全校146人の学校に41人のシリア難民生徒!?カナダ教育現場の現状がマズイ・・・

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少し前に、2万5千人のシリア難民をカナダが受け入れたことについて、記事にしましたが、関連した話題で、昨日、びっくりするようなニュース記事があったので、ご紹介します。

賛成52%「2万5千人のシリア難民」を受け入れたカナダの充実した支援体制
2016年2月末までにシリア難民2万5千人を受け入れたカナダ。シリア難民はどこに多く居住するのか、カナダ国内の受け入れムード、行政や市民によるサポート体制などをまとめました。

このニュース記事によると、シリア難民の受け入れに当たって、学校現場ではいろいろな困難があるようです。

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カナダが受け入れたシリア難民の半数が「子供」

これまでカナダが受け入れているシリア難民は、子供がいる家族世帯を優先しています。そのため、シリア難民の約半数は「子供」ということになります。

実際、ノバスコシア州ハリファックスでは、これまで約750人のシリア難民の受け入れが進んでいますが、そのうち316人が義務教育が必要な子供だそうです。

ハリファックス地域の学校には、約48000名の生徒が136校の学校に通っています。しかし、居住エリアの関係もあり、実際にシリア難民の生徒が通う学校は、136校のうち約30校になるそう。

30校で316人を受け入れるということで、各学校、1クラスに2、3人のシリア難民の子供たちが入学するという割合になるそうです。

Shelley Morse, the president of the Nova Scotia Teachers Union, says with 316 Syrians expected in the Halifax board’s schools this year, she’s hearing from teachers who are struggling.

~中略~

Doug Hadley, a spokesman for the Halifax school board, said most of the roughly 316 Syrian children are spread around 30 schools and in many instances it means an addition of two or three children to a class — not enough for the hiring of a new teacher.

以下全ての出典元:Metro News

息子が通う小学校にも、2月にシリア出身と思われる生徒が入学しましたが、今のところクラスに1名だけ。カナダ政府は今後も引き続き難民の受け入れを進めているので、これからもう少し増えるかもしれませんね。

全校生徒の1/4がシリア難民生徒になる学校も!

記事にもあるように、1クラスに2,3名であれば、確かに、新しい先生を雇用しなくても、すでに学校に配属されているスクールカウンセラーやセラピスト、通常の英語サポートの先生だけでも、しっかりケアができるのではないかと思います。

しかし、事情が全く違う学校もあるようです!

ハリファックスにある、Joseph Howe Elementary Schoolという、全校生徒146人の小さな小学校では、なんと41人ものシリア難民だった生徒が新たに入学したとのこと!!

Ahmad, 10, and Mohamad Al Marrach, 9, are among 41 Syrian children who arrived at Joseph Howe Elementary School in February, suddenly expanding the small, inner-city school’s population by a third from its existing 146 students.

あまりの人数の多さに、数字を読み間違えたかと思ったくらいです。。これにより、全校生徒の約1/4がシリア出身生徒ということになります。

ここまでの数になると、学校の中の雰囲気、文化も大きく変わりそうですね。規模は全然違いますが、人口100人の村に難民750人が定住するというドイツのビックリニュースを思い出しました。。。でも、それにも通じるくらいの影響の大きさを感じます。

対応に追われる学校現場

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出典元:Metro News

もともと、このJoseph Howe小学校には、アラビア語が話せる先生が1名いたそうですが、ここまで急激にアラビア語の生徒が増えると、現場ではなかなか対応が追いついていないようです。

というのも、問題は予算面。

今のところ、政府や移民局、州政府からは、シリア出身生徒の教育支援として、用意された予算は一切無いそうです。予算がなければ、先生のリソースを増やすこともできません。

以前の記事でシリア難民の現状をご紹介した際には、『行政からの支援体制は充実している』、とご紹介しました。確かに、生活費支援や無料英語プログラムなどは充実していると思いますが、学校教育現場では、全く状況が違っていたのですね・・。

しかも、『カナダ人口に対するシリア難民の割合は低い』ともご紹介していましたが、一部のエリアにおいてはシリア出身生徒がここまで集中してしまうというのとは驚きです。

これは行政側でもう少し分散するなど、対応は出来なかったのでしょうか・・。もちろん、シリア出身者にとっては、同じ地域に居住しているほうがお互いサポートし合えますし、生活にも馴染めて、とても良いとは思いますが、ここまで一つの学校に集中していまうと、いろいろと支障が出てしまいますよね。

母国語が英語でない生徒が入学した場合、通常1年程度の言語サポートを経て、生徒たちは通常の授業に追いつけるようになるそうです。しかし、このように言語サポートの講師も不足している現状では、生徒たちの言語習得レベルにも支障が出てしまうと、懸念も上がっています。

“As a language teacher myself I know it takes up to a year to catch up … but I don’t know if we have the resources to do that,” said the teacher.

特にシリア難民であった子供たち。言語のサポートだけではなく、心のケアなども必要なケースも多いと思います。このリソース不足という現状は、とても大きな問題です。

カナダ全土に広がるシリア難民の教育支援問題

この問題はノバスコシア州に限ったことでなく、カナダ全体の問題のようです。

アルバータ州カルガリーでは、義務教育を必要とするシリア出身の子供たちが427名いるそうです。政府に資金援助の要請をしているものの、現状では教育委員会で全て費用負担しているとのこと。

Joy Bowen-Eyre, the chair of the Calgary Board of Education, says the funding is a national issue — and she recently called on Ottawa to start providing money to Alberta to help with educating the children among the 25,000 Syrians that have been brought to Canada.

She says the 427 new Syrian students in her board require funding roughly equivalent to one new school, and so far the board is covering all costs.

そして、政府や移民局などは、このシリア難民の教育支援予算に関しては、未だ明言を避けています。

Asked about the issue during a recent visit to Calgary, Prime Minister Justin Trudeau was non-commital about what Ottawa can do.

シリア難民の受け入れの矛盾

カナダが2万5千人のシリア難民を受け入れたことは、世界的にも華々しい美談として語られることが多いですよね。しかも、受け入れた難民は、子どもがいる家族が優先されています。

それだったら、子どもたちが学校に入学するのは目に見えているわけで、肝心の教育現場には一切予算が配当されていない、というのは矛盾を感じます。一部の学校にここまでシリア出身生徒が集中してしまうとは、政府側も想定外だったのかもしれませんが・・。

でも、実際に、全校生徒の1/3にもあたるシリア出身生徒を受け入れた小学校のケースも発生しているわけで、今のようなサポート体制の不足が続くと、シリア出身生徒たちは、言語習得だけでなく、通常の教育にも遅れが発生してしまう懸念があります。また、先生のリソース不足が続けば、既存の生徒たちにも影響が出てしまう可能性だってあります。

カナダ政府は今もシリア難民の受け入れを続けており、2016年末までに5万人を受け入れるとも言われています。現状の2倍ですね。個人的に、この受け入れには大いに賛成なのですが、先生たちがもっとスムーズにシリア出身生徒たちを支援できるよう、政府には早急に教育現場への資金援助を開始してほしいと願います。

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『全校146人の学校に41人のシリア難民生徒!?カナダ教育現場の現状がマズイ・・・』へのコメント

  1. 名前:さくらもち 投稿日:2016/04/18(月) 15:07:57 ID:80b812ffa 返信

    ハピバナさん初めまして。
    4月上旬からON州ゲルフに、半年限定で滞在のさくらもちです。
    オンタリオ 5歳 教育で検索して辿り着きました。

    昨日から、ずっとblog拝見してます。
    役立つ情報いっぱいで、これからも楽しみにしてます。

    • 名前:happybanana 投稿日:2016/04/19(火) 09:14:25 ID:38e29ae7e 返信

      コメントありがとうございます!
      役立つだなんて言っていただけて、本当にうれしいです(;_;)
      まだ到着されたばかりだと、今はとても忙しい時期ですよね。
      お子さんは5歳なのでしょうか。
      オンタリオ州だと、毎日学校がありますもんね。
      お子様も、さくらもちさんも、一日も早く生活に馴染めますように・・
      何かブログで分かりづらいところや気になるところがあれば、いつでも気軽にご質問くださいね。
      また、よかったらオンタリオの教育事情なども教えてくださいね!