カナダの首都オタワというと、カナダの政治の中心地。そして、カナダ国内の住みやすい都市1位にも選ばれた、環境も治安も良い街です。
トロントやバンクーバー、カナディアンロッキーなどに比べると、観光地としての印象は乏しいかもしれませんが、実際に訪れてみると、見どころも満載!観光地としても、とても素敵な街でした。
今回の記事では、1泊2日で回れるおすすめのオタワ観光として、詳しい見どころやモデルコースをご紹介したいと思います。
この記事の目次
オタワの観光概要
人口約90万人、カナダ国内第4位の都市規模を誇る首都オタワ(Ottawa)。人口でいうと、大阪の堺市と同じくらいの都市規模で、首都とは言え、さほど大きな都市ではありません。
主要な観光地は中心部に集まっていて、その多くが徒歩で回れます。少し離れた場所にある観光スポットも、公共交通機関で行けるところが多くなっているので、非常に観光しやすい街だと思います。
観光に必要な日数ですが、さほど大きな都市ではないため、1泊2日でも十分。でも、博物館なども回って、じっくり観光する場合は2泊3日がおすすめです。我が家は子連れだったので、2泊3日でゆったりめに観光しました。
では、さっそく、おすすめ観光スポット、そして効率よく回れるモデルコースをご紹介です!
国会議事堂
まずは、オタワに来たら、絶対に外せないのが、パーラメントヒルと呼ばれる国会議事堂。
衛兵交代式や、実際の議会室などが見学できるガイド付きツアーに、展望台、さらに夜のイルミネーションショーなど、国会議事堂だけで丸1日観光できてしまうくらい、充実した観光スポットです。
あまりの見どころの充実っぷりに、別記事にしていますので、下記をご参照ください。
カナダ・オタワ観光ガイド①国会議事堂の攻略法!絶対外せない見どころは3つ
世界遺産!リドー運河
- 世界遺産にもなった北米最古の運河
- 大きな水門を人力で開閉する様子は必見!
- 冬の間はアイススケートが楽しめる
パーラメントヒルの横にある運河が、世界遺産にも登録されているリドー運河です。
北米最古の運河
オタワとキングストンを結ぶ、全長202㎞のリドー運河は、1832年開通の北米最古の運河。カナダがまだイギリスの領地だった1812年、アメリカとイギリスが北米の植民地争い(米英戦争)を始めたことをきっかけに、建設が始まります。
当時はセントローレンス川が物資の運搬ルートとして主に使われていましたが、セントローレンス川はアメリカとの国境に面しており、攻撃を受けやすかったため、別の安全な運搬ルートを確保するために、こちらの運河が建設されました。
実際には、米英戦争終了後はアメリカとカナダの武力衝突は発生しなかったため、リドー運河が本来の軍事物資の運搬に使われることはなく、商業用の目的や人々の移動のために使用されたそう。
現在は人々の憩いの運河として愛されていて、夏の間はボートが行き来したり、観光用の遊覧船も出ています。文化的な高い価値から、国定史跡だけでなく、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
見どころは人力で開閉する水門
このリドー運河の見どころの一つが、「ロック」と呼ばれる水門の開閉。
運河が伸びるエリアには、大きな標高差があります。そのため、運河全体の27か所に、合計47個もの水門が作られ、水をせき止めながら、水の流れを調整しています。
出典:http://www.rideau-info.com/
そして、ほとんどの水門が、1832年の建設当時のまま、今も現役で使われています。
水門の開け閉めも当時と同じ、人力。「ロックマスター」と呼ばれる人たちが、24時間体制で開け閉めをしています。
水門が開くと、勢いよく水が流れはじめます。間近で見ると、すごい迫力!
ただ、パーラメントヒル付近だけでも、水門は全部で8個。そして、一つの水門が開くのには10~15分はかかっていたと思います。となると、オタワ川へクルーズに出ようにも、水門をすべて通るのに、1時間以上は待つことに!!
私が訪れたときも、4隻のボートがいましたが、ボートに乗った人たち・・・、ちょっと暇そう(笑) 優雅なクルーズにも、なかなか忍耐力がいりますね。
冬場は天然のアイススケートに変貌
残念ながら、冬の間は運河が凍るため、水門の開閉は見られません。しかし、なんと運河が、アイススケートリンクとなって解放されています!
Bring on the cold! #RideauCanal pic.twitter.com/kgoF7lMNjN
— RideauCanalSkateway (@NCC_Skateway) 2017年1月9日
全長7.8㎞の世界一長いアイスリンクとして、ギネスにも登録されています。世界遺産の運河でアイススケートなんて、とてもいい思い出になりそうですね!
ノートルダム大聖堂バシリカ
- オタワ最古のカトリック教会
- 青色の美しい天井と、祭壇に飾られた82体の木造彫刻が圧巻
リドー運河から徒歩約10分の場所にあるノートルダム大聖堂。銀色に輝く2つの塔がキラキラと輝いています。角度によっては、太陽が反射して、眩しいくらい。
ノートルダム大聖堂というと、フランス色が強いカトリック教会です。
カナダには、モントリオールやケベックシティなど、フランス語圏であるケベック州を中心に建てられていますが、ケベック州に隣接する、ここオタワにも建てられているのですね。
オタワのノートルダム大聖堂はオタワで最も古い教会で、1842年~1865年に建物が建設され、その後、内装がすべて完成したのは1890年だそう。約50年の歳月をかけて作られているとのことで、驚きます。(参照:www.notredameottawa.com)
モントリオールのノートルダム大聖堂に比べると、祭壇の豪華さは欠けますが、青色の天井と、美しい模様は圧巻!静かさのある神聖な雰囲気を感じられます。
当初はフランス色の強いネオクラシック建築で作られてましたが、建築途中で、当時人気の高かったネオゴシック建築(ゴシックリバイバル)へと変更されたそうです。
建物上部の目立つ部分はネオゴシック様式となっていて、アーチの上部が尖った尖塔アーチや、天井のアーチなどがとても特徴的です。
中央の祭壇の壁面には、大小82体もの木造彫刻が飾られています。
木造彫刻が並んだ姿を見ると、なんだか日本の仏像のようにも見えてきて、妙に親近感を覚えた私です。
建物に入って後ろ側。祭壇も美しいのですが、こちらのステンドグラスも大きく、きれいでした。
ノートルダム大聖堂はミサが行われていない時間は、自由に見学可能です。日曜日は多くのミサが開催されているので、時間は要チェック。平日や土曜日であれば、ミサの数も少なく、訪れやすいと思います。
出典:https://www.notredameottawa.com/
念のため、最新のスケジュールをこちらのページからご確認の上、お出かけください。
場所はこちら:
カナダ国立美術館(National Gallery of Canada)
- 入り口のママンと呼ばれる巨大クモ
- ゴッホなど世界的なアーティストの作品が豊富
- ギャラリー内のショップはカナダにちなんだアート作品が多く、お土産にも◎
入口のクモのオブジェや、ピラミッドのような建物が目を引く、カナダ国立美術館。
先ほどのノートルダム大聖堂の目の前にあるので、こんなふうに「クモ、大聖堂を襲う!」の構図も撮れます。
この「ママン」と呼ばるクモは、ニューヨークやソウル、ロンドンなど、世界に9か所設置されています。日本では、六本木ヒルズに設置されていますよね。ちなみに、一体3億円だそうで・・。
クモのおなかには、大理石で出来ている卵が。クモ嫌いの人は凝視できないかも。
こちらの美術館は、広い敷地に、カナダだけでなく、ゴッホなどの世界中のアーティストの作品が集められています。各部屋には必ず警備員が配置されていて、アートに詳しくない私でも、貴重な作品が多いことが分かります(笑)
アート好きな方はぜひ訪れてみてくださいね。あと、冬場の観光には持ってこいだと思います。我が家は子連れて訪れたので、あまりじっくり見れず、2時間弱で切り上げましたが、ゆっくり見れば3~4時間は楽しめるのではと思います。
また、美術館内のショップは、カナダにちなんだアート作品が豊富!普通のお土産屋さんで買うよりも、オシャレなものが見つかると思います。訪れる時期にもよりますが、カナダのアーティストのカレンダーなんかもおすすめ!
開館時間はこちら。
毎週木曜日5時~8時は入場料が無料になっているので、旅行の日程と重なればとてもお得ですよ。国会議事堂の夜のイルミネーションショーが始まる前に立ち寄る、というのも良さそうです。
開館時間や入館料など、詳しくはこちらのHPでご確認ください。
カナダ造幣局(Royal Canadian Mint)
- カナダのコイン製造現場が見学できる
- バンクーバー五輪のメダルも見学可能
- 珍しい記念コインを買って、将来の価値は2倍、3倍?!
カナダ国立美術館から歩いて約3分。カナダのお金を作っているカナダ造幣局に到着です。
1908年に創業されて以来、100年以上この場所でコインが作られ続けているのですが、カナダらしい観光ができるおすすめスポット。
カナダの造幣局は、ここオタワと、マニトバ州ウィニペグの2ヵ所にありますが、実際に流通しているお金を作っているのはウィニペグ造幣局。敷地の狭いオタワ造幣局では、主に記念コインやメダルを作っています。バンクーバーオリンピックのメダルもここで作られていたそう!
こちらの施設の見どころは、実際のコインの製造行程をガイド付きツアーで見学できること。残念ながら館内は撮影禁止でしたが、金の製造工程や、本物のオリンピックのメダルなども見ることができて、とても面白いツアーでした。
写真撮影NGですが、2枚だけ撮影できたのがこちら。
いかにも「カナダらしい」写真が撮れる、顔はめ。
こちらは本物の純金。持ち上げて、重さを体感できます。
想像以上に重かったようで、「うひょ?」的な、かなり面白い表情をする夫。夫の許可が下りず、顔の表情をお見せできなくて残念です。
ギネス登録された世界一大きな金の通貨
カナダ造幣局は、金の製造技術は非常に高く、1999年に世界で初めて純度99.999%という純度の高い金の製造に成功しています。
また、2007年には純度99.999%、重さ100㎏という金の硬貨を製造し、世界一大きな通貨としてギネスにも認定されました。(その後、世界一の記録は2011年にオーストラリアで作られた1トンの金の硬貨に塗り替えられています。1トンって!)
ちなみに、この100㎏の金通貨の一つは、ドバイの大富豪が購入したそうですよ。
──カフェテーブルとして使うために。
・・・・。
貴重なコレクションとして保管するでもなく、カフェテーブルとして使っちゃう!さすが、ドバイの大富豪は違いますね。ツアーガイドさんからこの話を聞いて、皆、「クレイジー!!」と大絶叫。ガイドツアーで一番盛り上がったくだりでした。
記念コインで投資する!?
見学ツアーが終わったら、造幣局内にある販売所を覗いてみましょう。ここで造られた記念コインを購入することができますよ。
ドバイの大富豪のように──、とはいきませんが、我が家も自分たちのお土産として、1枚記念コインを購入しました。選ぶ基準は、「価値が上がるか?」、ただ、その一点。
というのも、カナダの記念コインは、物によって価値が何倍にもなるそう!それを聞いて、金の亡者スイッチが入った夫婦2人。投資の目利きもない私たちが必死で選んだコインがこちら。
・・・・アナと雪の女王。
今になって思うと、いかにも販売数も多そうな気が・・。さぁ、数年後を楽しみにしましょう。
記念コインは20ドル前後で買えるものから、100ドル以上するものまでいろいろありました。記念に、お土産に、そして投資用に!、ぜひお気に入りのコインを見つけてみてくださいね。
カナダ造幣局は、一部の祝日を除き、毎日開館しています。
ただし、土日はコインを製造する職員が働いていません。せっかくの見学ツアーなので、製造工程が動いている平日に訪れるのが断然おすすめですよ。
出典:www.mint.ca
開館時間など最新情報は、こちらのページでご確認ください。
場所はこちら:
バイワードマーケット(Byward Market)
- 歴史あるローカル住民&観光用のストリートマーケット
- オバマクッキーで有名なベーカーリーは必見
- カナダのB級グルメ「ビーバーテイル」の発祥地
カナダ造幣局からパーラメントヒル方面に5分ほど歩くと、オタワ市民の台所とも呼ばれるバイワードマーケットにやってきました。
こちらのマーケットは歴史がとても古く、今から約200年前、まだカナダがイギリス領地だった1826年にさかのぼります。
リドー運河の指揮をとったジョン・バイ中佐(Lt-Col. John By)が、馬車で食料を運び込めるように道路計画をして作られたマーケットだそう。この指揮をとったバイ中佐の名前がマーケットの名前の由来になっています。(参照:www.byward-market.com)
現在のバイワードマーケットは、新鮮な野菜や果物、チーズなどの生鮮食品や、雑貨やお土産物など、多くのお店と露店が出ていて、見るだけでも楽しいエリアです。また周辺にはレストランやバーが集まっているので、ランチやディナーにもおすすめ。
こちらは「Byward Market Square」と呼ばれる屋内のマーケット。雑貨屋やパン屋さんなどのほか、気軽に食事が楽しめるお店も多かったです。
このバイワードマーケットスクエアの中には、オバマ大統領で有名になったお店があります。
それがこちらの「ル・ムーラン・ド・プロバンス(Le Moulin de Provence)」というパン屋さん。一見、おしゃれな落ち着いたパン屋さんかと思いきや──
ど派手。
こちらで売られているクッキーをオバマ大統領が購入したとかで、店内だけでなく、お店の外にもポスターを張っています。そして、写真に映るテレビには、オバマ大統領が訪れた時のニュース映像が延々と繰り返し再生。おしゃれなカフェの雰囲気どころか、ど派手なあやかり商売を展開しています(笑)
こちらのカナダ国旗の形をしたクッキーがオバマ大統領が購入した通称「オバマクッキー」。
その横には、色とりどりの可愛いクッキーが並びます。そのほかにも、パンやケーキ、お総菜などを販売していました。
このお店では試しにパンを購入してみました。(クッキー買わんのかい)とびきり感動するわけではありませんでしたが、、、美味しいパンでした。「バイワードマーケットと言えば」の話題の一つとして、ぜひ訪れてみてくださいね。
また、バイワードマーケットの中には、オタワ発祥のお菓子、ビーバーテイル(Beaver Tails)の1号店もあります。
ビーバーテイルとは、平たい揚げパンにいろいろなトッピングをした、カナダで人気のお菓子です。名前の通り、カナダの国獣ビーバーの尻尾のような形をしています。カナダ全土にあるお店ですが、発祥地オタワで食べるものは格別かも?この一角は一際にぎわっていました。
バイワードマーケットは多くのお店がクリスマスと元旦を除いて、毎日営業しています。
時間は店舗によって異なりますが、食料品の露店は朝7時~5時半くらいまで、雑貨などの露店は朝9時~夜8時頃まで営業しているところが多いようです。営業時間やお店の詳細などは、こちらのページでご確認ください。
場所はこちら:
夏のモデルコースと所要時間
今回ご紹介したオタワの観光地を1日で回るには、下記のような順が回りやすいと思います。
時間 | 行先と所要時間の目安 |
9:00 | 案内所に行き、国会議事堂見学ツアーのチケットを確保 |
10:00 | 衛兵交代式(30分) 注:早めに場所を確保 |
11:00 | 国会議事堂見学ツアー(1時間半) |
13:00 | バイワードマーケットでランチ&買い物(2時間) |
15:00 | ノートルダム大聖堂(20分) |
15:30 | カナダ造幣局(1時間) |
17:00 | リドー運河(30分) |
(木曜日なら夜間に カナダ国立美術館) | |
22:00 |
国会議事堂イルミネーションショー(30分) ※時期によって開始時間が異なる |
ポイントはなんといっても、国会見学ツアーの整理券確保。見学ツアーの時間によっては、当日の観光プランが大きく変わります。案内所は9時からオープンしていますので、衛兵交代式が始まる前に訪れて、効率よく回れる時間の整理券を確保しましょう!
なお、今回ご紹介したコースは夏場限定です。
冬場の観光の場合、衛兵交代式や、夜のイルミネーションショーが開催されていません。また、バイワードマーケットも露店が少なくなくなるので、注意が必要です。冬場のオタワ観光には、リドー運河でアイススケートを楽しんだり、国立美術館に訪れてみるなども良さそうですね。
まとめ
以上、カナダの首都オタワで訪れたいおすすめ観光地をご紹介しました。
観光のイメージがあまりない街ですが、国会議事堂や紙幣局、リドー運河など、カナダらしい見どころがいっぱいで、おすすめの観光地です。また、街並みがきれいに整備されていて、緑や公園も多いので、どこを見ても絵になる景色も素敵です。
ぜひカナダ旅行の際はオタワにも訪れてみてくださいね!
オタワの必見スポット「国会議事堂」の見どころをまとめています。
カナダ・オタワ観光ガイド①国会議事堂の攻略法!絶対外せない見どころは3つ
オタワから車で30分の郊外。長年国のトップシークレットとして隠されてきた政府要人用の巨大核シェルター。車移動が必須ですが、かなり見ごたえのある施設です。
もしも核戦争が起きたら─?カナダの地下巨大核シェルター「ディーフェンバンカー」は核の恐怖が生々しい施設だった。