カナダのピアノ教育で見た日本との違い。息子6歳の個人レッスンはこんな感じ!

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昨年9月からピアノのグループレッスンに参加していた息子。

グループレッスンでお友達と練習したほうが、やる気も出て楽しめるかなと思ったけど、楽しいだけで終わってしまっている気がするし、内容的にも初歩すぎたので、3月から個人レッスンに切り替えました。

結果、個人レッスンにして大正解!

テキストの課題曲を一曲ずつクリアしていくのが嬉しいようで、やる気は以前の2倍、3倍・・、いや、10倍と言っても過言ではないくらい。個人レッスンにしてからというもの、ピアノがますます好きになったみたいで、毎日1時間以上、自分から進んでピアノ弾いています。

日本ではカワイのグループレッスンと個人レッスンを受けていましたが、日本とカナダの両方のレッスンを受けてみて思うのは、やはり国が違えば、ピアノ教育も違うなぁということ。

それは、ピアノを習い始める年齢だったり、ピアノ教本の構成内容だったり、先生の教え方だったり・・。

地域差や、個人差は大いにあるとは思いますが、個人的に感じた違いをご紹介したいと思います。

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ピアノの開始年齢が遅め

まず、大きく違うなと感じたのが、レッスンを受け始める子供の年齢が高いこと。日本では3~4歳からレッスンに通っている子が多いと思いますが、アメリカやカナダでは開始年齢は日本より遅めのようです。

日本では3~6歳が一般的

日本では3~6歳の間にピアノを始めるの子が多いと言われています。

下記の調査結果でも、一番多いのが3歳。

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「3歳」が22%で最多、「5歳」が21%で続きました。全体の平均年齢は「5.1歳」となっており、幼稚園入園前や小学校入学前に習いはじめる人が多いようです。

出典:Livedoor News
「早慶・東大・京大の43%(在校生・卒業生)がピアノを習っていたと判明」

日本の難関大学に入学した人を対象に調査した結果なので、一般的な結果とは多少の違いはあるかもしれませんが、私の周りでも、幼稚園年少や年中さんのうちにピアノを始めている子がとても多かったと感じます。年齢にしてやはり3~4歳です。

日本だと早期幼児教育が盛んですし、6歳になる前に音楽を始めたほうが脳の発達にもよく、音感の習得のためにも、小学生までに音楽を始めたほうが良いとされています。

実際、絶対音感トレーニングを行っている専門家や、ピアノの先生の話では、小学生から音楽を始めた子には聞き取れない音が出てきてしまう、とも主張されています。

絶対音感を身につけられるのは、6歳半までです。

人は誰でも絶対音感を身につける可能性を持っていますが、成長とともに、その可能性を失います。
人はありあまる可能性を持って生まれながら、一定期間、それを使う環境にないと、「それは不要な能力である」と判断し、 その能力の発達を止めてしまいます。より必要な能力を伸ばすための仕組みです。
身につけられる時期が限られている能力は、絶対音感以外にもあります。
母国語の獲得も、その1つです。年齢が高くなってから学んだ言語は、母国語のようにはなりません。
これらは、聴覚神経の発達に関連すると考えられています。
絶対音感を身につけられるのは、6歳半までです。
その年齢を過ぎると、おけいこをしても、絶対音感に到達することはありません。

出典:ichionkai.co.jp「絶対音感レッスン

私のピアノ教室では聴音トレーニングが必須ですが、小学生から始めた子に特有の傾向があります。ハ長調の聴音で「ファ」(下属音)が聞こえないのです。なぜなのかはわかりませんが、一人二人ではありませんから、何か、耳との関係があるのだと思います。逆に、幼稚園から通っていらっしゃるお子さんは、すんなりと音が聴けます。練習が好きではなく、ピアノ教本の進度が遅くても。です。

出典:mamanoko「ピアノを始めるベストな年齢はズバリ?

アメリカ・カナダでは6~7歳が多い

一方、アメリカやカナダでは、ピアノの開始年齢は日本よりは遅め。

もちろん、3歳くらいからピアノを始めさせる方もいますが、一般的にはもう少し年齢が高くて、6~7歳といった小学校入学後から楽器を習い始める子が多いそうです。

アメリカの1000世帯に調査したという下記の結果、12~14歳で習い始めたという人ですら、18%もいるとのこと!日本では中学生になってからピアノを習い始める子どもというのは、ほとんど見かけませんよね。年齢にとらわれない社会を反映しているなぁと思います。

In fact, some 64 percent of those questioned began musical training between the ages of 5 to 11, while 18 percent began between the ages 12 to 14.

出典:www.namm.org
Gallup Organization Reveals Findings of “American Attitudes Toward Making Music” Survey

もちろん個人差や地域差が大きいので、一概には言えないのは確かですが、全体的に見ると日本よりは遅めと言えると思います。

我が家が息子の個人レッスンを探した際も、住んでいる場所が田舎町なせいもあってか、たいていの先生が6歳以上の子どもを対象にしていました。

息子が習っている先生もやはり6歳から。息子の6歳の誕生日が近かったことや、すでにレッスン経験があることから、引き受けてもらえましたが、実際、先生が教えている生徒は、7~8歳から習い始めたという人がほとんどでした。

ただ、トロントやバンクーバーなどの都会のほうでは、4歳からOKとしている先生やピアノ教室がたくさん見つかります。アジアやヨーロッパ系の人は音楽の習い事に力を入れる傾向があるそうで、都会のほうだと移民も多いですし、早期音楽教育にも需要があるのかな、とも思います。

また、カナダやアメリカでは、楽器の理想的な開始年齢についても違いがあります

個人差が大きいとしながらも、日本のように3~5歳としているものは少なく、6歳が理想的な年齢とされている文献が多いです。

Six is the ideal age according to Caroline Lumsden, who launched the String Time programme for young beginners at Junior Trinity College of Music in London, and who founded what became the Gloucester Academy of Music. ‘I have started children at three, but it takes a lot of time playing open strings before they really get going.

出典:The Strat「When should a child start learning a stringed instrument?

What is a good age to start?

Many children are ready to start traditional piano lessons at 6 years old, some at 5. (Children can start Suzuki lessons as young as 3.)

出典:Baby Center Expert Advice「Piano

6歳前後がベストとされている理由はいくつかありますが、一番は『本人の希望』を重視するからだそう。ここにも文化の違いを感じますね。早めに習い始めても、嫌になってしまうかもしれないし、本人がやりたいと言うタイミングでやらせたいと考える人が多いようです。

また、文字が読めるようになっていることや、手の発達、子供の集中力などからも、その年齢がベストと考えられているそうです。

ただ、最近では、幼少期の鍵盤演奏が脳の発達に影響していると研究結果も色々と出ていますし、日本のように低年齢化が進んでいくかもしれないですね。

Starting piano or violin lessons before the age of seven appears to cause permanent changes to the brain that are linked to better motor skills. Those changes d...

ピアノ教本の内容が楽しい

ピアノの開始年齢の他にも、違いを感じたのがピアノ教本の内容です。

今の個人レッスンで使用しているテキストがこれ。

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アメリカで発行されている「Faber Piano Adventures」というシリーズなのですが、アメリカ・カナダではすごく一般的に使われている教本だそうです。日本でも少しづつ人気が出ているそうで、最近、日本語版も出版されています。

この教本、何が違うかと言うと、日本ものよりも、絵がたくさん、そして、全曲歌詞付き!!また、初級レベルでも、鍵盤を弾く楽しさが感じられる曲ばかり。歌いながらピアノを弾いて、「音楽を楽しもう!」といった感じの内容です。

日本のカワイ音楽教室で使っていたサウンドツリーという教本も、練習曲というより、楽しい課題曲が多い教材でしたが、サウンドツリーよりももっと自由に、のびのびとした教材だなという印象です。

さすが、「つまらないとやりたくない!すぐ飽きてしまう!!」という、アメリカ人の子ども向けに作られた本だけありますね(笑) アメリカやカナダでは、バイエルのような反復練習ばかりの教本はつまらなくて、全く人気がないそうです。

そういえば、以前グループレッスンで使っていた教本も、塗り絵あり、パペットあり、シール遊びあり、と、かなりエンターテインメントを重視した教本でした。あまりに幼稚すぎるのでは?!と思っていたけど、、、飽きやすい子供たちの興味を引くために、そうせざるを得なかったのかなと、今となって思います。

アメリカやカナダのピアノ教室は超初歩から?!息子5歳がグループレッスンを始めてみたけど・・
息子5歳、カナダでピアノのグループレッスンを始めました。 日本にいる時に、幼稚園の先生に憧れてピアノが大好きになった息子。3歳からピアノのレッスンを始め、3~4歳の頃はカワイのグループレッスンに通っていました。「もっとピアノ弾きたい!...

少し中身をご紹介すると、いきなり最初の方のページから、習ってもない高音が出てくる!息子が「この音、知らない」と先生に言ったら、「これはこの鍵盤の音だけど、別に気にしなくていいよ」とのこと。音符よりも、曲重視!ペダルも早速出てきます。
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また、こちらのページはスタッカートの練習用なんだけど、「The Haunted Mouse」という曲では、またしても、習ってない超低音が出てきます。と言っても、鍵盤の一番低い音で弾くだなので、とても簡単なのですが、これも音符を覚えるわけでなく、曲の雰囲気を出すため。確かに、これでお化け屋敷の雰囲気はバッチリです。

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日本の教本だと、最初の頃は「ド」を1番の指で弾くような曲ばかりでしたが、この本では、「ド」以外の音を1番で弾くような曲もどんどん出てきます。

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また、収録曲数も多くて、この1冊で50曲もあります。でも、どの曲も割と短めで、テンポよく次々進めていく感じです。一気に5~6曲クリアして進めることもあります。

息子はこの教本でペダルを使って弾く楽しさも知れたし、出てくる楽曲が楽しいし、また次々に進めていけるのが嬉しいようで、すごく気に入っています。

あと、教本の他に、「セオリーブック」というワークブックのような本も併用しています。

こちらもまぁカラフルで、楽しい作りです。カワイのサウンドツリーにもワークブックはありましたが、白黒印刷だし、挿絵もなくて、「お勉強」モード満載な本だったので、それに比べるとかなり大きな違いです。

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ちなみに、フェイバーのPiano Adventuresシリーズの対象年齢は7~11歳用とされています。この「Level1」の1つ前には、「Primer」という初級編もあるので、おそらくLevel1の対象年齢は7~8歳でしょうか?それでもこんな挿絵いっぱいの構成なのです。

先生が寛容で、子供の意思を重視する

先生の教え方にも違いを感じます。ただ、この点は、特に人それぞれ、先生次第だと思いますので、悪しからず。

とことん褒める

カナダに来て、これまでグループレッスンや個人レッスンの先生を見てきて思うのが、どの先生も、とことん褒める!PerfectやらAwesomeやら、それはそれは、感情豊かに褒めてくれます。

これはピアノに限らず、学校やいろんな場面でも感じますよね。本当に褒めるのが上手な文化だなと思います。

技術よりも楽しさを重視

そして、技術よりも、楽しく弾くことを重視して教えてくれます。細かいことはあまり気にしない

例えば、鍵盤を弾く手。

日本では「卵を持ってるみたいに、手は優しく丸めてね」と教えてくれていました。また、手をしっかり上げて弾くようにとも、よく注意されていました。でも、今は、まっすぐな指になっていても全く怒られません。

カナダにはRCMというグレード試験がありますが、息子はまだ受ける準備はしていないし、年齢的なこともあって、今はまだ寛容なのかもしれません。

でも、変な癖がついても嫌だし、小さいうちから基礎はしっかり教えたほうがよいのでは?!と思ったりも・・。本格的に音楽の道に進みたいわけでもないし、下手に厳しく言われてやる気を無くすよりは良いのかなぁ。うーむ。。これは悩ましい点です。

子供の意思を尊重する

また、もう一つ、大きく違うと感じたのが、子どもの意思をしっかり尊重してくれるところ。

先日、ピアノの発表会があったのですが、レッスンで課題曲を練習している際に、息子は「こうしたほうがいいんじゃないか」、「こんな伴奏で弾きたい」と、先生にどんどんアピールするのです。後ろでレッスンを見ていた私は、与えられた課題曲なのに何を言っているんだ・・・と、タジタジ。

でも、先生は寛容なもんです。「すごくいいね、じゃぁそうしましょ!」と、息子の意見を取り入れて、どんどん譜面を変更していってくれました。日本の発表会で考えると、あまりに自由過ぎてビックリですが、、、子どもの意思を尊重してくれるところはありがたいなと思います。

結局、発表会で弾いた曲は、最初の譜面からはかなり違った演奏に。でも自分の好きなアレンジになったおかげで、この課題曲は息子の大好きな一曲になりました!発表会が終わった後も毎日弾いて楽しんでいます。

まとめ

以上、最近の我が息子のピアノの個人レッスンを通じて、いろいろ思ったこと、個人的に感じた違いについて、まとめてみました。

地域差もあり、先生の性格によっても違うとは思います。また、私自身、フルートは習っていたものの、ピアノに関しては全くの素人。ピアノ経験者から見るともっと色々な違いがあるかもしれないし、見え方も違うかもしれませんね。

日本とカナダ、どちらが良いかは良し悪しがありますが、楽しい教本や、技術や手法よりも「楽しい!」「やりたい!!」を引き出してくれる今の先生のおかげで、息子のやる気はどんどんアップし、ピアノを楽しんでいるのは確か。

その点は本当に良かったなぁと思います。でも、と同時に、もし日本でレッスンを続けていたら、息子の腕前はもっと上がるだろうな、、、とも思います(笑)

本人がやりたいと言って始めたピアノ。将来は音大に進んで欲しいわけでもなく、脳の発達に良い影響があると言うし、将来の趣味の一つになればいいなと思う程度なので、今のレッスンスタイルで、楽しみながらピアノを続けていって欲しいなと思います。

『カナダのピアノ教育で見た日本との違い。息子6歳の個人レッスンはこんな感じ!』へのコメント

  1. 名前:ギター弾き 投稿日:2016/10/18(火) 01:26:28 ID:ec58414ef 返信

    初めまして。日本でアメリカの方を中心にギターを教えているものです。
    カナダもそんな感じなのですね。
    アメリカもとことん自分で選択する文化で、驚いたのがレッスンを開始してしばらくして尚、楽器は練習しないと上手になれないことを知らなかったりします。
    日本だと当たり前のように保護者の方が練習しなさいと言いますが、アメリカでは自分自身が練習しようと思わない限りはしないことも多いようです。
    お子さんのレッスンが簡単過ぎたのはこういったことにも理由があるのかも。
    ただ、練習しないと上手になれず、上手にならなければ面白いと思えず、面白いと思えなければ練習しようと思えないジレンマが難しいですね。。。