日本とカナダで異なる幼児教育事情

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先日、息子が9月から入学する予定の小学校の保護者向け説明会に参加してきました。

先生からは入学前の準備、心構えなどについてのお話がありましたが、息子は4歳までは日本の幼稚園に通っていただけに、日本とカナダの幼少期の教育事情の違いを感じ、考えさせられることが多かったです。

今回の記事では、日本とカナダの幼児教育事情や個人的に感じたことを綴りたいと思います。

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カナダの小学校から指示された入学前準備の内容

保護者向けの説明で、入学前に練習して欲しいこと、理解させておいて欲しいこととして、先生から色々と指示がありました。どんな内容かというと・・

「ハサミを持つ練習をしておいてください。細かい指の動きは難しいと思いますが、練習が大事です」

「ペンが持てるようになっておいてください」

「他の子とシェアすることを教えておいてください」

「順番が守れるようになっておいてください」

「トイレに1人で行けるようにしておいてください」

「トイレに行ったら手を洗う習慣を付けておいてください」

「集団生活に馴染めるように、図書館などで他の子どもたちに触れ合う機会を作っておいてください」

などなど・・・・

正直少し驚きました。小学校入学と言っても、日本と違って、1歳早い、今年5歳になる子どもが対象です。とは言え、この内容は4~5歳の子どもであれば、すでに出来ていること、理解していることじゃないかと・・。このような指示があるのは、うちの息子の通う小学校だけのことなのか!?

ここで説明されたことは、日頃から親が教えていることだと思うし、日本だと義務教育ではないにしても、幼稚園や保育園に行っている子どもがほとんどで、幼稚園の年少さん、つまりは3歳の頃から先生や周りのお友達との関わりの中で理解出来ていることばかり。保育園に通っているお子さんだったら、もっともっと小さい頃からできていることだと思います。

この説明を聞いて、そういえば、と思い出したことが。

カナダに来たばかりのころ、子どもを移民サポート団体のデイケアに預けていたのですが、そこの先生が言っていたこと。

「カナダの子はいい意味で元気だけど、騒がしくて座っていられない子が多い。他の国からきた子たちはとても落ち着いていて、出来ることも多い。」

たしかに、息子がこちらのデイケアに通い始めたとき、先生から、しっかり先生の話が聞けている、落ち着いてると言われたし、もう字が書けるの?もうハサミでこんなにきれいに切れるの?などなど、びっくりされることが多かったです。日本じゃ周りの子たちより遅れているくらいだったのに・・

説明会での内容やこのデイケアの先生のセリフは、私にとっては意外なものでした。カナダでは州によっては違いはあるけど、5歳から学校が始まるから、日本より1年進んでいる分、教育レベルが高いと聞いていたし、カナダは子どもに対するしつけや規律に厳しくて、協調性の大切さ、友達との関わりなどをしっかり理解させている、とも聞いていたので・・。

日本では3歳から幼稚園入園に対し、カナダの未就学児の保育機会は限られがち

なんでだろうと考えてみたけど、小学校入学前の保育の機会が限られがちなのも、一つの理由じゃないかと思いました。

オンタリオ州などでは4歳から無料で小学校付属のJunior Kindergartenに通えますが、ほとんどの州では学校の開始年齢は5歳から。(※)それ以前の早期幼児教育の機会となると、デイケアやプリスクールに通うことになりますが、これって、親にとってはすごーーく金銭的負担が大きいもの!!

(※)詳しくは下記記事をご参照ください。

【カナダの学校制度】オンタリオ、お得過ぎ!学費無料と義務教育の年数は州によって異なる
カナダでは義務教育の年数や無料で学校に行ける期間は、州によって異なります。未就学児を持つ親にとって、断然お得なのはオンタリオ!その理由は・・・

日本では、多くの子どもたちが3歳から毎日幼稚園に通います。朝8時頃から午後2時、3時までと、ほぼ一日を幼稚園で過ごします。保育園に通っている子どもたちであれば、0歳や1歳から、しかも、より長い時間を集団の中で生活しています。

ここカナダで同じように子どもをデイケアやプリスクールに週5回フルタイムで預けようものなら、月1000ドル以上は覚悟しなくてはいけません!!!ほんと、高すぎ・・

共働きでない家庭では、プリスクールに通わせるのが一般的ですが、それも高すぎる保育料もあってか、週3回、しかも午前中もしくは午後のみの半日プログラムに通うお子さんも多いです。それでも学費は月300~400ドルとかしますが。都会のほうではもっと高いのかも。

そのため、小学校が初めての集団生活となるお子さんの数は、日本より多いみたいだし、デイケアやプリスクールに通っていたとしても、日本のようにフルタイムでみっちりで集団生活を送ってきたお子さんは少ないです。

その分、小学校の集団生活に馴染むまでが大変なのかな・・。

カナダの保育カリキュラムは教育的要素が少なめ

集団生活で過ごす時間の長さも大きく違いますが、その他にも、保育カリキュラム自体にも違いがあるように思います。

息子のデイケアやプリスクールを探している時に、いろいろ見学して回ったけど、教育的要素は少なめだし、年間目標や計画に沿って細かくカリキュラムが作られているわけでもないように思いました。

日々のカリキュラムは、自由遊び⇒外遊び・ジム⇒スナックタイム⇒読み聞かせ・グループ遊び・工作⇒ランチタイム⇒お昼寝⇒自由遊び⇒お迎え、というように、基本、遊び中心で、自由な感じだなぁと。

もちろん、学費が高めのプリスクールなどでは、習い事的要素も含まれているカリキュラムだったりします。そういう意味では、通う保育機関によって、カリキュラムに違いがあり過ぎるというか・・。

そのため、カナダでは小学校入学時には、子どもたちが出来ることに個人差が大きいのかもしれません。そして、出来ない子がいた時に備えて、入学準備の指示が当たり前とも思えるような簡単なことなのかもしれません。

至れりつくせりの日本の幼稚園・保育園の教育カリキュラム

それに対して、日本では、どの幼稚園や保育園でもある程度は同じようなカリキュラムに沿っていると思います。

運動会、劇の発表、音楽会、遠足、お芋ほり、ミカン狩り、お泊り保育・・・などなど、月ごとや季節ごとになにか大きなイベントやプログラムがあって、それに向けてみんなで練習したり。みんなの席が決まっていて、きちんと座って静かに先生のお話を聞いたり。楽器の弾き方を教わって音楽会で発表したり、字の練習や体操教室、英語レッスンなどの習い事的要素も、どの園でも一般的に行われています。色々なお当番さんがあって、責任を持ってお当番さんを遂行したりもします。

本当、至れりつくせりですよね・・・

そういえば、日本の幼稚園・保育園の先生たちは、年間・月間の計画や目標に沿って、さらに日々のカリキュラムを決めてますもんね。先生が日々作っている一日の学習指導計画シートを見た時には、今日の目標や取り組み内容などが細かく決まっていて、本当に頭が下がる思いでした。

そのため、日本ではどこの幼稚園、保育園に通っても、一定レベル以上の学力、社会性が身についた状態になって小学校に進学できるようになっているんじゃないかと思います。特にここ最近は幼保一体化も進み始めて要る分幼稚園と保育園の差はあまりなくなっていますし。

日本の保育園・幼稚園に通い、大きく成長した息子

日本とカナダでは、協調性を重視するか、自主性を重視するかなど、考え方自体も大きく異なるだろうから、違いがあって当たり前とは思いますが、個人的には、日本の幼稚園・保育園の方が良かったと感じています。

息子は日本で幼稚園に通うようになって、日々出来ることが増え、いろんな工作も出来るようになり、運動能力も伸び、何より友達との関わりがとても上手になって。劇や運動会で、みんなで何かをやり遂げる嬉しさも覚えたと思います。年少さんの時から子ども同士で手紙のやりとりをしたりして、字も書けるようになっていたし。どんどん成長していく姿を見ていて、本当に頼もしかったし、ビックリさせられました。

息子は年中さんの時にカナダにやってきましたが、こっちに来てから、その成長は止まってしまったんじゃないかと不安になります。もしあのまま日本で幼稚園生活を送っていたら、今の息子はもっともっと成長してたんじゃないかとも思います。

また、これは学校とは関係ないけど、日本では習い事をしている子どもがほとんど。七田や公文やそろばんなどお勉強系の教室、リトミックやピアノなどの音楽教室、英語、バレエ、体操教室、スイミング、サッカーなどなど・・、3つ、4つ、5つと掛け持ちも当たり前で、毎日のように幼稚園の後に習い事に通っている子ばかり。それが良いこととは決して言えないかもしれないけど、習い事をして、色々出来るようになっていく周りの子どもたちから、息子も私も、いい刺激を受けていました。

高学年になればなるほど、カナダの学校のほうが良い?

小学校以降のカナダの教育事情はまだ未経験なだけに、見えていないことばかりですが、カナダの教育レベルはとても高いといいますし、良いところも沢山あると思います。

例えば小学校低学年の時からワークショップ形式で子どもが自発的に学んでいけるような教育方針を取っているし、小学生からプレゼンをする機会もすごく多い。

また、大学のレベルも世界的にみてもすごく高いし、大学生たちは本当みんな真面目に勉強している。大学生は勉強で忙しすぎて、アルバイトする余裕もないんだそうです。

生涯学習も日本なんかよりずっとずっと盛んで、年齢に関係なく大学に通って一生懸命勉強している人が多いことと言ったら!!

日本では、逆に小学校以降の教育というのは、机上学習、試験や受験のためだけの勉強、暗記学習になりがちで、大学に合格さえ出来れば勉強から解放されるという感じなのに・・。私自身、情けないことに、大学時代は勉強なんて試験直前くらいしかしておらず、日々アルバイトと飲み会に明け暮れていました・・

カナダ政府は幼児教育機会を改善するべき

でも、脳の発達にとても重要な時期は幼少期である0~6歳までと言われているし、小学校入学前の幼児教育の機会を改善すれば、もっともっとカナダの教育レベルは底上げされるんじゃないかと、余計なお世話ながら、勝手に考えてしまいます。

教育の機会を増やす、つまりは、保育料の一定額を政府負担にしたり、年収に応じた保育料にしたりなどで、子どもたちがより多くの保育機会に触れられるよう、手を打ってほしいと、切実に思います!!5歳じゃなく、せめてオンタリオ州のように、どの州でも4歳からは就業機会を与えてほしい・・

結局、お金、っていうまとめになってしまいましたが。。。でも、最近のニュースでも発表があったように、世帯収入と大脳の発達には関係性があることが科学的に実証されたみたいだし、政府からの金銭的補助が学力に直結するのは事実です。

Nature Neuroscience は、国際的な神経科学コミュニティーに対して、神経科学におけるすべての領域で行われているきわめて興味深い研究成果を伝えるフォーラムを提供しています。

そして、保育機関によって異なるカリキュラムが、もう少し一定化されれば、尚の事良いのにな、とも思います。


日本とカナダの幼児教育事情の違いをここまで、言いたい放題述べてきましたが、一部の局面しか見えていない、私の超個人的な感想です。色んな考え方、見方もあるし、私自身がもっと広い視野で捉えられるようになれば、違って見えることも多いと思います。もしこの記事で不快な思いをされた方がいらっしゃたら、申し訳ないです。

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