前回の記事で少し触れたドアツーポート。
ドアツーポート(Door to Port)とは、日本の自宅等から発送して、海外の空港・港もしくは倉庫で受け取る方法です。
荷物を格安で送れる上に、我が家の経験上、案外シンプルで手続きも簡単だったので、これから移住する方にもぜひ輸送手段の一つとしておすすめできればと思うので、今回はこのドアツーポートのメリットとデメリット、そして手続きの流れについて説明したいと思います。
この記事の目次
海外引越し「ドアツーポート」のメリット
まずはドアツーポートのメリットから、列挙したいと思います。
低価格
一番の大きなメリットはやっぱりその格安な費用です。
我が家は中サイズの段ボールが16箱分位と、電子ピアノを送りましたが、保険料込で日本からカナダ東海岸にあるノバスコシアまで、約12万円!電子ピアノの送料を含んだ価格で考えると、かなり破格です。
値段が安いといわれている郵便局の船便の国際小包を使っても、ダンボール16箱分だけでも17万(同時差出割引適用後)円です。しかも、郵便局だと、電子ピアノは規定外サイズで送付すらできませんし・・。
ちなみに、カナダの真ん中に位置するトロントまでの見積もりだと、さらに安くて約7万円でした。本当に破格!!価格は距離に比例するため、バンクーバーのような西海岸になると、もっと安いのではないかと思います。
また、日本の大手業者のドアツードアの海外引越し便にも見積もりをお願いしてみましたが、同じ内容で50万以上と、あまりの差に歴然としました。
なお、ドアツーポートの費用ですが、12万円の他に、現地でのHandling Fee等$170程かかりました。それでもまだ安いですね。
同じドアツーポートを提供している業者は何社かありますが、見積もりは複数社からお願いしたほうがよいです。我が家は3社にお願いしましたが、同じようなサービスでも、あるところでは2倍の見積額でした。電子ピアノがあったせいで、各社見積額の幅が大きかったのかも。
住所未定でも送付できる
海外移住となると、渡航後に家探しをしないといけないパターンもあると思います。住所が決まってないと、荷物の送付方法も困ってしまうところです。
大手引越し業者だと、自宅が決まるまで倉庫預かりもしてくれるけど、その分費用も高かったり。もしくは、日本にいる家族などにお願いして、住所が決まってから送付してもらうことも出来るけど、住所が決まるまで発送がストップしてしまい、到着が遅くなります。さらには家族の手を煩わせるし、発送できるまで荷物の場所も取るし・・。
その点、ドアツーポートだと自宅住所が決まってなくても、本人に連絡可能なカナダ国内の住所・電話番号とメールアドレスがあれば送付が可能です。我が家はお願いできる友人もいなかったので、永住権申請でお世話になったバンクーバーにいる移民コンサルタントさんの連絡先をお借りました。
ちなみに、我が家が利用した業者さんでは、日本⇒NS州の所要日数は約35日とのことでした。でも、実際のところ、クリスマスホリデーシーズにかかってしまったことや、船便に遅延が発生したため、実際には2か月強かかったけど。。
荷物の重量制限がない
※このメリットは航空便のドアツーポートには適用されません。船便を利用した場合に限ります。
船便を利用した輸送方法だと、重量制限は無いに等しいと言えます。箱の中に金でも敷き詰めない限り、重量制限には引っかからないようです。
渡航時の飛行機手荷物だと重量制限がかなり厳しいご時世だから、重いものはなかなか入れられないけど、これなら思いっっきりつめられます!
ただし、ドアツーポートを取り扱う業者によっては、日本の自宅から港までの配送に重量制限を設けている会社もあるので、確認してみたほうがよいです。
以上、私が感じたメリットです。
海外引越し「ドアツーポート」のデメリット
そしてもちろん、デメリットもあります。
手続きが面倒
荷物の梱包、書類の準備、通関等のカナダ国内の手続きや、現地倉庫との連絡は全て自分でやらなきゃいけません。
ただし!!やってみると、案外シンプルだし、書類の書き方や手順は日本の業者さんから詳しく教えて貰えるし、テンプレートもあるので、さほど困ることはなかったです。
あと、通関手続きに関して言うと、カナダに関しては、荷受人本人が税関に出頭しないといけないため、通常の引越し便配送(ドアツードア)を頼んでも、通関手続きは自分で行う必要があります。なので、特にカナダ宛の海外引越しであれば、ドアツーポートのデメリットは一層弱まるかな、と個人的には思います。
英語のやりとりが発生
現地でのやり取りが自力でとなると、気になるのが英語。しかも、日常生活では全く馴染みのない通関手続きだし、普段使わないような単語が沢山ありそう!
でも、これも思ったよりも大丈夫でした。
不安だった通関の時も、”I would like to receive my cargo.”とか簡単な英語でOKでしたし、必要なことは税関の人が聞いてくれます。3分ほどの簡単な手続きでした。自分自身の引っ越しに伴う荷物であれば、特にうるさく聞かれることはないようです。
あとは、現地海上代理店とのやり取りもあるけど、これも基本、メールベースで出来るし、さほど大変ではないと思います。我が家は荷物が到着予定日を過ぎてもなかなか到着せず、ヤキモキして何度も電話で、まだ?まだ??って聞いてしまったけど、これも別にメールでも大丈夫だったし。
自分で荷物を引取りに行くのが手間
倉庫や港に到着した荷物を、自分で取りに行きかないといけません。車を持っていない場合は、友人にお願いしたり、レンタカーを手配する必要が出てきます。
でも、大型家具を配送していない限りは、普通の乗用車で大丈夫だと思います。というのも、私が見積もりを取得した3社を確認する限り、現地倉庫で1週間程度は無料で保管してくれる期間があるので、その間に複数回に分けて取りに行けばOKです。我が家も2日(2回)に分けて荷物を引取りに行きました。
ちなみに、我が家がお願いした業者さんの場合、荷物が届く倉庫の所在地は日本にいる間には分かりませんでした。ただ、同じ都市内にあるはずなので、そんな遠くはないと思います。我が家もダウンタウンから車で15分程度の場所にある倉庫でした。
我が家が感じたデメリットは以上かな。
「ドアツーポート」の手続きと流れ
これくらいのデメリットなら行ける気がする!と思った方!必要な手続きと流れを説明しますね。
梱包
お安い分、もちろん自分で梱包します。
送付先の国毎に、入れてはいけないものがありますが、その点は業者さんから詳しい説明がありました。
カナダの場合は、食品や植物などがNG。
また、我が家がお願いした業者さんは外箱は用意してくれましたが、外箱に入れる内箱は自分で用意しないといけませんでした。その箱は、ミカン箱などの食品を連想させるものは避けるべし、とのことだったので、ホームセンターで無地の段ボールを購入しました。
ちなみに、我が家は電子ピアノも送付したのですが、格安な分、ピアノ専用の梱包材も付いてないので、梱包にはかなり気を使いました。息子のオムツや、洋服などの柔らかいもので包みまくり。到着後、問題なく音が出た時は本当にほっとしました・・。
インベントリーリスト作成
業者さんが用意してくれるテンプレートや申請リストに、箱の中に何を詰めたかを英語で詳しく書きます。そして、その大まかな金額も書きます。
インベントリーリストは業者さんにコピーを渡し、原本は自分で保管しました。
日本国内輸送業者さんへの荷物の引き渡し
運送業者さんが自宅まで荷物を取りにきてくれるので、引き渡します。
ちなみに、我が家がお願いした業者さんは料金が安かったため、玄関まで取りに来てくれるのではなく、1階の自宅外での引き渡しでした。さらに、業者さんが荷物をトラックに詰める際も、補助をお願いされました。夫、大活躍!
入国時の税関手続き
荷物より一足先に、自分自身の入国です。
入国し、空港の税関を通る際に、カスタムフォーム(正確には、Personal Effects Accounting Documentという書類)と、上記2のインベントリーリストを提出します。
税関の方がまじまじとインベントリーリストを見つめる間はドキドキでしたが、引越し荷物ということで無事関税はかからず、一安心でした。
現地代理店へのHandling Feeの支払
現地代理店から荷物到着予定の連絡があります。
我が家の場合、荷物発送時に聞いていた到着予定を過ぎてもなかなか連絡がなく、こっちから電話したのですが・・。
到着予定の連絡が来たら、現地代理店の指示に従い、Handling Fee約$120を支払い、手続きを進めてもらいました。また、アライバルノーティスの書類を受け取ります。
荷物到着後、通関手続き
受取先の倉庫に荷物が到着したという連絡が入ったら、税関事務所に行って輸入通関手続きを行います。
パスポート、カスタムフォーム、インベントリーリストを持っていき、現地代理店からもらうアライバルノーティス(正確には、Customs Cargo Control Documentという名前の書類でした)にスタンプを押してもらいます。
食品や植物は入れてない?武器もない?など、簡単な質問をされ、Noと答えると、あっさり終わりました。拍子抜けなくらい。
荷物引取り
税関でスタンプを押してもらった書類を持って、現地倉庫に向かえば、ようやく感動のご対面!荷物の受取を行えます。
ちなみに、我が家が利用した業者は、引き渡し費用として$50かかりました。
以上が、一通りの流れとなります。いかがでしたか?
渡航時の手荷物には収まりきらないけど、海外小包便だと量が多いし、海外引越し便を利用するほどでもない、というような場合などにいいんじゃないかと思います。
また、海外移住は多大なコストがかかりがちなので、節約出来るところはできるだけ節約を!!ということで、個人的にかなりおすすめですよ。
これから海外引越しを考えている方に、少しでも参考になると嬉しいです。
こんにちは。
今度カナダに家族3人で引っ越す者です。
こちらのブログを見つけてからすごく参考にさせていただいています!
もし覚えていらっしゃいましたらどこの引越し業者さんを比較したか、使われたか教えていただけますか?
CHIBAさん、ブログご訪問いただき、どうもありがとうございます!カナダにお引越しされるんですね!!うちは引っ越し業者は「エコノムーブ」という会社さんにお願いしました。ドアツーポートで検索すると出てきますよー。安いけど、対応はよかったですよ。お住いの住所や引っ越し先によって、業者さん選びも違ってくるかもしれませんが、いい業者さんが見つかりますように。また何かあれば何なりとご質問くださいね。
こんにちは、はじめまして。我が家もhappybananaさんと同時期にFSWプログラムで永住権をとり、近いうちに渡加する予定です。うちにも電子ピアノ(クラビノーバ)があり、持っていくことはあきらめないといけないのかなと思っていたので、こちらの記事がとても参考になりました。happybananaさんはピアノをどのように梱包されたのでしょうか。倉庫から運ぶとき、乗用車で大丈夫だったとのことですが、ピアノも他の荷物と一緒に運べたのでしょうか。よかったら教えてください。よろしくお願いします。
同時期にFSW!!あの時の300の枠数、そしてCICのストライキに悩まされていた同志がいたなんて、びっくりしました。
電子ピアノは、ドアツーポートを頼んだ業者さんのほうで、大きなお弁当箱状の箱を用意してくれたので、その箱の中に電子ピアノ本体を入れました。足部分などは、別の段ボールの隙間に入れました。
梱包ですが、ピアノ本体も梱包材でぐるぐる巻きにして、隙間にはおむつや、洋服などをひきつめて。我が家が利用した業者さんは、破格で対応してくれたので、壊れてもいいや、のダメ元で送ってみましたが、こんな素人梱包でも、無事にここまで届きましたよ!
車は4WDですが、現地の倉庫から運ぶときは、ピアノもほかの荷物と一緒に運びました。ただ、荷物の量が多かったので、2往復になりました。
参考になれば幸いです。
ピアノも運んでくれる業者さんが見つかるといいですね!ほかにも何かあればお気軽にご質問くださいね。
happybananaさん、お返事ありがとうございました。はい!300の枠にすべりこめるかどうかの緊張感、そのあとのCICのストライキ、しっかり体験しました(笑)。Educational Credential Assessmentにもやきもきしましたね…。まさか日本に同じ境遇にある方がおられたとは、私もブログを拝見してびっくりしました。
ピアノの件、教えてくださってありがとうございます。我が家もダメ元で送ってみようと思います。またお伺いするかもしれませんが、よろしくお願いします。
初めまして。
カナダへ引っ越しに伴いブログ参考にさせていただいてます☆
ドアツーポートで何社か見積もり依頼したのですが、なぜかエコノムーブからしか返信がなかったので、そちらにお願いしようかと思ってます。
が、家族4人で荷物量のイメージがしにくく、参考までに…家族3人で何立方メートルで荷物をシップされたのか、もしよければ教えていただけますか?
かおりさん、
ブログにご訪問いただき、どうもありがとうございます。ドアツーポートをお考えなのですね!我が家は当時まだ三人家族でしたが、一立方メートルでお願いしました。ただ、電子ピアノを含んでいた分、その他の荷物は少なめでした。ほとんどの家財は処分し、最低限の荷物でした。一立方メートルだと、だいたい、中サイズの段ボール16個分になると思います。エコノムーブさんは個人的には良かったと思うので、おすすめですよー。またなにかあればお気軽にご質問下さいね。ハピバナ
お返事ありがとうございます‼︎
なるほど、うちは4人ですが元々荷物少なめなので一立方メートルで大丈夫そうな気がして来ました‼︎
ありがとうございました☆
これからも更新楽しみにしてます(^^)