2015年10月1日から、カナダの5つの州で最低賃金がアップしたというニュースがありましたが、今回の記事ではカナダの最低賃金や物価上昇率などについて、まとめたいと思います。
最低賃金が上昇した5州
今回、最低賃金(時給)がアップした州は、アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ、そしてニューファンドランドの5つです。これにより、5州の最低賃金は下記のように。
オンタリオ | $11.25/時間 (25セントUP) |
ニューファンドランド | $10.50/時間 (25セントUP) |
マニトバ | $11.00/時間 (30セントUP) |
サスカチュワン | $10.50/時間 (30セントUP) |
アルバータ | $11.20/時間 (1ドルUP) |
これまでカナダでは、準州を除き、一番最低賃金が高かったのが、オンタリオ州でしたが、今回の改訂により、アルバータ州がオンタリオ州とほぼ同じ最低賃金となりました。やっぱりオンタリオやアルバータは仕事も多いし、賃金も高いのですね!!
州ごとに異なるカナダの最低賃金
気になるのが、上記5州以外の最低賃金です。カナダ政府のHPに全州の最低賃金のリストが掲載されていました。
これをみて驚くのが、ブリティッシュコロンビア州(BC)の最低賃金の低さです。BC州は先月、2015年9月に20セント上がりましたが、それでもまだ$10.45/時間となっています。BC州は物価が全般的に低めだとは聞くので、物価指数が考慮されているのかもしれませんが、、、それでもバンクーバーの超高騰している不動産価格を考えると、決して妥当な最低賃金とは思えません。
私が住んでいるノバスコシアでは、2015年4月に最低賃金が20セントUPし、現在は$10.60/時間になっています。(見習いの3か月間は$10.10)カナダ全体の最低賃金の平均が$10.86なので、ノバスコシアも平均を下回っているんですね。でも、ノバスコシアって、全体的に他の州より物価は高めだよーー!税金も高いし・・。こちらもまだまだ上げてほしいくらい。
ここ10年間の最低賃金推移
また、最低賃金がどれくらい上昇しているのかというと、下記に統計がありました。2005年には7ドル前後だった最低賃金が2015年には11ドル前後になっているので、この10年間で約4ドル上昇していることになります。
出典:カナダ政府HP
年々上昇するカナダの消費者物価指数
上記のように、最低賃金が年々上昇しているカナダですが、その背景にはもちろん物価の上昇があります。
下記画像が、ここ約10年のカナダ全体の消費者物価指数の統計です。2002年の物価を100とし、各年の数値が表示されていますが、ほぼ全てのカテゴリーで物価が上昇しているのが分かります。
ずーーとデフレが続いていた日本とは大違い!特に、食品、アルコールや、交通機関などの上昇率の高さにびっくりです。唯一、洋服や靴の物価が下がっています。確かに、カナダに来て思ったけど、洋服は安い気がする・・。
都市別消費者物価指数
また、カナダの都市別に見た消費者物価指数の統計がこちら。例外なく、全ての都市で見事に物価が上昇していますね。
データ参照元:Statistics Canada
一番驚くのが、やっぱり不動産の統計。不動産は特に上昇率が顕著です。平均してどの都市でも、2002年から比較すると、1.5倍くらい不動産価格が上がってる!!すごいですね。投資していた人は大儲けだわー。でも、バンク―バーよりも、カルガリーのほうが上昇していて意外でした。アパートに限定した統計だからかな?
以上、カナダの最低賃金や消費者物価指数の推移についてご紹介しました。
最低賃金上昇という嬉しいニュースだったけど、このように着実に物価が上昇しているカナダなので、最低賃金が多少上昇しようが、なかなか生活が楽になるわけではないですね・・・。まだまだ物価に賃金が追いついていない感じです。