我が家の小学1年生の息子は、カナダの小学校で学童保育のようなお預かりプログラムに入っています。
共働き家庭では必須の学童保育。カナダの小学校では、どのようなプログラムになっているのか?預かり時間や、料金、プログラム内容などをご紹介したいと思います。
この記事の目次
カナダの学童保育とは
- 小学校始業前と放課後のお預かり
- 小学校内のオンサイト保育が多い
カナダの学童保育は日本の学童保育・学童クラブと同じようなもので、「Before and After School Care」や「Before and After School Program」などと呼ばれています。
カナダの小学校は2時~3時くらいに終了しますが、カナダでは10歳になるまで一人で留守番はできないため、共働き世帯の多くが学童保育を利用しています。(※年齢は州によっても異なります)
カナダの学童保育の特徴の一つに「朝のお預かり」があることがあげられます。これは日本にはない制度ですよね。
日本の小学生は、学校には早めに来て、校庭で遊んだりもできますが、カナダの学校では、朝の始業開始ベルがなるまでは中には入れません。子供だけで校庭で遊ばせることもできないので、始業開始前に子供を預ける必要がある場合、朝の学童保育が必要になります。
また、学童保育の施設ですが、その多くが、公立小学校の学校施設内で運営されています。移動が不要で、慣れた学校施設で遊べるというのは、親にとっても子供にとっても利用しやすい制度です。
学童保育の運営団体
学童のタイプは主に下記の3種類
- 地域の教育委員会が運営する公立学童
- 学校内の学童保育を外部団体に委託
- 私立の保育施設
公立小学校で学童保育を提供している団体は、地域によって異なっています。
地域の教育委員会が学童保育を運営している場合もあれば、バンクーバーやトロントのように学校内の学童保育を外部団体に委託しているケースもあります。また、学童の受け入れを行っている私立の保育施設もあります。
しかし、学童保育を外部に委託している地域では、生徒受入数が少なく、保育不足が問題になっています。
待機児童の問題を解消するために、オンタリオ州では、2017年9月からは地域の教育委員会が学童保育プログラムを提供することが義務付けられました。
→参考記事:CBCニュース「School boards must provide before and after school care starting Sept. 2017」
私が住んでいるハリファックスでは市の教育委員会が学童保育を運営してくれているので、生徒の受け入れ数も安定しており、ウェイティングもさほどありません。プログラムの内容も充実していますし、料金の面でも、どの小学校でも均一で低価格の保育料なので、安心感があります。
受入数の拡大や、プログラムの質の向上、料金の均一化を考えると、市の教育委員会が運営してくれるというのが理想ですよね。
預かり時間
- 朝:7時前後~小学校始業時間まで
- 放課後:小学校就業時間~18時前後まで
※学童保育所によって多少異なる
カナダの小学校の始業・終業時間は、学校によって異なりますが、だいたい8時半~14時くらいが多いようです。
小学校によって始業・終業時間が異なることから、学童保育の時間もサイトごとに違いがありますが、多くの学童保育で、朝は7時前後から学校の始業時間まで、放課後は学校の終業時間から18時前後まで預かってくれます。
料金
都市部では非常に高い
- 朝のみ:200ドル前後
- 放課後のみ:400ドル前後
- 朝&放課後:600ドル前後
※地域や学童保育所によって、大きく異なる
学童保育はモーニングプログラムだけの申し込みや、アフタースクールプログラムだけの申し込み、もしくは両方の申し込みができるようになっています。
日本では学童保育の料金は5千円~1万円前後がほとんどですが、ここカナダはというと――。
都市ごと、そして運営団体ごとに料金は大きく異なりますが、日本とは比べ物にならないくらい高いです。トロントやバンクーバーといった都市圏では、特に高い!
出典:トロント市HP
上記表はトロント市の学童保育の一日の料金です。
朝のプログラムが14.29ドル、放課後が21.44ドル。たった一日でこの値段です。つまり、月額では、放課後プログラムは428ドル!!
出典:West coast child care resource center
また、こちらはバンクーバーにある認可学童保育所の2015年の平均料金です。施設によって料金の幅が大きいのもさることながら、アフタースクールプログラムでも平均362ドルと、やはり料金が高くて驚きます。毎年料金が上がっているので、2016年は上記よりもさらに上昇していると思われます。
ちなみに、息子はハリファックスの公立学童保育に入っていますが、料金は週5日の放課後プログラムで月221ドルです。
出典:Halifax regional School Board
都市部と比べると、かなり安く感じますよね。
市の教育委員会が運営している公立学童であることや、田舎町という地域的な理由も大きいと思います。また、スナックは家庭から持参するという点も値段が抑えられている理由の一つかもしれません。
学童保育の先生
- 生徒12~15人に対して先生1人
- 保育資格有無は州によって異なる
学童保育の先生は、州の法律によって違いはありますが、12~15人の生徒に対して、先生が一人の割合で配置されます。
また、州によっても幼児保育の資格が必要かどうかも変わってきます。バンクーバーのように資格が不要なところもあれば、トロントのように幼児保育資格が必要なところもあります。
ハリファックスの学童でも資格は不要ですが、息子の学校の学童では子供好きな先生ばかりで、とてもよく子供を見てくれますし、教育委員会が運営していることもあって、安心して預けられています。
プログラム内容や過ごし方
- 外遊びやスポーツ
- ジムで運動
- 工作やボードゲーム遊び
- 他学年の子供と一緒に過ごす
- スナックタイムがある
- 宿題サポートもある
プログラム内容はサイトごとに多少違いはあるものの、基本的には似たような内容だと思います。ここでは、息子が入っている学童の内容をご紹介したいと思います。
息子の学童を見ていると、毎日いろいろ違った遊びをしているようで、プログラム内容は毎日本当に多種多彩です。
運動遊び
毎日必ず体を動かず時間があります。プレイグラウンドで遊んだり、体育館で遊んだり、バスケやサッカーなどスポーツをしたり。
先日は外部からズンバ講師が2人来ていて、ジムで大音量の音楽をかけながら、みんなでズンバを踊っていました(笑)子供も先生たちもノリノリで、すごく楽しそうでした!
アート
クラフトやアートの時間もあります。学校の授業内では出来ないような、時間をたっぷりかけて制作した工作を持って帰ってきたりします。
クラブ活動
毎日ではないようですが、クラフトクラブやバスケットボールクラブ、ミュージッククラブなど、生徒の希望に合わせて参加できるクラブ活動もあります。
読書や宿題サポート
読書の時間や、高学年になると宿題サポートの時間もあります。息子の学年は宿題らしい宿題がまだないので、日本の学童のようにしっかりサポートしてくれるのかは不明ですが・・。
他学年の生徒と一緒に過ごす
他学年の生徒と一緒に過ごすというのは学童ならではです。
息子の入っている学童では、低学年と高学年に分かれて過ごしているようですが、Primary(4~5歳の年長さん)やGrade2、3(小学2、3年生)の子供たちとも仲良く遊べる機会となっていて、学ぶことも多いと思います。
スナックタイムがある
お預かり時間が18時までと長いこともあって、3時くらいになるとスナックタイムがあります。多くの学童保育ではヘルシースナックが提供されていますが、ハリファックス教育委員会の学童保育ではスナックは家庭から持参です。
プログラム内容や過ごし方はこんな感じです。学校の仲良しの友だちや違うクラスの子供たちと、毎日色々なアクティビティが出来るので、子供にとってはとても楽しい時間のようです。
学校が大好きな息子ですが、学校の時間以上に、学童の時間を楽しみにしています。早く迎えに行こうものなら、「早すぎる!!」と、怒られます(笑)
申し込み方法
学童と一言で言っても、地域によって教育委員会が取りまとめていたり、他の保育施設に委任していたりするので、学童の申し込み方法は、地域や学校によって大きく異なります。
ただ、どの小学校も申し込み方法を把握しているはずなので、学校のオフィスに行って聞いてみると良いと思います。
また、お住いの地域の教育委員会のHPにも情報があるかと思います。地域の名前と「school board」で検索してみてください。(例:Toronto school board)
まとめ
以上、カナダの小学生向けの学童保育プログラム「Before and After school care」についてご紹介しました。
カナダの学童保育も、日本の学童保育と似ていますよね。遊びを中心とした内容ではありますが、色々なアクティビティがあったり、工作をしたりと、同じ学校の友だちと思いっきり遊べて、とても楽しいプログラムです。
ただ、カナダではデイケアや幼稚園と同様に、値段が高い!子供手当は充実しているのは非常にありがたいですが、この保育料の高さも、どうにかしてほしいものです。