息子の読書用に、図書館で「PM Family」というシリーズの本をよく借りてきています。
このシリーズは、息子の通う小学校で使われている「レベル別リーディング」の本です。
日本では全く無名な本ですが、、、この本すごいのです!
なんとレベルが30にも細かく分かれていて、子供のリーディング練習にすごく取り入れやすい!!
英語圏の子供たちだけでなく、日本の子供たちのリーディング練習にも、とても有効な本だと思うので、お子様の英語教育をされている方はぜひご一度くださいね。
この記事の目次
英語で読書練習するなら「レベル別リーディング」
初めて英語の文章を読む練習をする時には、レベル別リーディングの本が有効ですよね。
レベル別リーディングと言えば、一般的にはこういう本だと思います。
いくつかの出版社から、こういったレベル別の本が数多く出版されていますが、4つ位のレベルに分かれており、子供の読書レベルに応じて選ぶことができて便利です。
そしてなにより、子供たちが大好きなアニメや、キャラクターのストーリのものも多いので、子供たちが『読みたい!』と思ってくれるのも、ありがたい。
下記の記事でも紹介していますが、うちの息子もレゴや、Paw patrolのシリーズが大好きで、よく読んでいます。
でも、このタイプの本は、「小学1年生はレベル1、小学2年生はレベル2」と言った感じに、大まかなレベル分けになっているので、小学校のリーディングクラスで使う本となると、このレベル分けでは不十分のようです。
なんせ、5歳で学校に入学し、初めて字を読む練習をする子供たちがほとんどですもんね。確かに、1学年の中でも、細かいレベル分けが必要なはず。
レベルが30にも分かれた「PM Family」
以下全ての画像出典:http://www.nelson.com/pmfamily/
その点、このPM Familyの本のレベル分けは、なんと30にも及びます。
PM Familyの本は、カナダで出版されている子供向けのリーディングブックのシリーズですなのですが、Phonicsの練習用からはじまり、レベルや年齢に応じた本が色々あります。
ストーリーは有名どころの物語もあったり、ノンフィクションものもあったり。
州や地域ごとの違いはありますが、カナダ国内の小学校では、このPM Familyの本で読書練習を進めている学校が多くあり、PMレベルのベンチマークによって、子供たちの読解力レベルを図っているそうです。
息子が通う小学校でも、毎日のリーディング時間にこのPMシリーズの本を読んでいます。
この本の売りは下記の4つらしいのですが、
- レベル分けが細い
- 子供に明確なストーリ
- 単語が読めない時も、推測ができるよう、分かりやすい写真や絵を使用している
- 同じキャラクターがよく登場し、子供が興味が持てる
やっぱり、一番ありがたいのが、細かいレベル分け。
私自身、子ども英語教師をしていた身ですが、私が勤めていた英会話教室ではここまで細かくレベル分けされたリーディング教材は無かったです。
まだ字が読めない子どもたちが、初級レベルから始めるのに、これはかなり使いやすい、手に付けやすい本だと思いました。
例えば、これはLevel1の本。この超初級レベルから始まるのです。
先生や親が本を選びやすい、子供のレベルを把握しやすいっていうのもありますが、なにより、子供自身がレベルが上がる喜びを味わえるのも良いと思うのです。レベルアップするゲーム感覚といいますか。
うちの息子も、「今日はリーディングのレベルが上がったよ!!」と、学校から帰るなり、それはそれは大興奮で報告してくれる時があり、私も一緒に大喜びしています。
あと、一冊のページ数が少ないのも良いです。挿絵ページを除くと、8ページくらい。繰り返し表現も多いですし、あっという間に読めてしまいます。これなら子供たちも『自分で読めた!』という達成感を感じながらリーディング練習ができますよね。
30ものレベル分け
本の裏には、こんな風なレベルが記載されています。
実際、このPMレベルが学年や年齢、その他のレベル分けとの相関チャートがあります。
子供たちの読解力は、学校によって違うレベルを使うようで、PMレベルを使うところもあれば、A・B・Cレベルや、DRAというレベルを使ったりもするそうです。
また、Lexileのレベル分けは英語の読解力や文章の難易度を示すために、英語学習者の大人向けの本でも使われていたりする指標ですよね。
年齢というか、学年別に詳しくこのレベル分けを見てみると・・。
4-6歳、日本の年長さんレベル(Level1-4)
日本の年長さんにあたる、Primary/Kindergartenという学年では、Level4までが目安となっています。このレベルの本はこんな感じ。
A, am, and, are, at, big, go, I, in, is, me, my, on, the, to, up, weなど、30個程度の最頻出単語をマスターするレベルだそう。
Level3、4になってくると複数形も出てくるし、文章構造も少しづつ長くなってきます。
また、文章の中に現在形、進行形、過去形などが出てきます。文法も文章の流れの中で、自然に覚えていくのですね。
6-7歳、小学1年生レベル(Level5-17)
日本の小学1年生にあたるGrade1になると、level5~17くらいに。
象のお話はLevel17の本なのですが、一気に文字数が増えますよね。簡単なボキャブラリーの絵本であれば、すっかり読めてしまうレベルです。
7-8歳、小学2年生レベル(Level18-22)
小学2年生にあたるGrade2では、Level18~22が目安です。
このレベルにもなると、ボキャブラリーも難しいものが多くなり、文章構造も複雑です。
7-9歳、小学3年生レベル(Level23-25)
小学3年生にあたるGrade3では、文章の難しさだけでなく、チャプターやインデックス、リファレンスなどを使いこなせるようになるのだそうです。
8-11歳、小学4年生レベル(Level26-27)
小学校4年生にあたるGrade4では、Level26~27が目安です。
もう立派な「本」ですね。ページ数も多くなりますし、チャプターなどがしっかり入っています。
9-11歳、小学5年生レベル(Level28-30)
小学5年生にあたるGrade5になると、Level28~30に。
レベル28-30にもなると、内容自体が難しくなり、先住民や障害に関する話題なども出てきます。読解力だけでなく、歴史や文化など総合的な知識も必要ですね。
学年や年齢でのレベル分けはあくまで「目安」
ただ、これらのレベル分けはあくまで目安のようで、サイトによっては、対象学年のレベル表記も多少異なっていたりします。
また、息子の通う学校では、Primary(Kindergarten)の学年で、レベル1からスタートし、学年終了時にはだいたい15・16くらいまで進んでいました。
『カナダの学校は教科書がないけど、ちゃんと勉強できるの・・?!』、と心配していましたが、、、日本のように「全国統一レベルの教科書を使って、同じような進捗具合で進めていく」のではなく、このように、学校や個人の進み具合に応じで臨機応変に対応する、というのもとても良いなと思います。
小学校でのリーディング練習の進め方
昨年、うちの息子が小学校付属のPrimary(日本の年長あたる)に入学しました。
入学当時は字はほとんど読めない状態、ついでに言うと、英語もまだまだ文章で話すのが苦手なくらいでしたが、Primaryの1年間で、Level16の本が読めるまでになりました。
PF Family出版社のページにて、サンプル本がWEBで閲覧できるのですが、Level16の本がこんな感じ。
ほとんど単語は読めない状態だったのに、日に日に単語が、そして長い文章が読めるようになっていく姿に感心していました。
とは言え、日本の小学校で考えたら、みんな国語の教科書をすらすら読んでいるわけなので、当たり前といえば、当たり前ですね。。。
それにしても、まだまだ字が読めない5歳児たちが、どうやってLevel16までレベルアップしたのか。
息子から聞いた話や、宿題の内容、そして保護者面談などで聞いた話をまとめると、下記のような方法でした。
- まず、フォニックスでアルファベットの音を覚える
- 最頻出単語『Popcorn Words』を繰り返し練習し、覚える
- 毎週1つの詩を何度も朗読する
- PM FamilyのLevel1から個人別に読み進めていく
こんな流れのようです。
1,2,3の個所については、下記記事にて詳しく記載していますので、ここでは省略しますね。
1,2,3の取り組みで、リーディングの基礎固めをしつつ、「PM Family」の読書を進めているようです。
学校での読書練習は個人別!
学校では、下記のようにPM Familyの本を利用しています。
- 自分のレベルの本を選び、個人練習をする
- 毎日10冊くらい読む
- 先生の前でスムーズに読めたら次のレベルに昇級
学校でのリーディング練習と言えど、日本の学校のように、生徒が同じ本を一斉に読むわけではありません。1人づつ自分のレベルの本を選んで、1人で読む練習をします。
読み方が分からない単語があったら、先生に聞くのですが、簡単には教えてもらえず、フォニックスのヒントを出したり、お絵や写真から推測させるのだそう。
あと、このリーディングは毎日あります。そして、一日10冊。
10冊ってすごく多いですよね。でも、この本、とても薄い本ので、割とすぐに読めてしまうのです。初級レベルであれば特に。こんなにたくさんの本を読めた!という達成感が感じられていいですよね。
そして時々行われるレベルチェックでは、2冊くらいの本を先生の前で読み、単語を1つも間違えずに、スムーズに読めたら、次のレベルへ進めます。これが子供たちにとってはすごく嬉しい瞬間みたい。
同じ学年、同じクラスでも、生徒によって読む本のレベルが違ってくるだなんて、小さい頃から競争社会だなと感じましたが、息子の話を聞く限りは、競争というよりは、みんな和気あいあいと練習しているそうです。『みんなはみんな、僕は僕』といいますか・・
さすが、飛び級もあるカナダの文化ですよね。「みんな同じ」な教育方針の日本とは大きく違うなと思います。
まとめ
以上、PM Familyというレベル別リーディング本の紹介と、小学校でのリーディング練習についてご紹介しました。
レベルが本当に細かく分かれている本なので、これから英語を読む練習を始めるというお子さんにはピッタリだと思います。また、ある程度文章が読めるお子さんでも、読解力に合わせたレベルから始めることも出来ますし。
日本では無名な本ですが、子ども英語教室などでも、こんな細かくレベル分けされた本を取り入れたら、子供たちの読む力が伸ばしやすいだろうなぁ・・と思います。私が働いていた英会話教室の読書教材などは、初級レベルでももっと単語も多かったし、なによりページ数が多くて、読み終えるのにも一苦労でした。
これなら短い本だし、クラスなどでも取り入れやすいはず。自宅でお子さんに英語を教えている方などにも、すごくおすすめです!
さてさて、学校では日々レベルアップを目指して、リーディング練習をしていましたが、夏休みなったとたん、パタリと自己管理の世界へ~。宿題も全くない、野放し状態(笑)
ただでさえ、家では全く英語を使わない日本人家庭の我が家です。せっかく一年間で養われた読解力が落ちないよう、図書館でせっせと本を借りて、読む練習を続けさせたいと思います。