原発事故が起きた日本でこそ必要な「ブルードット活動」

更新 | 2015-04-11公開

デヴィッドスズキってご存じですか?

カナダの環境保護の活動家で、カナダでは知らない人がいないくらい、とても有名な人です。

我が家が今ここ、カナダ東海岸のノバスコシアに住んでいるのは、いろんな要因があったけど、その中でもデヴィッドスズキの影響も大きかったです。

今回の記事では、デヴィッドスズキの福島原発事故についての見解や、彼が唱えている環境保護活動である「ブルードットムーブメント」についてご紹介したいと思います。

デヴィッドスズキとは?

デヴィッドスズキはカナダのバンクーバーで生まれた日系3世です。

生物学や遺伝学を学んだ彼は、ブリティッシュコロンビア大学の名誉教授であり、環境保護活動家として「David Suzuki Foundation(デヴィッドスズキ基金)」というNPO法人を設立し、カナダだけでなく、世界中の環境問題に対して保護活動を行っています。

また、驚くことに、カナダのテレビ放送局であるCBCテレビで、「The Nature of things」という自然や環境問題に関するドキュメンタリー番組のパーソナリティを、なんと35年以上も続けているそうです。とても人気のある番組で、世界中にも配信されています。

カナダで最高の栄誉であるカナダ勲章を受賞したり、カナダ国民投票で「現存する最も偉大なカナダ人」にも選ばれたというとても有名な人で、カナダ人には強い影響力を持っているとも言われています。

彼は日系3世なこともあって、カナダ人と会話している時に、私が日本人と知ると、彼のことがちょいちょい話題に出てきたりします。私が通っていたESLの先生にとっても、彼こそが最も尊敬する「スーパーヒーロー」なんだそう。

デヴィッドスズキが考える福島原発事故

デヴィッドスズキは福島原発の事故直後から、福島原発の危険性や環境汚染の深刻さについて、たびたび情報発信しています。

私自身、彼の見解から受けた影響は大きかったし、何より、放射能に対する懸念を抱いていなかった夫が、考え方を変え始めたきっかけは、彼のビデオだったと思います。

デヴィッドスズキ基金のHPでは、東日本大震災と福島原発事故以降、日本の話題がかなり多く取り上げられています。このリンクが日本の話題の検索結果なのですが、福島原発事故を地球規模の環境汚染として、彼がいかに深刻に捉えているのがわかります。

また、CBCのテレビ番組「The Nature of things」でも、彼が実際に日本を訪れて東日本大震災を取り上げた回もありました。

http://www.cbc.ca/natureofthings/episodes/journey-to-the-disaster-zone-japan-311

CBCのHPから番組が視聴できるのですが、残念ながらカナダ国内でのみ視聴が可能らしくて。この回だけでも、日本にも公開してくれたらいいのにと思います。津波や福島の被害など、見ていて辛くなるシーンも多いのですが・・。

デヴィッドスズキ基金のHPでも、このテレビ番組の中でも、彼は大震災の直後から、

In disaster there is opportunity.

Fukushima is Japan’s opportunity to change the direction.

と繰り返し訴えています。

悲劇的な災害があってこそ、日本はどうするべきなのか?どういう道を進んでいくのか??

残念ながら、今の日本は、被害から目を背け、過去のものにし、情報を隠し、アンダーコントロールだと嘘をつき、何事もなかったことにして進んでいるように思います。明るく前を向いて進んでいくことはもちろん大切だけど、その前に大事なプロセスが抜けてる。

目を背いちゃいけないし、悲劇があったからこそ、悲惨さを思い知ったからこそ、同じ悲劇が二度と起きないように、新しい道を進んでいくべきなのに。

市民運動「ブルードットムーブメント」で行政に環境保護を訴える

デヴィッドスズキは環境保護活動の一環として「ブルードットムーブメント(Blue Dot Movement)」という活動をカナダ全土で定期的に行っています。

このブルードットムーブメントでは、

私たちには、

  • きれいな空気、安全なお水、安全な食べ物、そして健康的に生活できる自然環境を享受する権利がある
  • 自然に触れる権利がある
  • 私たちの生活圏にどんな汚染があるのか知る権利がある
  • そして環境に影響を与える決定には市民にも参加する権利がある

これらの権利をカナダ連邦政府だけでなく、全てのレベルの行政に訴える、という活動です。

ブルードットのイベントは主に春と秋にカナダの大小様々な都市で行われています。ブルードットのカラーである青い服を着て参加するのですが、イベントの内容は各地で様々です。

我が家も近くで行われているイベントに参加していますが、自然の中をハイキングしたり、公園で演説や集会をしたり、行政へのメッセージを書いたりしています。

子どもも楽しめるように、ブルードットにちなんで青いフェイスペイントや、青いネイルをしてくれたり、チョークで地面にお絵かきをしたり。また、スポンサーからの食事の提供もあるのですが、青色のチョコレートやクッキーなどもあって(😅)、息子氏も楽しんで参加していました。

ブルードットに関する詳しい情報は、下記公式ページをご参照ください。

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日本にも広まってほしいブルードット活動

ブルードット活動で訴えている内容は、カナダだけでなく、世界中の人々にとって必要なものだと思います。そして、とりわけ、世界の中でも、今の日本、日本人こそが、一番必要としている権利なんじゃないかとも思います。

空気はきれい?、お水は安全?、その食べ物って、本当に安全??今の日本は、子供たちも安心して健康的に暮らせるもの環境??

世界の貧困にあえぐ国々に比べると、日本はとても恵まれている国だとは思いますが、放射能汚染のことを考えると、私の個人的な考え方ではあるけど、上記全てが疑問にも思えてしまいます・・・。PM2.5の汚染もありますしね・・

また、汚染の度合いを知る権利についても、今の日本の政治では、重要なことは隠されてばかりです。開示されたとしても、後から後から、こっそりと。また、汚染があっても、復興のためという名目や、補償回避のために目をつぶっていたり。

環境に影響を与える決定もそうです。市民の意見を反映された決定とは思えないものばかり・・。

カナダでのブルードット活動に参加しながらも、つい考えるのは大好きな自分の国、日本のことです。日本でもこんな市民活動が広がるといいなと思います。いくらデモや市民活動を行っても、なかなか政治には反映はされるのは難しい現実はあるけど、多くの人が認識すればするほど、その影響力は大きくなりますもんね。

無力ながらこのブログに書くことで、ブルードット活動のことが少しでも日本の方にも知ってもらえたら嬉しいです。

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