息子も私も大好き!子供に絶対読ませたいおすすめ絵本「おれたち、ともだち」シリーズ!

更新 | 2016-09-01公開

「おれたち、ともだち!」という絵本のシリーズをご存知ですか?オオカミとキツネの絵がとても印象的な絵本です。

息子が3歳のころから読み始めたシリーズですが、日本語の絵本の中では、息子が一番大好きな絵本です。今でも、毎日必ずと言っていいほど、シリーズの中からどれか1冊読んでいます。

そして、息子以上にこの絵本が大好きな私。心温まるストーリーもさることながら、登場人物たちが愛おしくてしょうがない!宝物のように、とても大切にしている絵本です。

今日は息子も私も大好きな絵本、「ともだちシリーズ」をご紹介です。

魅力がいっぱい、「おれたち、ともだち!」シリーズ

このシリーズの本は、1998年に「ともだちや」が発売されて以来、大人気!これまで11冊も続編が発行されています。

主人公は優しくて寂しがりやのキツネと、意地っ張りだし見た目は怖いけど、実はとても心優しいオオカミ。この2匹を中心に、友だちの作り方が分からなかったり、けんかした友だちに謝りたいのに、なかなか謝れなかったりといった、「ともだち」との関わりをテーマにしたお話です。

全11巻全て読みましたが、どのお話も、何度も何度も読みたくなるような、思いやりと優しさあふれるお話しばかり。愛おしくてたまらない作品です。

なにがそんなに魅力的なのかというと・・

子どもに絶対読ませたい深いストーリー

まず、何よりストーリーが最高!

どの作品も「ともだち」との関わりがテーマになっています。何かを我慢したり、利益のために付き合うのは「見せかけ」の友だち。本物の友だちって何かを気づかされたり、友だちと一緒に過ごせることこそが、かけがえのない幸せだと気づかされたり・・。

友だちとも、時には、うまくいかないことだってあります。ケンカしても素直に「ごめんね」が言えない時・・。お互いを分かり合うには努力が必要な時・・。

思わず涙してしまうくらい感動するストーリーもあれば、ほっこり心が温まるストーリーも。しかも、どれも奥が深いので、読めば読むほど好きになれること間違いなし!これから友だちと関わることが多くなる子供に、ぜひ読み聞かたいと思えるストーリーです。

愛おしくてたまらないキャラクター

登場人物が皆それぞれが個性豊か!

主人公のオオカミは、威張りんぼうで、見栄っ張りなところもあるけど、いつもまっすぐで、心優しくって、そして、とても涙もろい。すごく優しいくせに、みんなに優しいオオカミだなんて思われるのが恥ずかしくてたまらないオオカミなのです。

ともだちシリーズでは異色だけど、俳句集になっている「ともだちおまじない」という本にも、まさにオオカミの性格がズバリ表れている一句が。

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「むっつりと クマの とげぬく てれかくし」

クマに刺さったトゲを抜いてあげる優しいオオカミだけど、その顔は優しさを隠して、ムッツリと(笑)この一句と絵、たまらなく大好きです。

また、もう一人の主人公のキツネは、友だち思いで、とても優しいキャラクターです。さよならの挨拶がちゃんと出来なかったことをずっと気にしていたり、落ち込んでいる友だちに優しい言葉をかけたり。

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回を重ねるごとに、2人のキャラクターも熟成されていて、好きにならずにはいられないですよ。また、個性豊かな登場人物も増え、より一層魅力的な世界になっていて、今後の展開がとても楽しみです。

リズム感があって、生き生きとした文章

この本の作者は内田麟太郎さん。絵本作家さんなのですが、いつも絵は別の方が書かれているため、本の印象が全く違っていて、『ええ、この本も内田麟太郎さんが書いていたの?!』と思うことがしばしば。

この方の文章は、リズム感があって、登場人物がとても生き生きしています。そして、ユニークさもあって・・。息子はこのくだりに大ハマリ。いつも必ず大笑いする個所です。IMG_1113 (2)[1]

ふたりは ねんがじょうをかくことに しました。

「クマさん あけまして おめでとうござる」
「ござるは おかしいよ。オオカミさん」
「ならば、あけたら しめましょう
「ぎゃはははは」

出典:あいつもともだち

また、毎回、おもしろい歌が出てくるのも楽しいところ。ダジャレいっぱい、言葉遊び満載です。こういう変な言葉って、子どもって大好きですよね。これは、「ごめんねともだち」でけんかした2人が仲直りした後に歌っている歌。

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ダイナミックだけど、細部までこだわった絵

「おれたち、ともだち!」シリーズの絵は降矢ななさんが描かれています。

降矢さんの絵は、本当にダイナミックで、子どもの興味を見事に捉えるな画風だと思います。人気絵本「きょだいな きょだいな」も、降矢さんが絵を描かれています。

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ともだちシリーズでも、この通りのダイナミックさ!表情も豊かで、本当に魅力的。

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当初はそこまで絵には気を取られてなかったのですが、見れば見るほど細部へのこだわりもあって、絵の中に伏線が隠されていたりして、スルメイカ状態で何度も何度も楽しめるようになっています。

例えば、この隅の方に何気、なく描かれた破られたポスターと紙くず。オオカミは自分の誕生日にキツネが家に遊びに来ると信じて待ちわびていたのですが、キツは現れずじまい。オオカミは寂しくて布団を噛みながら眠りにつくのですが――

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結局、キツネが遊びに来てくれなかったのは、オオカミが1日勘違いしていただけ。誕生日当日にはキツネが会いに来てくれて、すっかり元気を取り戻したオオカミ。幸せそうに、キツネがくれたプレゼントを抱きしめながら眠りにつくその部屋の壁には、テープでくっつけたキツネとオオカミの写真が!

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感情のままに、友だちとの写真を破いてしまっていたのですね・・。これ、初めて読んだときは、全然気付きませんでした(笑)そうだったのかーー、と後から気付いて、ほほぅ、となりました。文章だけでなく、こういう細部の絵からも、オオカミの気持ちがリアルに伝ってきます。

 

あと、絵でいうと、本の後ろの絵も見逃せません。毎回、その後のストーリーを彷彿させる絵が描かれているので、読み終わった後も心がほのぼのします。その後どうなるのか息子と想像してみたり、背表紙だけでも会話が弾みます。

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ともだちシリーズ11冊の中でおすすめ

本当に11冊、どれも大好きな作品なのですが、特におすすめな3冊をご紹介です!

ともだちや

シリーズ第一弾の『ともだちや』はやっぱり欠かせない。

1時間100円で誰かの友だちになってあげる「ともだちや」をはじめたキツネ。でも、オオカミに「トランプのあいてをしろ」と呼ばれて、楽しく遊んだ後に、お代200円を請求すると・・

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「おまえは、ともだちから かねを とるのか。それが ほんとうの ともだちか」

と、オオカミから怒鳴られるのです。

でも、怒られたキツネは、「ほんとうの ともだち」と言われたことにビックリ。キツネは、お金が欲しくて「ともだちや」をしていたのではなく、寂しくて友だちが欲しいのに、友だちの作り方が分からかっただけなのです。あしたも、あさっても、ずっと一緒に遊んでくれるというオオカミさんに、大喜びで帰っていくというお話し。

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何かの利益を求めて付き合うなんて、それは「見せかけ」の友だち。本当の友だちって、一緒にいるだけで楽しくって、お金には変えられない大切な存在であることを教えてくれます。深い作品で、大人も唸ります。これは子どもにぜひ読ませたい一冊です。

ありがとうともだち

シリーズ第6弾の『ありがとうともだち』も、キツネの優しさが際立つ超良著。

海に行ったことがないキツネを喜ばせようと、カジキマグロを釣ってあげる約束をして、キツネを海釣りに連れてきてくれたオオカミ。でも、全く魚が釣れず、イライラ ――。そして、落ち込みながら、キツネに謝るのです。「ごめんな、キツネ。カジキが つれなくて」と。

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キツネも魚が釣れなくてがっかりしているかと思いきや、キツネがオオカミに言った言葉はとても暖かくて、ジーンと胸に響くのです。涙が出そうになるほどに。しかもそれを、上辺ではなく、心の底から素直に言っているキツネ。

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その キツネが はずんだ こえで いいました。

「きょうは てんこもりの うみを ありがとう!」

・・・

オオカミは こえが つまりました。

ゆうやけの うみよりも もっと あたたかいものが オオカミを つつみました。

(キツネ・・・。ありがとう)

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この広くて青い海の絵と共に、読んでいて優しい気持ちが広がります。カジキは釣れなくても、大好きな友だちと一緒に海に来れたこと、そして一緒に過ごせたことに純粋に感謝するキツネから学ぶことは多いです。これは本当に名作。

ストーリーの素晴らしさはもちろんなのですが、こんな細かなユニークさも見逃せません。歌を歌いながら、お弁当の準備を黙々とこなすキツネの横で、ぶきっちょうなオオカミ。むしろ、準備の邪魔にもなっていたりw ここらへんもとても微笑ましくて、おすすめポイントの一つです。

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よろしく、ともだち

ともだちシリーズが大好きになったきっかけは、『よろしくともだち』でした。これまで何度となく、100回、いや、もっともっと読んだと思う。息子がいつも「これ読んでー」と持ってくる本です。

みんなと遊びたいのに、その中に見た目が怖いオオカミがいて、なかなか近づけないでいたコダヌキ。なんでアイツはこっちに来ないんだ?!と不思議がるオオカミでしたが、その理由が自分が怖いせいだと知って、落ち込みます。

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笑顔の練習をして近づいてみたら、さらに逃げられる始末・・。オオカミは大きなショックを受けて、泣いて家に閉じこもってしまいます。

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でも、オオカミのすごいところが、落ち込むだけでなく、涙を拭いて、コダヌキに本当の自分を理解してもらうために、不器用ながらも一生懸命努力をするところ。

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そしてオオカの本当の優しさに気づいたコダヌキは、オオカミと友だちになるのです。

これまで優しさを照れ隠してきたオオカミでしたが、この作品では乱暴者と思われることを悲しむキャラクターに成長しています。それはきっとストーリーの中にも出てくる、「つよいものほど やさしい」「らんぼうものは よわむしだ」と書かれた本を読んだからでしょうね。自己啓発本を読んでいるなんて、勉強家なオオカミにもビックリですw

人は見た目だけでは分からないこと。そして、お互いを理解し合うって、大変だけど、がんばった先にはこんなステキな友だちになれること。そんな友だちとの関係を築くための大切なことをを教えてくれる素晴らしい一冊です。

まとめ

以上、息子と私が大好きな絵本『おれたち、ともだち』シリーズをご紹介しました。

この記事、ここまで長くするつもりはなかったのですが、本当ーーに大好きな本なので、ついつい力が入ってじっくりと紹介してしまいました。ネタバレだらけで、すみません。。。

11冊どれもが「ともだち」と関わる時の大切なことを教えてくれる、ステキなお話しばかり。これから友だちとの関わりが増えていく小さなお子さんをお持ちの方には、ぜひぜひおすすめですよ!

最新刊『いつだって ともだち』は私もまだ持っていないのですが、日本に帰国した際に即買いするのを今からとても楽しみにしています!

→その後日本から送ってもらって無事ゲットしました♪個人的にはこれまでの作品にはちょっと負けるけど、やっぱりジーンとする良いお話でした。

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