果を自分で記入して行っています。一時帰国の際や、将来子供が日本に帰国する場合に備えて、それまでの健康状態を伝えるためにも作っておいた方がいいかなと思って作ってみました。

───が。

出産後、つい気持ちが緩んで、記入を怠りまして、、、引き出しの奥ーーーの方に放置されております。せっかく買ったのに(笑)

ちなみに、海外に住む日本人妊婦さんに母子手帳を無償で配布してくれるという情報がカナダの領事館のページにありましたので、ぜひご確認を!

適正な体重増加目安

日本は体重管理が厳しく、適正な妊娠増加の目安は10キロくらいまでとされています。

特に私がかかっていた産院は体重管理が厳しく、前回の検診から500g以上増えようものなら、こっぴどく怒られました。怒られないように、ダイエッター並みにカロリー計算と食事制限をしましたが、それでも増える体重。。。体重管理がストレスだわ、妊婦検診も超憂鬱だわ、妊婦生活がとても辛かった思い出です。

それに比べると、カナダはもうパラダイス!

体重に関しては一切、なんの指摘されません。あまりに何も言われないので、逆に心配になり、先生に「こんなに増えて大丈夫ですか??」と聞いてみたこともありますが、

あなたの体調が良いなら大丈夫!

と、むしろ太鼓判(笑)

実際に、日本とカナダでは同じBMIの標準体型でも、体重増加の目安が異なり、日本が7~12kgに対し、カナダは11.5~16kgとされています。16キロもOKってすごいですよね。

体重だけに限らず、カナダでは、『適性範囲』とされる数値はあくまで机上の目安でしかなく、目の前の患者さんの状態を見て判断してくれているような気がします。一方、日本は予防医学の観点から、決められた『適性範囲』を守ることに注力し過ぎているというか・・。

どちらが正しいかで言えば、日本なのかもしれませんが、妊婦の身としては、カナダの方が断然楽だったのは確かです。

この辺は下記の記事でも詳しく紹介していますので、よかったらこちらもぜひ。

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16キロ増えてもOK?!日本とカナダでは妊娠中の望ましい体重増加の範囲が異なる!

切迫早産の対応

私は第一子と第二子の妊娠中いずれの時も、お腹の張りが強く、切迫早産気味でした。

第一子の時はお腹の張りを訴えると、必ず張り止めが処方され、安静の指示。子宮頸管が2cmを切ったら入院だと聞かされていたので、極力動かないようにしていました。

一方、カナダでの第二子。同じくお腹の張りが酷く、検診の度に毎回訴えましたが

赤ちゃんも生まれてくる練習をしてるのねー!

と、先生はニコニコ笑顔。

子宮頸管わずか1cm(日本だと即入院&トイレ以外絶対安静のレベル)の時でさえ、赤ちゃんが元気だし、出血もないということで、自宅に返されたくらいです。「動きすぎはだめだけど、気楽にね!」といいう軽い指示で、張り止めもなし。

赤ちゃんの命にも関わりかねない症状で、ここまで対処が違うことには驚きましたし、本当に大丈夫なの?!と疑心暗鬼になりました。結局、早産になることはなく、それどころか、予定日を大幅に超過する事態となり、、、無事に出産できたので良かったのですが・・。

国民皆保険制度を取り入れているカナダでは、医療は原則無料。コストや待ち時間の問題で、入院は必要最低限。命に係わる人が優先となっているため、『念のため入院する』という考え方がありません。入院だけでなく、検査や処置など全てが必要最低限です。

日本の医療に慣れていると、これは本当ーーに不安です。先ほどから繰り返しますが、、、カナダの場合は、不安なことがあれば、積極的に訴えて、きちんと検査してもらったほうが良いと思います。

無痛分娩の対応

痛みにめっぽう弱くて、お産が恐怖でしかなかったヘタレな私は、第一子を日本で出産する際に、必死で無痛分娩対応の産院を探しました。でも、本当ーーーに少ない!

幸い、東京での産院探しだったので、地方に比べるとまだ選択肢がありましたが、どこも大人気!妊娠5~6週目の超初期の頃に分娩予約を入れないと、予約が取れないレベルでした。年々、無痛分娩に対応している病院は増えているようですが、それでもまだまだその数は限られています。

しかも、日本の場合、無痛分娩=「計画出産」が基本です。

計画出産とは、予定日よりも早い日程で入院し、促進剤を使って計画的に出産する、というもの。日本だと、無痛処置ができる麻酔科医が常駐している産院が少ないため、どうしても計画出産になってしまうのです。

私も第一子は無痛を希望したため、計画出産となりました。

陣痛の痛みを一切感じることなく、本当に楽な出産ではありましたが、医者と親の都合で、そして、自分の痛みを抑えるという身勝手な理由で、我が子の誕生日を決めてしまった、という罪悪感もありました。『本当だったらこの子の誕生日はあと2週間くらい遅かったのかな』なんて考えたりも。

その点、カナダでは、無痛分娩はごく一般的。

無痛を希望すれば、どの病院でも24時間無痛処置をしてもらえます。赤ちゃんの生まれてくるタイミングで産んであげられるのに、無痛処置をしてもらえるのは本当にありがたいことだと感じます。

でも・・、でも、ですね・・。

カナダで産んだ第二子は、私の強い強い希望とは裏腹に、無痛処置がないままの自然分娩になりました。病院に到着した時には陣痛が進みすぎていて、無痛処置が間に合わないというまさかの事態で(笑)

代わりに笑気ガスを使って痛みを和らげてくれましたが、あんなもんじゃ陣痛の痛みなんて消えやしない!!特に経産婦さんで無痛を希望される方は、病院に行くタイミングにはくれぐれもお気を付けを。

入院日数

日本は5日ほど入院する一方、カナダでは翌日退院が基本です。経産婦さんの場合、また、初産婦さんでも状態によっては、朝方出産したら、その日の夕方には退院する方もいます。まさかの半日退院!

私自身も、第二子は夕方に出産したのですが、翌朝一番に「もういつでも退院して良いわよ」と言われ、カナダの洗礼を受けました(笑)

日本で第一子を産んだ際は、出産当日を含め、至れり尽くせりの7日間の入院期間だっただけに、出産前は、この超ド短期の退院期間が不安でしょうがなかったです。でも、実際に体験してみると、案外、なんとかなるもので。

日本のように産後の肥立ちうんぬんは病院からも全く言われませんし、自分の体が動くなら、動いたほうが良いとのことで、出産から2日後には、料理や洗濯もしていたくらい。

むしろ、家の方が自分自身もくつろげるし、家族にとっても病院との行き来の負担がないので、家族みんなが楽だったように思います。初産婦と経産婦の経験の違いはありますが、私自身はカナダの半日~1日退院も案外悪くないなと思います。

でも、出産翌日に自分の体が回復しておらず、新生児のお世話も大変だという場合は、先生に相談すれば入院期間を延長してくれることもあります。不安な場合は、積極的に相談してみてくださいね。

入院中の指導にも違いが

また、日本では長い入院期間に、沐浴指導、母乳指導、粉ミルクの説明会、入院中の他の母子との交流会など、色々なプログラムが組み込まれていましたが、カナダは1日退院なので、そういった指導がほとんどありません。

特に、私の出産した病院では、私が経産婦だったからか、沐浴指導が無く、困ってしまいました。久しぶりの新生児をどうやってお風呂に入れるのか、YouTubeを見ながら四苦八苦した思い出が・・(笑)

ただ、カナダの場合、退院して数日後に看護師さんなどが自宅に訪問してくれ、母子の状態を見てくれたり、母乳指導などをしてくれるので、不安な点はその時に解消できると思います。

日本とカナダ、どっちが良いの?

日本とカナダ、妊娠出産事情の大きな違いはこれくらいでしょうか。本当に、両者での経験は同じ妊娠・出産とは思えないくらい全く異なるもので、驚きの連続でした!

でも、一体どちらが良いのでしょう!?

日本もカナダもそれぞれメリット・デメリットがありますが、もし私自身、第三子を産むとしたら、カナダでの出産を選ぶと思います。

一つ目の理由は、妊娠中のストレスが全くないから。

体重管理が緩いだけでなく、何事もおおらかな対応なので、余計な負担や心配がありません。カナダの方が精神的に安定し、幸せな妊娠生活を送れるように思います。

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また、医療体制とは異なりますが、カナダ社会が妊婦にとても優しいので、日常生活にもストレスがないのも嬉しいです。

2つ目の理由は、無痛分娩の対応です。

計画出産ではなく、自然な陣痛のタイミングで、無痛処置してもらえるのは、日本ではなかなかありませんし、しかも無料。このメリットはとても大きいと思います。

もちろん、感じ方は人それぞれ。もしかしたら、一般的には日本が良いと思う人の方が多いのかも?!

カナダでの妊娠出産に疑問や不安を感じている方や、日本とカナダどちらで出産しようか悩んでいる方がいらしたら、今回の記事が参考になれば嬉しいです。

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