ナイアガラ、トロント、バンフ…カナダ観光で徴収される「観光税」?!支払いは拒否できるって本当?

そろそろ夏の旅行計画を考え始める頃。今年は生誕150周年で盛り上がるカナダ観光に行かれるも多いと思います。今回はカナダ観光、その中でも特に、ナイアガラ観光に行かれる際には、ちょっと注意したい「お金」のお話を。

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観光地の振興税?

出典:niagaraadvance.ca

ナイアガラの滝近辺のレストラン、ホテル、そしてアトラクションなどを利用すると、レシートに見慣れない税金が差し引かれているに気づきます。

その税金はDMFやTIFという名称が一般的ですが、店舗によって呼び方が様々。

  • Destination Marketing Fee(DMF
  • Tourism Improvement Fee (TIF)
  • Destination Marketing Program (DMP)
  • Attractions and Promotions Fee (APF)
  • Niagara Falls Destination Fee (NFDF)
  • Destination Productivity Fee (DPF)
  • Promotion Fee (PF)

などなど。

元の名称が色々なので、日本語にしても、名称が統一できません・・・。観光負担金、観光振興費、観光整備費あたりが妥当しょうか。ここでは観光負担金と呼ぶことにします。

しかも略字で書かれていることが大半。初めて訪れる観光客にとっては、非常に分かりづらい項目ですよね。

これらは、オンタリオ観光省が2004年に導入を許可して以来、ナイアガラ地域を始め、トロントやオタワといった観光地で徴収が行われているもの。

オンタリオ州以外、バンフで有名なアルバータ州などでも、Destination Market Fee(DMF)として導入が進んでいます。ちなみに、ナイアガラ以外は、基本的にはホテルでのみ徴収されているようです。

DMFの用途は、地域観光の振興。例えば、ナイアガラでは、コンベンションセンターの建設費用、花火、ライトアップ、観光イベント、花の街づくりなどに利用されていると言います。

本来は支払い義務のない「善意」の負担金

「有名な観光地だし、税金だったらしょうがないな・・・」

そう思われる方も多いでしょう。

でも、この負担金は、実は、支払う義務がある税金ではありません!本来は、個人の善意による負担金です。税金とも呼んではいけないし、支払うか、支払わないかは、あなた次第!

そのため、店舗側は負担金(DMF)について明確に明示/説明した上で、顧客から徴収する必要があるのですが──

実際のところは、いきなり請求書に記載して無言徴収しているケースがほとんど。この点が非常に問題視されています。

消費者側は、気づかずに支払っている、もしくは気づいていても、当然支払うべき「税金」だと思い、疑問にも感じずに支払っている人がほとんどです。

ただし、DMFとは別に、支払い義務のある「ホテル税」が課税されている州もあります。例えばバンフやウィスラーなどがあるアルバータ州では、4%のホテル税がかかります。なんとも、ややこしい・・

DMF負担金の使途は本当に観光振興??

さらに不信感は高まりますよ。

観光振興が用途とされているDMFですが、ナイアガラ地域に関しては、資金を回収し、取りまとめる団体が一つも存在していないと言うのです。

そのため、DMFの徴収額がいくらなのか、そして、何の用途にいくら使ったかも、全くもって不透明!店舗によっては、花火への協賛を行っているところもあるようですが、本当に全資金が観光振興に使われているのでしょうか・・・?

なお、ナイアガラ以外の地域では、徴収金を管理する団体が存在しているため、使途も明確です。

年々高くなる負担金。10%前後も?!

そして、気になる負担金の額。

バンフでは一律2%。トロントやオタワでは3%程度になっており、観光負担金としても納得できる範囲です。

しかし、ナイアガラ地域の負担額は店舗によって様々。ある店舗では3%なのに、ほかの店舗では5%だったり。全く徴収していない店舗もあります。負担金が一律でない点でも、不信感は高まりますね。

しかも、DMFは年々値上がりが進み、今や8~10%の負担額になっています。オンタリオ州観光省が「通常、DMFは上限は3%程度」としているにもかかわらず、なぜ?!

例えば、2017年現在、ヒルトンホテルのDMFは1泊につき7.9%。リビング付きの客室で有名なエンバシースイーツに至っては、1泊につき10%の請求です。繁忙期の8月に2泊しようものなら、DMF(TIF)だけで約70ドルの負担です!

これじゃあ、「ちょっと観光振興に寄付しようかな」、なんて気軽に思えるような金額ではないですよね・・・。

ご存じの通り、カナダは税金も高く、ナイアガラのあるオンタリオ州の消費税は13%です。そのため、DMFも合わせると、20%以上も支払に加算されることになり、旅行者にとっては大きな負担となっています。

それにしても、全顧客から10%もの負担金を徴収するとなると、花火やライトアップ、イベント費用に充てるとしても、あまりに莫大すぎる金額なのではないでしょうか・・・?

DMFは支払い拒否できる!・・はずなのに

この観光負担金DMFは、先ほどもお伝えした通り、支払うか、支払わないかは、あなた次第!義務の税金ではありません。

顧客は法的にも支払いを拒否することが可能で、店舗もそれに応じなければなりません。

このDMF問題はカナダ国内のメディアでも頻繁に取り上げられ、観光客からの不満の声も高まっているため、支払い拒否をすれば、速やかに請求書から取り除いてくれる店舗が増えています

しかし、2017年現在も、顧客への説明も不十分のままに、DMFの徴収を行っている店舗も多く存在しています。中には、支払いを拒否したところ、「ナイアガラ観光文化スポーツ協会がDMFを義務にしたから」と、存在すらしていない組織の名前を出して、義務だと主張したレストランもあったそうで・・・。

まるで顧客を騙すようなやり方で支払いを求めるというのは、どうなのでしょう?!せっかくナイアガラを満喫して、楽しく観光しているのに、これでは後味の悪い思い出になりかねませんよね。

もちろん、ナイアガラ観光を大いに楽しんだし、観光地の美化や、滝の保存を願って、寄付したい、という方だって多いはず。本当にやましい用途でないのであれば、堂々と顧客の理解を求めた上で徴収するべきです。

DMFを徴収していないホテル・レストランもある

出典:Niagara Falls Review「DMF: The hidden fee

DMFを導入している地域でも、すべての店舗がDMFを徴収しているわけではありません。

特にナイアガラ地域に関しては、使用用途の不透明性に懸念を抱き、顧客に不利益をもたらさないように、DMF徴収をしていない店舗もあります。中には写真のように「We don’t charge DMF」の看板を掲げる店舗も。

また、ナイアガラの滝からは少し離れますが、ワイナリーで有名なナイアガラ・オン・ザ・レイク地域ではDMFを徴収していないホテルやレストランが多くなっています。

本来DMFは顧客の自主的な負担金ですし、賛同できない場合は、このような店舗を選ぶのも手ですよね。

まとめ

以上、カナダ観光地で徴収されることがある観光負担金「DMF」のちょっと怪しい側面をご紹介しました。

3%程度であれば観光振興に寄付する気持ちにもなれますが、あまりに高額、且つ、使途も不透明となると、気持ち良く払えるものではありませんよね・・・

ナイアガラ観光の際には、請求金額の「Tax&Fee」の項目にご注意くださいね。特にホテル予約は、事前に料金が分かるものですし、納得できないくらい高い負担金が加算されているようでしたら、ホテルを変えてみてもよいかもしれません。

参考記事: