カナダの子供手当「CCB」解説!支給対象者、支給額、申請方法などは?

更新 | 2016-06-08公開

2016年7月から始まったカナダの子ども手当「CCB」。

今回の記事では、カナダの子供手当「CCB」ついて、支給額や支給基準、対象者などを詳しくご紹介したいと思います。オススメの試算サイトも紹介しているので、ぜひぜひご自身の支給額がいくらになるのか、ご確認くださいね。

新しいCCBとは?

CCBとは、Canada Child Benefitの略で、2016年7月から支給開始されている新子供手当です。これまでカナダ政府支給の子供手当には、CCTBとUCCBの二つが存在していて、複雑になっていましたが、現在はこれらを一本化し、CCBとして支給されています。

CCBの大きな特徴は下記の二つ。

収入に応じて支給額が変わります。収入制限もあります。

これまでCCTBは収入に応じた支給額となっていましたが、UCCBは収入制限もなく、一律で6歳未満の子どもは160ドル/月、6~17歳の子供に60ドル/月が支給されていました。

しかし、新CCBでは収入によっては、支給額はゼロ

といっても、収入制限はだいたい世帯年収200,000ドル程度、日本円にして約1700万円。かなりの高収入世帯が対象となっています。(収入制限は子供の年齢や人数によっても異なってきます)

世帯年収150,000ドル以下の世帯にとっては、支給額が増加するような基準が取られています。これについては、政府も「多くの世帯において、年間支給額は平均2~300ドル程度、増加する」と試算しています。

支給額は非課税対象になります。

もう一つの大きな特徴が、非課税対象となること。

これまでCCTBは非課税でしたが、UCCBは課税対象となっており、収入や家族構成によっては課税額が大きくなり、結局タックスリターンした際には、UCCB支給額の3~5割が税金として取られてしまうという方も多かったと思います。

しかし、今後は支給額は全て非課税となるなので、支給額はそのまま家計の収入として入るわけです。これも大きな違い、且つ、ありがたい違いですよね。

CCBの支給額

さて、気になるCCBの支給額ですが、上記でもお伝えした通り、子供の人数や年齢、そして世帯収入によって変わります。

2016年から2018年6月までの子供一人当たりのCCBの最高支給額は下記の通り。世帯収入が$30,000以下の場合、この最高額が支給されます。

  • 6歳未満:$533/月($6,400/年)
  • 6~17歳:$450/月($5,400/年)

世帯収入が上がるにつれ、上記から減額されていき、収入によっては支給額はゼロとなります。

支給額はどれくらい?

では、実際にどれくらいの支給額となるのか?Money Senseが用意している試算ページで、様々な世帯状況に応じて紹介されています。新旧子供手当の支給額の差も分かり、とても興味深い内容ですので、いくつかのパターンをご紹介したいと思います。

一人親、世帯年収10,000ドル、6歳未満の子供が2人
  • 旧:$930/月
  • 新:$1,066/月 ←年間$1,630、月額$135の増額!

 

共働き、世帯年収70,000ドル、13歳の子供1人
  • 旧:$142/月
  • 新:$232/月 ←年間$1,074、月額$90の増額!

 

共働き、世帯年収80,000ドル、6歳未満の子供2人
  • 旧:$452/月
  • 新:$601/月 ←年間$1,789、月額$149の増額!

 

共働き、世帯年収120,000ドル、6歳未満の子供2人
  • 旧:$320/月
  • 新:$411/月 ←年間$1,100、月額$91の増額!

高所得とも言えるこの世帯年収であっても、増額が見込まれます。

 

専業主婦世帯、世帯収入$300,000、6~17歳の子供2人
  • 旧:$120/月
  • 新:$0/年 ←年間$1,440、月額$120の減額!

ここまでの高所得世帯ともなると、子供が2人いても支給額はゼロです。

 

以上のように、多くのパターンで支給額のアップが見込まれます。

しかも、単純に支給額が多くなるだけでなく、これまではUCCB支給額が課税対象であったのに対し、CCBでは支給額全てが非課税となることから、実際に手元に残る金額で言うと、より大きな増額になると言えます。

自分の支給額が試算する方法

政府公式のサイトにてCCB支給額の計算ができるページが用意されています。

Child and family benefits calculator

ただ、上記ページは条件入力がややこしいので、気軽に計算したい場合はMoney Senseのページがおすすめ。下記のように、とても簡単に、概算額が分かりますよ。

caculator

CCB支給対象者

CCBの支給対象者や申請方法、これまでのCCTB/UCCBとほぼ同じです。CCBの支給対象かどうかは、これまでのCCTBの条件と同様に、下記全てが当てはまれば受給対象となります。

  • 子供が18歳未満であること
  • 子供と同居してること
  • 子供の扶養者であること
  • カナダに居住していること
  • 申請者もしくは配偶者/コモンローパートナーが、市民権もしくは永住権を保持、もしくは18ヶ月以上滞在しており19ヶ月以降も滞在許可があること

詳細はカナダ政府のページにてご確認ください。

CCBの申請タイミング

お子さんが産まれたり、カナダに永住ビザで居住開始し始めた、学生ビザ等で19か月目に突入した、など、新たに支給対象となった方は、支給対象となった時点ですぐに申請します。

  • 子供が産まれたら
  • 子供と居住開始したら
  • 支給対象者となったら

支給対象となった時点から11か月以上遅れると、申請書類がややこしくなったり、最悪もらえないこともあるようなので、早め早めの申請をおすすめします。

CCBの申請方法

申請方法については、2017年11月現在はABA、RC66フォーム、CRAのMyAccountからの申請となっています。ここではABAとRC66での申請についてご紹介です。

Automated Benefits Application (ABA)で申請

ABAは新たに子供が生まれた方向けの申請方法です。

住んでいる州がABAを導入している場合、新生児が産まれたら、出生申請書とVital Statistics Officeへの個人情報公開許可書に記載し、SIN番号を記載するだけで、CCTBとUCCBだけでなく、その他の給付金申請が一度に簡単にできます。

私が住んでいるノバスコシア州もこのABAを導入しているのですが、第二子を出産した際には、病院内のパソコンから出生申請書と同時に申請ができました。

RC66フォームで申請

ABAを導入している州であっても、出生時以外のタイミングで申請する際は、「RC66フォーム」で申請します。我が家もこのフォームを利用しました。

RC66フォームでの申請方法

下記フォームに必要事項を記載し、必要な添付書類と共に、指定された管轄オフィスに郵送します。

申請フォーム:

フォーム記載時の注意点ですが、夫婦の場合は母親が申請者となります。Applicant欄には母親を、Spouse欄には父親を記載します。

また、収入は過去3年分を記載しますが、World Incomeで計算されるので、日本にいた時の収入も対象になります。また、Direct Depositの項目で指定した銀行口座に月々の支給額が振り込まれます。

添付書類:

  • 子どものパスポートコピー
  • 永住権ビザもしくは市民権のコピー(我が家は”Confirmation of Permanent Residence”のコピーで対応)

我が家の場合は上記のみで受領されました。添付書類は上記どちらか一方でも良かったみたいですが、念のため両方提出しました。ただ、ビザのステータス等によっても必要な添付書類、申請後に要求される書類があるかもしれません。

書類送付先:

用意した申請書と添付書類を住んでいる地域の管轄オフィスに郵送します。

★2017年11月現在は下記の通りですが、RC66申請フォーム内にも送付先が記載されていますので、最新版の情報にて確認ください。

申請して受給開始するまでの期間ですが、我が家が申請した2015年当時は、1月初旬に申請して、2月末に支給決定のお知らせが届き、銀行にも入金されていましたので、約2か月かかったことに。そして、支給額はカナダ居住開始翌月の12月分まで遡って支給されました。

もし申請から受給決定されるまで時間を要したとしても、支給対象となる月まで遡って支給されるため、受給決定が遅くなってもあまり心配しなくても大丈夫だと思います。

 

まとめ

以上、カナダの新子供手当「CCB」について、情報をまとめました。

CCBには収入制限が設けられてはいますが、日本の児童手当と違って、収入制限は200,000ドルと、かなり高めに設定されており、政府援助が不要なくらいの高収入世帯のみが不支給対象です。子育て世帯には非常にありがたい給付金制度ですよね。支給対象となられた方は、すぐに申請してくださいね!

 

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