カナダ・ケベック州の新電気料金プラン「Dynamic Pricing」とは?電気代は今より安くなる?

更新 | 2019-05-06公開

2019年冬から、カナダ・ケベック州の電気料金プランに「Dynamic Pricing」と言われる新プランが導入されます。電力需要が高まる「ピークタイム」に節電することで、電気代が安くなる、というこのプラン。一般家庭では年間150ドルの節約になるという試算もあります!

新プランの仕組みや、加入条件とは?

ケベック州の時間帯別電気料金プラン

ケベック州の電気会社Hydro Quebecは、2019年12月より新たに「Dynamic pricing」と呼ばれる時間帯別料金変動プランを導入予定です。

新プランは「クリティカルピーク」と呼ばれる電力需要が非常に高まっているタイミングに節電することで、電気代を安くすることができる、というもの。

新プランは2019年冬から開始されます。初年度は条件に適合する18000世帯のみが対象となりますが、今後徐々に対象世帯を拡大していく予定です。

加入条件

  1. 現在Rate Dプランを契約していて、自家発電をしていないこと
  2. メーターが通信式であること(現状、ほとんどの世帯がこのタイプです)
  3. Customer Space (オンラインアカウント)にメールアドレスと共に登録していること
  4. 他の単価オプションに加入していないこと

2019年冬は上記の条件を満たしている世帯の中から、18000世帯がランダムに選出されます。対象に選ばれた世帯には、2019年秋に連絡があるそうです。ただ、対象に選ばれても、新プランに移行するかどうかは、本人の希望次第です。

クリティカルピークが発生する時間

「クリティカルピーク」は、冬場(12月1日~3月31日)の朝6~9時、夜4~8時の間に起こります。

この時間帯が常にクリティカルピークになるのではなく、この時間枠の中で、電力需要が非常に高まっている時のみひと冬で最大100時間とされています。

クリティカルピークになると、プランに加入している家庭にメールでお知らせが届くので、そのお知らせを元に節電を心掛けます。

夏季(4月1日~11月30日)にはピークタイムの設定はありません。

新プラン

新プランは下記の2種類が用意されています。

  1. Winter Credit Option for Rate D
  2. Rate Flex D

Winter Credit Option for Rate D

クリティカルピーク時に節電すればクレジットが付き、次回の請求書から差し引かれる

 

Winter Credit Optionプランは、クリティカルピーク時の電気料単価は今まで通りですが、クリティカルピーク時に節電すればその分がクレジット(キャッシュバックみたいなもの)になり、次回請求書から差し引かれます。

電気代が下がることはあっても、上がることはない、「リスクフリー」のプランなので、気軽に加入できると思います。

Rate Flex D

クリティカルピーク時の単価が高く、それ以外の時間の単価は安くなる

 

Rate Flex Dプランは「時間帯別単価」が導入されたプランです。

2019年5月時点の電気単価は下記の通り。

  • 冬季:1段階料金4.25¢/kWh、2段階料金7.36¢/kWh、オンピーク50¢/kWh
  • 夏季:1段階料金6.08¢/kWh、2段階料金9.38¢/kWh、オンピーク無し

通常時の単価は安くなりますが、クリティカルピーク時は50¢/kWhとかなり高め。クレジットオプションプランに比べると、ハイリスク・ハイリターンプランだと言えます。

クリティカルピークはひと冬に100時間以内になるとは言え、ピーク時に節電を心掛けないと、電気代が跳ね上がる可能性も・・。このプランに加入するのであれば、クリティカルピークのお知らせメールを確実にチェックしておく必要がありますね。


以上、2019年冬から始まるケベック州の新電気料金プランのご紹介でした。

ピーク時の食洗器や洗濯機の使用を控えれば、冬場の電気代を抑えることができると思います。初年度は対象世帯数が限られますが、徐々に対象を拡大するそうなので、今後に期待ですね。

なお、オフピークを活用して電気代を下げる方法も別記事の中で紹介しているので、良かったら合わせてご覧ください。

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