カナダの自動車保険料事情|州別平均価格や新移民・留学生の相場は?

更新 | 2018-08-10公開

「カナダで車を買いたい!でも、保険料って一体どれくらいするの??」

車の購入を検討する前に、毎月の維持費がいくらかかるのか気になりますよね。

「平均でこれくらい!」と簡単にお伝えしたいところなのですが、実は、カナダでは同じような運転歴でも、州ごとに保険料が異なります

そこで今回は、

  • カナダの州別平均保険料
  • 保険料の高い州
  • 移民・留学生の保険料の相場

 

この3つを中心にご紹介したいと思います。

特にカナダに移住・留学している日本人が保険を申し込む場合、保険料は高くなりがち。一体どれくらい高くなるのか試算してみたので、これから車の購入を検討している方はぜひ確認してみてくださいね。

自動車保険は運営州政府が運営

保険料の前に、カナダの自動車保険の運営方法について簡単にご説明です。

カナダでは自動車保険の加入は義務付けられています。ただ、州によっては、日本と同じように複数の民間保険会社から選択して加入できる州もあれば、州政府が運営する保険公社に強制加入となる州もあります。

民間か、州の保険公社か、州による違いは下記の通りです。

民間の保険会社から選べる アルバータ、オンタリオ、ケベック、ニューブランズウィック、ノバスコシア、プリンスエドワードアイランド、ニューファンドランドラブラドール
州政府の保険公社に強制加入 ブリティッシュコロンビア、サスカチュワン、マニトバ

 

州の保険に強制加入となると、複数の保険会社を比較検討したり、『別の保険会社のほうが安かったかも・・』なんて後悔したりする必要がないので、シンプル且つ楽ですよね。

ただ、価格競争が起こらないことから、民間運営の州に比べると、同じ運転歴でも保険料は高くなる傾向があるようです。

カナダの州別平均保険料

では、お次は気になる州別の平均保険料を見ていきます。

※上記保険料には、各州で定められている強制保険に加え、多くの人がオプションで入る任意保険(例えば、損害賠償保険の上限を200万ドルまで引き上げる、など)も含まれているようです。

上記は2017年の年間平均保険料を州別に表したものですが、比較以前に、、、、

とにかく高い!

これは10代や20代の保険料が高い年代の平均ではなく、全体の平均でこれだから驚きます。州によっては、日本の4~6倍は高いのではないでしょうか?

また、州別に見ると、これまた大きな差があることがお分かりいただけると思います。

ケベック州とブリティッシュコロンビア州では約3倍もの開きがあります。同じ車、同じ運転歴でも、住んでいる住所が違うだけで、ここまでの差があるなんて驚きですよね。

保険料が最も高いBC州

BC州の保険料は、2011年の段階で年間1113ドルと、カナダ平均を上回ってはいましたが、そこまで高額な州ではありませんでした。

しかし、この6年間は高騰が続いており、特に2017年は前年から年間平均130ドルも値上がり。とうとうカナダ全土で最も保険料が高い州となりました。

でも、なぜBC州の保険料はこんなに高いのか?

BC州の自動車保険は、ICBCと呼ばれる州政府運営の保険公社によって提供されています。言わば、ICBCの独占市場となっており、価格競争が起こらないことが、保険料が高くなっている大きな要因の一つです。

カナダ保険協会によると、もしBC州がICBCの独占市場でなくなったとしたら、保険料は1人当たり年間325ドルも下げられるそうですよ!(→参照:“BC Auto Insurance” by IBC)

また、その他にも、交通事故急増による保険申請数の増加、虚偽の保険請求の増加に加え、前政権の政策不足による財政難も原因だとされています。

ただ、2018年8月には、州政府がICBCの大改革を行うと発表しました。

具体的には、事故率に応じた割引・割増幅の引き上げや、走行距離や緊急自動ブレーキシステムの導入に応じた割引などが導入されるそうで、この改革により、7割近くの運転者は保険料が安くなる一方、残りの3割は値下げが見込まれています。

BC州の方は、今後の保険料の動向が気になりますね!

保険料が低下しているオンタリオ州

一方、長年、カナダで最も保険料が高かったオンタリオ州ですが、州政府が保険料の下落を公約にかかげたことで、ここ5年ほどは保険料が徐々に下落しています。ドライバーにとっては、とても喜ばしいことですよね。

ただ、オンタリオ州内でも、住むエリアによって保険料は大きく異なります。

出典:https://www.kanetix.ca/insuramap

保険見積もりサイトKanetixによると、オンタリオ州内の保険料が高い都市トップ5は下記の通り。

  1. Brampton ($2,268)
  2. Vaughan ($1,825)
  3. Mississauga ($1,788)
  4. Markham ($1,785)
  5. Toronto ($1,743)

※保険料は事故歴無し・35歳男性・2014年製Hondaシビックで試算

 

オンタリオ州では、トロント市近郊で人口密度の高い都市ほど保険料が高くなる傾向があります。

最も高いブランプトンでは、なんと年間2300ドル!事故歴が無い30代でこの値段なので驚きです。10代・20代の人や、事故歴のある人の場合、保険料は5000ドル超えも当たり前だそうですよ!下手したら、中古車購入価格と同じくらい高いですよね。。。

移民や留学生の保険料はさらに上昇?!

日本に比べると、カナダの自動車保険料はかなり高いことがお分かりいただけたかと思いますが、我々日本人がカナダに留学や移民して、自動車保険に申し込む場合、保険料はさらに高くなります。

というのも、カナダで自動車保険に申し込む場合、北米での運転歴が重視されるから。

カナダの自動車運転免許の所有年数や、自動車保険歴などが確認項目にあるので、初めてカナダで運転する年は、初心者と同様に、どうしても高くなりのです。

例えば、30歳既婚男性がトロントに移住して自動車保険に申し込んだ場合、下記の条件で保険料を試算してみると───

  • Toronto North York在住・30歳既婚男性
  • 日本での運転歴10年
  • 北米での運転歴無し
  • オンタリオ州運転免許取得したばかり
  • 2012年製Honda Civic 
  • 損害賠償責任保険$200,000
  • その他任意保険加入なし

 

なんと、保険料は一番安い会社でも年間3475ドル

保険会社によっては、9000ドル近い見積もりを出してくるところもありました。本当に卒倒しそうな価格です。。。ちなみに、同じ条件でカナダの運転歴が10年があった場合は、1746ドルにまで下がりました。運転歴の長さが重要なのがよく分かりますよね。

でもご安心を。移民や留学生でも、保険料を多少は抑えることが可能です。

それは、日本の無事故証明を提出すること。これにより、ディスカウント適用してくれる保険会社もあります。また、新移民向けの割引を行っている会社もあります。

このような割引はオンラインでは確認できないので、電話で確認してみることをお勧めします。

我が家の移住一年目の保険料

我が家の移住1年目の自動車保険料は約1800ドルでした。

当初の見積もりは3000ドル近くしたのですが、日本の保険会社が発行してくれた10年間分の無事故証明を提出することで、ここまで値下げしてくれました。

それでも、当時住んでいたノバスコシア州の平均保険料が約800ドルだったことを考えると、軽く2倍以上です。カナダの運転歴が積み重なるまでは、辛抱あるのみ、ですね。

ちなみに、移住4年目となった現在の保険料はというと───

1850ドル・・・。

カナダでの無事故の運転歴は長くなったものの、保険料が高いオンタリオ州に引っ越したため、むしろ値上がりしました(泣)

我が家は夫婦共にカナダの運転歴ゼロからのスタートでしたが、配偶者が既にカナダの運転歴・保険歴があり、家族として追加加入する場合は、保険料はもっと安くなるのでは、と思います。

まとめ

以上、カナダの自動車保険料についてご紹介しました。

ここまでの内容をまとめると───

  • BC、マニトバ、サスカチュワン州では、州立保険に強制加入
  • 上記以外の州では複数の民間会社を比較して加入
  • 保険料が1000ドル以下の州:ケベック、プリンスエドワードアイランド、ニューブランズウィック、ノバスコシア
  • 保険料が1000ドル以上の州:BC、オンタリオ、アルバータ、ニューファンドランドラブラドール、マニトバ
  • 北米での運転歴が無い移民や留学生は保険料が高くなる

 

日本人にとっては、非常に高いと感じるカナダの保険料です。安全運転を心掛けて、カナダでの無事故の運転歴を積み重ねていくしかないですね。

 カナダ生活なら下記もおすすめ 
IELTS受験者必見!