2016米大統領選投票率56%!政治の関心は高いのに投票率が低い理由

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ジョニーはDonald Trumpが勝って嬉しいって言ってたけど、みんなは『Stupid Donald』って言ってた!

先日行われたアメリカ大統領選の翌日、小学1年の息子が、学校から帰るなり、私に話してくれた話題です。

どうやら、息子と同じクラスの子や、プライマリー(4~5歳の年長さんにあたる学年)の子供たちが、ドナルドトランプとヒラリークリントンのことをどう思うか、言い合っていたようです。

と言っても、話している内容はとても単純で、「Donald is just an old man」だとか、「He is stupid」、「Hillary is great 」だとか、 その辺はとても子供らしいのですが。

この話を聞いた私、『子供でも政治への関心が高いんだなぁ』と、とても感心しました。

日本では小学生たちが衆議院選挙や知事選挙などについて学校で話すような場面って――、なかなかないですもんね?!中高生も然りで。

子供同士の会話に大統領選の話が出ると言っても、学校の授業の中で、先生が選挙について話したわけではないようです。

となると、子供たちの知識は、きっと家庭から。家庭内で政治の話題をしたり、子供と一緒にニュースを見て話しをしているんでしょうね。

子供同士が大統領選について話すというのは、例え、それが「面白おかしく」だとしても、政治への関心を育てるきっかけとして、とても良いことだなと思いました。

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アメリカやカナダでは政治への関心が高い

日本に比べると、欧米社会では、政治への関心が強いとよく言われます。

実際、アメリカやカナダの子供たちは学校の生徒会の選挙で、本格的な選挙活動を行います。立候補した子供は、私はここを改善したいというような公約を掲げ、スピーチをしたり、討論したり。サポートする生徒もポスターを作ったり、応援スピーチをしたり、応援グッズを作ったり。まるで大人顔負けの選挙活動です。

高校生にもなると、コンベンションに参加したり、地域のボランティア活動に参加したり、その流れで大学生になって政治家の応援活動に参加する人も多くなるそうです。

→参考記事:アメリカの大学生、過去最もリベラルで政治に強い関心 行き過ぎて表現の自由を抑圧も?

このように、アメリカやカナダの子供たちは、小さい頃から選挙を身近に感じて育っているように思います。もちろん、みんながみんな、政治に興味がある分けではありませんが、日本に比べると政治に関心を持つ人が多いのは確かです。

ただし、政治への関心が強いと言っても、政治の話題はタブーともされ、気を付けたほうがいいとも言われます。私自身、カナダの移民向け講座に参加した際に、カナダの文化として、宗教と政治の話題は避けることを教わりました。

政治への関心が強いこともあって、自分の応援している政党の悪口を言われると怒り出す人もいるので、口論を避けるために政治の話題はNGとされるのです。そのため、普段の日常生活では、政治の話題を耳にすることはあまりありません

ただ、私はカナダに住んでいるので、自国の政治・政党ではないからか、多くの人が今回のアメリカの大統領選挙については日常会話の中で話題にしていました。

「関心=投票率の高さ」ではない?

でも、不思議に思うのが、政治への関心は高いと言われる一方で、投票率が低いこと

アメリカには住民登録制度がないため、正確な投票率を出すためには、数ヶ月以上の時間を要しますが、ワシントンポストでは、現時点で予想される投票率を56%としていました。

今回こんなにも注目を浴びた大統領選。当初は過去最高の投票率になるのでは?という前評判でしたが、いざ蓋を開けてみると、メディアの予想もはるかに下回っていたようです。

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ワシントンポストにはこれまでの投票率の推移も掲載されていましたが、だいたい55%前後で推移しています。日本よりも政治への関心が強いと言われているにも関わらず、実際にはこのような投票率の低さなのです。

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出典:朝日新聞社

一方、日本はというと、2012年の衆議院選挙の投票率は59.32%です。

政治への無関心が問題になっている日本よりも、今回のアメリカ大統領選挙のほうが投票率が低いことになります。

政治への関心=投票率にはつながらないのでしょうか?

ちなみに、世界の投票率はというと。

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出典:Albert Shanker Institute

このグラフはOECD加盟国の選挙投票率なのですが、世界各国と比較すると、アメリカと日本の投票率の低さが際立ちますね。

ちなみに、上記グラフではカナダの投票率も低めに位置していますが、現トルドー政権が誕生した2015年の下院議員選挙では、投票率68.5%と、高い関心が集まりました。

投票率が低い理由

政治への関心が高いと言われているにも関わらず、アメリカの投票率が低い理由には、下記が挙げられます。

  • 義務ではない
  • 選挙権は事前登録制であり、面倒に思う人が多い
  • 投票の待ち時間が非常に長く、諦める人が多い
  • 気に入った候補者がいないと、棄権する層が多い

※参考データ:Newsweek日本版「オバマでも伸びなかった投票率の秘密

このように、選挙制度自体の問題が大きいようですね。「選挙に関心はあっても、投票が面倒くさい」なんて、いかにもアメリカ人らしい理由だなと思ってしまいました。

Business Insiderのニュース記事でも、今回の大統領選挙で投票待ちをする長蛇の列が取り上げられています。

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この写真を見ると、確かに待ち時間は辛そうですね・・。会場によっては、なんと数時間待ちにもなるそうです。待ち時間が長いからか、この写真には子連れの人は一切見当たりませんね。

私自身、過去10回近く日本の選挙に投票したことがありますが、どこの会場も非常にスムーズ。待ち時間もほとんどなく、あっさりと投票終了するものでした。

それがもし1時間以上も投票待ちするとなると、投票は諦めていたかもしれません。特に子供が小さいうちは難しいと思います。

 まとめ

以上、アメリカ大統領選挙を通じて感じたことをまとめました。

小さい頃から家庭内で政治の話題をしたり、学校の選挙活動などで選挙を身近に感じたりと、政治への関心を強く持って育った人が多い一方で、アメリカでは選挙制度の問題もあって、投票率は低くなっているようです。

さて、投票率の低さへの疑問と共に、今回の大統領選挙を通じて痛感したこと。

それは、子供にも小さいうちから、政治のことや、自分の住んでいる社会の仕組みについて、話していかなければ、ということです。

日本人家庭の我が家では、これまでカナダやアメリカの政治について、子供の前で話しをすることはほとんどありませんでした。まだ小学1年生ですし、理解できないだろう、とも思っていました。でも、今回の息子の話を聞いて、とても反省。

政治や社会問題について、しっかりと自分の意見を持ち、主張する人が多い欧米社会です。息子たちがここで暮らしていくためにも、小さい頃から社会の仕組みや問題について、自分で考えさせ、自分の意見を持たせる教育をしていかなければ、と思います。