2016年2月5日にBank of Montreal(BMO)が発表した「Labour Market Report Card」に基づいて、各メディアからニュース記事が出ていました。とても気になる内容だったので、ご紹介したいと思います。
BMOの「Labour Market Report Card」とは、カナダの雇用状況に関するレポートで、2016年1月最新の「州ごとの失業率」や、「主要な33都市の雇用状況」がランキング化されて掲載されているものです。
残念ながら、カナダ全体で見ると、2015年から引き続き雇用状況は悪化している状態ですが、州別や都市別に見てみると、雇用状況は大きく異なりました。
さて、2016年1月時点で、最も仕事が見つかりやすい都市、そして最も仕事が見つからない都市とはどこなのでしょう??
この記事の目次
州別の雇用状況比較
まずは州別の雇用状況から見てみたいと思います。
出典元:BMO Labour Market Report Card
「m/m」は前月比、「y/y」は前年比
このデータによると、オンタリオでの雇用状況がとても好調です。
ここ最近のカナダドル安により雇用環境が改善し、1月だけで20,000件近くの求人件数が追加されています。この数字は過去2年間の中で、最も高い件数とのことです。また、ブリティッシュコロンビア(BC)も好調で、1月だけで新たな雇用が1200件ほど追加されています。
でも、好調なのはオンタリオ、BCのみ。その他の州では、軒並み雇用が減少しています。
特に、雇用減少が著しいのがアルバータ。昨年から続いている原油価格下落により、このところはずっと雇用削減が続いていたアルバータですが、さらに1月だけで1万件の雇用が削減されています。
これまでは、カナダ全土の中では、最も低い失業率を誇っていたアルバータですが、2016年1月の失業率はとうとうカナダ平均7.2%を上回って、7.4%となっています。アルバータの失業率がカナダ平均を上回るというのは、1988年以来とのこと。
雇用削減数もすごい数だし、失業率もかなり高くなっていますね・・。アルバータでは昨年から失業者が増え続けているようで、私が住んでいるノバスコシアでも、アルバータへ出稼ぎに行っていた人たちが、職を求めて地元に帰ってきていると聞きます。
また、BMOのレポートには、「2015年はエネルギー産業に直接関連する部門だけが雇用削減されていたが、今年は関連分野へ問題が波及し、雇用状況はさらに悪化する」とも記載されていて、アルバータの先行きが不安です。これは、カナダ全体の経済にも大きく影響しそう。
州別の失業率比較
先ほどのデータを、失業率だけに注目してみてみたいと思います。2016年1月現在の失業率を低い順に書き出してみると・・・
Saskatchewan | 5.6 |
Manitoba | 6.1 |
British Columbia | 6.6 |
Ontario | 6.7 |
Alberta | 7.4 |
Quebec | 7.6 |
Nova Scotia | 8.5 |
New Brunswick | 9.3 |
Prince Edward | 9.5 |
Nfld.& Labr. | 14.4 |
カナダ平均の失業率7.2%に対し、サスカチュワン、マニトバ、BC、オンタリオは失業率が低いと言えます。仕事探しを重視して移住するなら、これらの州ですね。
逆に、ずば抜けて失業率が高いのがニューファンドランド・ラブラドール州です。この失業率の低さは、過去ずっと続いているようです。
ちなみに、日本の2015年の失業率は3.4%。日本と比較して考えると、カナダの失業率の高さがよくわかりますね。
上記は2016年1月時点での失業率ですが、失業率の推移が分かるグラフもありました。緑の線がカナダ全土の平均で、青い線が州のデータです。
出典元:BMO Labour Market Report Card
2015年にアルバータの失業率が一気に上昇したのが分かります。
また、失業率の推移を見ると、基本的には失業率が低い州はずっと低いし、失業率が高い州はずっと高いままですね・・。東側、ニューブランズウィック、プリンスエドワード、ノバスコシア、ニューファンドランドのアトランティックカナダ4州が、常にカナダ平均を大きく上回る失業率なので、仕事探しの難しさを通関します。新たに天然資源でも見つからない限りは、州単位の経済はそうそう変わるものじゃないんでしょうね。。。
都市別の労働市場ランキング
次に、州よりもさらに細かく、都市別のデータを見てみたいと思います。
こちらのデータは、カナダの主要な33都市を、「人口」、「雇用件数」、「雇用率」、「失業率」の偏差をもとに、仕事が見つかりやすい都市をランキング化したデータです。ランキングで表示したものです。33都市の中でも、大きな都市には赤いラインを引いてみました。
¹ based on weighted average number of standard deviations away from 33-city average, across five categories
出典元:BMO Labour Market Report Card
上記のランキングを細かく見ていくと・・。
最も仕事が見つかりやすい都市1位:オンタリオ州ゲルフ
失業率は驚異とも言える4.0%で、とび抜けて低い値です。
ゲルフは犯罪率も失業率も低く、カナダでも最も住みやすい都市の一つにも挙げられるそうです。昨年に引き続いての1位です。
カナダのオンタリオ州南西部の都市である。人口114,943人。「The Royal City」として知られ、キッチナー-ウォータールーの28km東方、ダウンタウントロントの100km西方の高速6号線と7号線が交差する地点に位置する。ウェリントン郡の一部であるが、独立した自治体として郡の行政管轄外である。郡全体としては200,425の人口を有する。
犯罪率の低さ、きれいな環境、比較的生活水準が高いことから、ゲルフはカナダで最も住みやすい都市の一つに挙げられる。例えばMoneysense誌の2007年のランクでは、ゲルフは国内で4番目である。
出典元:Wikipedia
最も仕事が見つかりやすい都市2位:サスカチュワン州レジャイナ
サスカチュワン州の州都であるレジャイナが2位にランクイン。失業率はこれまた低くて、4.2%です。サスカチュワン州はガス、オイル、ウランなどの天然資源が豊富で、それにより雇用状況も良いようです。
出典元:Wikipedia「Regina」
また、その他の上位10都市には、バンクーバー、ケベック、エドモントン、トロントなど、大都市が多くランクインしています。原油下落の影響が大きいアルバータ州ですが、エドモントンは公共部門の仕事が多いため、雇用状況の悪化は免れているそうです。
次に、仕事探しが困難な都市を見ていきます。
最も仕事が見つけづらい都市1位:オンタリオ州のサドバリー
2016年1月時点で、カナダで最も就職難だと言えるのが、オンタリオ州のサドバリーです。
カナダ国内最大のニッケル鉱山があり、鉱業が盛んな街ですが、2015年はニッケル取引価格の下落した影響で、雇用状況が悪化してるようです。雇用率56.2%、失業率8.6%となっています。
出典元:Wikipedia「サドバリー」
最も仕事が見つけづらい都市2位:BC州ケロウナ
BC州のケロウナは、ここ最近で雇用状況が大きく悪化しています。
昨年は1.7%の人口増加があったにもかかわらず、雇用減少が2.2%もあったため、失業率が大幅に増加したようです。失業率は7.6%、雇用率は59.4%です。
出典元:Wikipedia「Kelowna」
その他の下位10都市には、モントリオールやセントジョン、ウィンザーなども入っています。
以上、2016年1月の雇用状況レポートに基づいて、失業率や、仕事が見つけやすい都市についてまとめました。
移住先を検討する際に、一番重視するのが雇用状況だと思いますが、都市別の雇用状況で見ても、やはりトロントやバンクーバー、ケベックなどの大都市は強いですね。
2015年から続く原油下落や、カナダドル安の影響で、現在の雇用状況は変動が激しくなっています。最も仕事が見つかりやすいのは、断然、アルバータ州、そしてカルガリーかと思いきや、最新の状況ではかなり落ち込みが激しく、驚きました。
ただ、これまでの失業率の推移グラフを見る限りは、失業率が高い州、失業率が低い州というのは、基本的には大きくは変わらないように思います。
私が住んでいるノバスコシア含め、アトランティックカナダ4州は、環境は良く、のんびりしていて、人も優しく住みやすい場所だとは思うのですが、雇用状況の厳しさを改めて数字で見ると、移住先として候補に挙げるのは難しいのかなと思いました・・
こんばんはー!
渡加までいよいよ40日を切りました。
が、いまだに実感がわかないあちゃこです。
アドバイス通り荷物は早めに送っちゃって
あとは基本全部捨てるつもりなんです。
なので直前まで何も手を付けれず余計実感がまだわかず。
移住してすぐにとにかく仕事見つけてもらわないとなんですが
まさにまさにでアルバータ州・・・・。
原油価格の急落でダメージ大ですよね。
救いはエドモントンってとこですがそれでもやっぱり厳しそう><
なんとか見つかりますように・・・。
あちゃこさん、いよいよーー!!
生活しているわけで、最後まで使うものが多くてなかなか整理って進みませんよね。
最後の最後が一番大忙しになりますよーー!!
移住に向けて、体調崩されたりしませんように。
移住先はエドモントンなのですね。
失業率も上がってないし、雇用率も高いし、大丈夫ですよ!!
上手くいく良いイメージを持って入れば、きっとその通りに♡