息子5歳、カナダでピアノのグループレッスンを始めました。
日本にいる時に、幼稚園の先生に憧れてピアノが大好きになった息子。3歳からピアノのレッスンを始め、3~4歳の頃はカワイのグループレッスンに通っていました。「もっとピアノ弾きたい!!」と、すごく意欲的だったので、4歳からはグループレッスンに加え、個人レッスンにも通っていました。
でも、カナダに渡航する時に、大好きだったピアノレッスンも中断し、ここ1年近く、ずっとピアノレッスンから遠ざかっていました。でも今でもやっぱりピアノが好きで、毎日ちょこちょこ弾いて遊んでいます。
せっかくこんなにピアノが好きなんだから、ちゃんと習いに行かせてあげたいなぁ、とようやく重い腰をあげてレッスンに通わせはじめたのですが・・・
カナダのピアノ教室ってどうなの・・・??
日本だとピアノ教室って、スイミングや英語と共に、子どもの習い事のTOP3に入るくらい人気ですよね。でもカナダでは、日本ほどピアノの習い事があまり一般的ではないようです。そのため、ピアノのレッスンの探し方はちょっと苦労しました。トロントのような大きな町だと、YAMAHAの教室があったりするんだけど・・・。
インターネットでピアノレッスンを探したけど、あまりいい教室が見つからず。結局はKijijiという個人間で物の売買をしたり、不動産情報が載っていたりするサイトで、ピアノレッスンを探しました。すると、ちょうど5~7歳を対象にしたグループレッスンが9月から開始されるスクールを発見!
話を聞きに行ってみたのですが、カナダやアメリカで子ども向けの音楽教室を展開している大手スクールのフランチャイズとのこと。教材も教本やCDに加え、カスタネットや五線譜のマグネットなど、充実していたし、先生の人柄も良かったので、好感触。毎週宿題も出るとのことで、しっかり学んでいけそうな印象。
ただ、これまで日本でピアノは習っていたので、またイチからグループレッスンとなると、初歩的すぎるかな?と不安もあったのですが・・・、先生曰く、カナダでは、ド、レ、ミではなく、C、D、Eで楽譜を読むので、ドレミしか知らないうちの息子にはグループレッスンがおすすめ、とのこと。
確かに、C、D、Eのコードって、馴染みがなくて、不安!久しぶりのレッスンだし、お友達と一緒の方がやる気も出るし、楽しいかなと思い、申込みを決めました。
まるで3歳向けの内容?初歩的すぎたグループレッスン・・・
で、ですよ。カナダのピアノ教室はどんなもんなのか?!というとです。かれこれ4回、レッスンに通ったんだけど・・・、これが想像以上に超初歩的だったのです!
リズム遊び、歌、鍵盤を弾く、というのがレッスンの主な内容なんだけど、実際にどんなことをやっているかというと・・
高い音が聞こえたら、両手を上げる
低い音が聞こえたら、しゃがむ、もしくはシーソーの絵にシールを張る
鍵盤の「D(レ)」はDinosaur
鍵盤の「F(ファ)」はFireman
鍵盤を弾く練習は、人差し指一本。(ええ?!)
楽譜は五線譜がなく、音符と共にDinosaurやFiremanの絵が描いている(余計分かりづらいわ!)
リズムの練習は、4分音符はウサギさんのパペットを持ってホップ、2分音符はカメさんのパペットを持ってゆっくり動く・・・などなど。
さらに、毎日の宿題はというと、レッスンがレッスンだけに、宿題と言っても、ウサギやカメのパペットを作ったり、塗り絵をしたり、歌っている人の絵を描いたり・・・。あれ?!息子が通っているのはクラフト教室か?!
これが、5~7歳、小学校1年生~2年生向けにやってるグループレッスンの内容ですよ。
正直、日本だと3歳クラスの音楽教室でやってる内容です。いや、わざわざ音楽教室なんかに通わなくとも、幼稚園の年少さんがクラスの取り組みの中でやってるような内容です。
ちなみに、これは日本で通っていた4歳児向けのグループレッスンで一番最初に習う曲。楽譜は五線譜で書かれているし、4歳児ですでに両手で鍵盤を弾く内容でした。レッスン後期ともなると、もっと難しい楽譜も出てきます。歴然の差でしょ・・・?
ここまで、グチばかり綴ってしまったけど、、、すごくいいなと思うところもあります。
それは、宿題の管理方法。きちんと毎日、課題をやったかどうか、チェックするようになっていて、レッスンの度に出来栄えに応じてシールがもらえるの。シールが5個溜まったらプレゼントももらえる♪チェックすることで、頑張りが目に見えて分かるし、本人のやる気につながる、親も親でやらなきゃーという気持ちになるから、すごくいい方法だなぁと思います。
専門科目も幅広く教える日本の学校と、専門科目は扱わないカナダの学校
なんでこんなにカナダのレッスン内容は簡単なのか──?
ピアノに限ったことではないのですが、アメリカやカナダの学校では、専門的なことって学校ではほとんどやりません。
日本だったら、幼稚園で先生がエレクトーンを弾いて、リズム遊びや音楽を使った遊びをよくしてくれます。ドレミファソラシドも教えてくれ、メロディオン(ピアニカって言う?)を使って演奏だってするし、カスタネットや木琴、ドラムで遊んだりもします。スポーツはというと、水泳の時間もあるし、サッカーをしたり。体操の先生が鉄棒や跳び箱、色々な体操も教えてくれる。
小学校に入ればさらにやる内容は幅広くて、エレクトーンに、アコーディオン、縦笛、木琴、鉄琴などなど、音楽会に向けて色々な楽器を練習する機会があるし、楽譜の読み方も教えてもらえる。水泳はクロールや平泳ぎなど、泳ぎ方をちゃんと教えてくれるし、バスケットボールもあれば、野球だってサッカーだって授業でやる。硬筆、毛筆も、学校でやってくれる。
そのため、日本では学校にさえ通わせておけば、一通りのことが、みんな平均的に、それなりに出来るようになる。いかにも日本的ですけど。皆平等に、無料で、教育の機会が与えられています。
対して、アメリカやカナダの学校では、専門的な内容は教えてくれません。お金を出して個人的に習い事でやるしかない。
例えば、学校には水泳の授業はないから、スイミングスクールに習いに行かない限り、ずっと泳げない子になってしまう。楽器に触れる機会もほとんどないから、ドレミファソラシドで音楽を演奏することもなければ、楽譜を読むこともない。
学校によってはトランペットやフルートなどの楽器の選択授業があったりするけど、楽器を使うのは有料。公立の学校でも、教育の機会が無料で皆に平等に与えられていないのです。
つまり、何事もお金を出して、習い事としてやらせないといけないから、結果、出来る子と出来ない子の差がすごく激しい!!極端な話し、貧富の差が子供の成果に表れてしまうと言ってもいいかも・・。
ちょっと話がずれましたが、、、この日本とカナダの義務教育のカリキュラムの違いがピアノ教室でやっている内容にも影響されているのかな?と思います。みんな、楽譜を読んだり、鍵盤を弾いたりなんてことを、学校で全くやったことが無いから、超初歩からやるしかないんだと思うのです。
でもでも、それにしても・・・、グループレッスンには7歳、もうすぐ8歳になる女の子も参加してるんだけど、こんな幼児向けのパペットとかでやる内容でつまらなくない!?って、こっちが不安になります。
そういうわけで、せっかく久しぶりに始めたピアノのレッスンだけど、内容にちょっと拍子抜けしてしました。大手の音楽教室、ってだけで安心してしまった自分に反省です。文化も教育環境も違う国に来たんだから、しっかりレッスンでやっている内容を確認してから申し込めばよかったなぁ。
でも、当面はピアノの腕は上げるというより、基礎からしっかり学び直してもらって、ピアノを楽しんでくれればよいかな。幸い、肝心の息子はレッスンを楽しんでくれているので良かったです。嬉しそうにパペットを動かしてるもん(笑)あとそうだ、C,D,Eのコードにも慣れなきゃいけないしね!
2016/06/13更新:個人レッスンに切り替えました!